大屋雄裕氏「質問時間の件について」2017年10月28日~

「問題の構造や、それを踏まえて「事実たる慣習」の由来や重要性を踏まえて議論するあたりが法的思考で、とにかく慣習は慣習だと開き直るなら単なる旧套墨守に過ぎない」 11月23日からの後編も合わせて 「乱暴なので反発するのはわかるけど覆すためには別の正当化要因(その後の現実)に関する丁寧な議論が必要であるところ、いろいろな人が展開してるものが粗雑すぎるだろ」
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(参考)

朝日新聞デジタル「野党の衆院質問時間、削減検討 政府・自民、配分で」2017年10月28日05時01分

http://www.asahi.com/articles/ASKBW5J39KBWUTFK010.html


(前段)

Takehiro OHYA @takehiroohya
党内の政策調整過程で主張を組み込んでいくのが与党議員の仕事なんじゃないかという指摘を目にし、それはまずその通りなのだがそのプロセスは報道されないじゃん、というフラストレーションも理解できるような気がするところ。これだけ政治がワイドショー化しちゃうとねえ。
れて @leght0
@takehiroohya 今回の件、個人的には反対です。が、①これまでの方法では与党議員はほとんど質問に立てないところ、マスコミは国会で質問しない議員を「仕事してない」と取り上げてきた前例があること、(続)
れて @leght0
@takehiroohya (受)②野党第一党が野党の質問時間を配分するところ、民進党は維新の会に質問時間を割り当てなかった前例があること、などを考えると『機械的に議席数に応じた時間配分でいいんじゃ?』という提案が出てくるのもやむなしとも思いますね…(終)
Takehiro OHYA @takehiroohya
念のために言うと私自身も質問時間を与野党問わず(たとえば)議席数に比例させることはあまり利口でないと思っていますが、議員は全員が個別に国民の代表であるという建前から一理はあり、でも議院内閣制だしというもう一つの建前と調整しての現状だというスジは押さえるべきだと思うところです。

(本編 1)

Takehiro OHYA @takehiroohya
①搭乗前で多少時間があるので質問時間の件について。まずそれぞれの議員が個別に国民の代表であるというのは憲法43条1項に「全国民を代表する選挙された議員」と明記された、憲法上の原則。これを踏まえてない主張はまあ、自称憲法学者とかのものだよね。
Takehiro OHYA @takehiroohya
②この原則からは、議員一人あたり時間を等しくという基準がまず正当性を持つことになる。 これに対抗して持ち出されるのが議院内閣制で、内閣と与党は一体だから政府提案に対して与党に質問すべきことはあまりないはずという主張。だがここには二つほどの飛躍がある。
Takehiro OHYA @takehiroohya
③第一に、議院内閣制は憲法が予定している内容だが保障された制度ではないということ。憲法が規定するのはあくまで、総理は議員であり・国会の議決で指名されること(67条1項)。ここからはたとえば、国民投票で総理候補者を選び・議会がその結果を尊重するという事実上の公選制が排除されない。
Takehiro OHYA @takehiroohya
④仮にそうなれば、大きな対立軸は(アメリカや二元代表性を取る地方自治体のように)総理と議会全体のあいだに形成されることになる。すると、与野党対立という構図は憲法上の原理でなく事実上の慣習に留まるということになるはず(無価値だとは言わないが、憲法上の原理とどちらが強いのか)。
Takehiro OHYA @takehiroohya
⑤第二に、議院内閣制を取るとしても内閣・政府と与党、さらに国会内の与党会派は異なる存在だということ。ふたたび憲法は選挙制度についてほぼ沈黙している点に注意。たとえば完全比例代表制を採用すれば小党分立になり、政府は連立によってはじめて形成される可能性が高い。
Takehiro OHYA @takehiroohya
⑥この場合、連立協定に従う政府の行動と、それを構成する各政党の希望にはズレが出てくる。各議員に政党本部の指示に従うインセンティブがあるかによっては、議会内での実際の行動がさらにズレる。にもかかわらず「政府を支える与党なんだから」というのは単なる暴論。
Takehiro OHYA @takehiroohya
⑦実は現在でもこの点は問題になる。「質問したければ総務会でしろ」とか言っている人もいたが、連立与党である公明党の議員は、当然ながら自民党の党内手続きには参加できない(与党間協議という形で議会より前に関与してはいるはず)。政府と政党のズレは現実に存在しているわけ。
Takehiro OHYA @takehiroohya
⑧もちろん他方でこれらは建前論であって、現実には議院内閣制であり自民党の党内手続きがあり連立与党にも事前の影響力があるのは周知の通り。ただそれらは第一に事実としてそうだというだけで理屈ではあまりなく、第二に現在の国会制度に対応して自民党などが発達させてきた制度でもある。
Takehiro OHYA @takehiroohya
⑨制度のあり方に対応して自前で対処したら「お前ら余裕があるんだから我慢しろ」と言えるのかという問題。総務会などがクローズドだという点について「じゃあ公開すればそれでいいじゃん」的な主張もあったが、じゃあ野党も自力で努力すればいいと返されて終わるだけの自爆。
Takehiro OHYA @takehiroohya
⑩建前論で詰めると憲法上の原理が勝ちそうであるところ、まあ事実は事実なので妥協しましょう譲りましょうということでこれまでの慣習が成立してきた。この構造の上にあぐらをかけば原理を持ち出してひっくり返されるのもある意味では当然で、事実やその重要性という丁寧な議論で反論するしかない。
Takehiro OHYA @takehiroohya
⑪こういう問題の構造や、それを踏まえて「事実たる慣習」の由来や重要性を踏まえて議論するあたりが法的思考で、とにかく慣習は慣習だと開き直るなら単なる旧套墨守に過ぎない。そういう思考法に原理や伝統の読み直し・再解釈で立ち向かってきたのが本来のリベラリズムなんだけどね、と。(終)
Takehiro OHYA @takehiroohya
というわけでそろそろ搭乗。ひさびさの海外出張ですが2泊3日なので書類カバン一つです。どうなのか。

(質疑応答)

海原健叡 @kaibarakenei
こういう話をするなら、そもそも日本国憲法は政党政治そのものを保障していないんですけどね。 twitter.com/takehiroohya/s…
Takehiro OHYA @takehiroohya
その通りだからなおのこと議員個人に対する均等割当という主張に正当性が出てきてしまうわけですね。なお仮にそう考えても個々人の合意によって融通することは批判できない(から実際には多くの場合に政党単位で再配分される)ことにも注意。 twitter.com/kaibarakenei/s…
海原健叡 @kaibarakenei
このての原理論を強調するなら、質問時間うんぬんの前に、公明党の「創価学会の皆さんありがとうございました(o・`Д´・o)!!」は違憲になってしまうわけですが。でも、そういうご指摘はされないんですよね。 twitter.com/takehiroohya/s…
Takehiro OHYA @takehiroohya
現実には一部の人の支持によって当選する(からそれに対するお礼をする)ことと、当選したのちには全国民の代表と観念される(しそのように振る舞うよう期待される)ことはまったく別ですね。前者を否定するなら選挙自体が行なえなくなるわけですが。 twitter.com/kaibarakenei/s…
海原健叡 @kaibarakenei
その割には「与党」「野党」は自明のものとしてツイートをされていましたね。それとこの原則を強調するならば「党議拘束」は違憲になるでしょうね。 twitter.com/takehiroohya/s…
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