- tall_hemlock
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子供の頃、漫画の主人公たちはみんな一本固い芯のようなものを持っているように見えた。だから、私は『自分らしさ』というものが大木のような、流れに逆らってその場に立つための杭みたいなものだと思い続けてきた。
2011-03-30 23:40:56でも、ちょっと前に色々崩壊して、自分はそういう変わらないものを持ち続けるのは無理そうだな、と気づいた。じゃあ私の自分らしさってなんだろう?
2011-03-30 23:42:10昨日好きだと思ったこと、今日好きだと思うこと、明日好きだと思うだろうこと。連綿と続いていくそれこそが、私なんじゃないだろうかと。
2011-03-30 23:51:04毎日変わらずに一つのことを選び続けるのではなく、私が『今日』選び続けることを積み重ねた、緩やかな流れみたいなものが、「私のらしさ」なんだと。
2011-03-30 23:53:13コーヒーより紅茶を選ぶこと。ピーマンより玉ねぎが嫌いなこと。好きな本を読まずに別の本を手に取ること。でもたまに、嫌いなものにうっかり手を出しちゃうこと。無数の選択肢を選んだ自分。
2011-03-30 23:59:00たとえば、好きなものを100個と、嫌いなもの50個あげてみるといいよ。そのすべてが人と被るなんて、きっとない。好きなもの、嫌いなこと。好きであることを選び続けてきたその選択も、『自分らしさ』のひとつなんだと。
2011-03-31 00:01:02もちろん、その流れは時として大きく方向性を変える。好きだったものが急に色褪せるみたいに。あるいは、どれほどその方向に行きたいと願っていたとしても、無理だと悟るみたいに。
2011-03-31 00:02:01一例を挙げよう。私自身の話。私は『特攻天女』(秋田書店コミックス)の主人公みたいになりたかった。彼女は、轢かれて死んだ知らない猫のために泣いて、触れて、悼むことを厭わない人間だった。そうなりたかった。
2011-03-31 00:04:25でも、一昨年の暮れかな。実際に雀の死体に出遭って、埋葬してみて、わかった。私はそうはなれないと。命に対して、純粋に泣ける人間にはなれない。
2011-03-31 00:08:52んで、決めた。できる限り、埋葬する手段を模索する。でも、手におえなかったら諦める。悲しみじゃなくて、義務感でもなくて、「そうしたいから」。
2011-03-31 00:14:43