<a class="info_title emj" href="https://togetter.com/li/1181178" title="#いろいろなアドベントカレンダー 2017">#いろいろなアドベントカレンダー 2017

長くてどこまでも続くものが出てきます。工場でパッケージされたばかりの帯状になった小袋からし、手品師が口から出す万国旗、トイレットペーパーなど。最後はイルミネーションライトなので身体に巻きつけてください。七色に光ります。メリークリスマス！#いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-19 00:42:36

どの日の箱にも、いつかの昔にポンと取れた誰かの疲労がひとつ、収まっています。抜けた歯に似ていたり、噛み終えたガムに似ていたりします。理由はいうまでもないことですが、手にとってはいけません。粉の入った小袋が出てきたら、つまりそういうことです。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-19 12:48:21

【未の匣】こんなもの子供騙しだよな、アウグストゥスの口の端からクッキーが零れる。帯刀を許されればいっぱしの大人だと思っている。空っぽの箱を引いたら上がりらしいぜ、兵舎の片隅に開けさしのカレンダーが積み上がっている。困ったな、どうしても蓋が開かない。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-19 17:47:48

全身でぶつかり、扉を破る。気合いを入れないと跳ね返されるから、助走が必須だった。ためらいのない突入により彼が得るものとは。次回、#いろいろなアドベントカレンダー、「バーンといってドーン！！あるいは敬虔な疾走」。お楽しみに！

2017-12-20 01:00:00

【亜の匣】「そなた、我が弮族にはならぬかね」二十五の棺には二十五の求婚者、どの方も頗る男前なのですが、顔色が優れなかったり目が血走っていたりでもう一つ好みに合いません。それが今宵の殿方ときたら！けれど他の殿方は口口に異を唱えるのです。朝が来ました。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-20 17:36:20

毎日クリパです。きのうはクリミナル・パンダ逃走、おとといはクリエイティブ・パンデミック、そのまえは栗おこわパニック。社会はだんだん疲れてきました。でも、もういくつ寝れば！　きょうはクレイジーりんごパフェが東京駅を破壊しています。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-20 19:06:21

25通の手紙はすべて白紙だが、差出人は連日違う人で、どの人にも心当たりがない。筆跡はわたしに似ている。失われたのだという確信だけがある。#いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-21 03:49:29

【希の匣】呪詛、と真っ黒な箱に赤い文字。これらは様様に由あって封印された言葉です。もちろん現在では完全に無力化されていますから、お茶菓子と一緒に益体も無い呟きをお楽しみください。恐る恐る最後の蓋をそっと開けてみる。人の声を久し振りに聞いた気がした。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-21 17:32:58

あけると毎日お金が出てきて、嬉しい。ところが、使おうとするとかならず消えてしまい、腹立たしい。おのれの浅ましさを思い知らされるようで、かなしい。よくみればどのお金にも人の顔や、犬の顔や、犬の顔をした人や、人の顔をした犬が描かれていて、楽しい。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-21 23:25:54

あたたかい空気が流れ出してきて、こりゃいいやと開けっ放しにしていると雪も流氷も世界中ですべて溶け、なにもかも台無しになってしまう。サンタクロースはぬるい空気の中では希死念慮に襲われる。#いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-22 03:33:01

そうです、あの人は、いま国じゅうを転々として、町で見つけたサンタパンを郵便でここへ送り続けているのです。ええ、サンタの顔の形をしたパンです。……なぜそんな怪訝な顔をなさるのですか。これはまちがいなくサンタの顔ではありませんか。これも。これも。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-22 17:36:09

【神の函】蝋燭の灯を翳すと影絵が浮かび上がる。それは心温まる様な懐かしい場面であり、胸を掻き毟られる様な切ない場面でもある。ところがある箱は灯りの下でも真っ暗のままだった。不思議に思っていると眩い光が頭上から降り注ぐ。驚いた様に影法師が天を仰いだ。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-22 17:42:49

【天の函】ある夜、私は思い切って訊ねました。どうしてあなたは毎日贈り物を届けてくれるのですか。配達員は荒い息を吐き吐き答えました、私は貴方のお父さんなのです。これは可怪しな事を言う人だな、と私は思いました。でもその声は何時迄も耳に残って離れません。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-22 17:52:40

一本ずつ爪を塗っていく。右手左手右足左足の順番に。残りの四日で、機械に巻き込まれたり、組を抜けたり、一本多かったので外されたりした指を集めてきて、自分の親指の外側にそれぞれ移植し、聖夜に全部の指を駆使してパイプオルガンを弾く。＃いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-23 00:16:44

とりにくです。焼かれている。わたしはそれをとりだし、切る。とりにくの中には米がある。米のなかには神がいる。神は思いだせない姿をしている。木の枝に神を刺す。すると、神はありがとうと言う。ありがとう、わたしを意味から救ってくれて。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-23 22:19:06

毎日、電車の網棚から誰かの忘れた雑誌を持ちかえっていたけれど、それがわたしのアドベントカレンダーだったのだと気づいたのです。いま赤い袋を抱えてビルの高さに浮かんでいるのが、わたしにとってのクリスマスなのだとも。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-23 22:27:20

百三 @103stickyend

窓の開いていないカレンダーを彼女が見つけた。何だか臭いと言いながらひとつめの窓に爪をたてる。私は何も言えぬまま彼女の手を掴む。産まれぬままでいた方が良いものもあるのだ。もろもろと口の中で言葉が崩れていく。　#いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-23 22:30:07

wordcage @wordcage

毎日マッチが一本入っています。火をつけると何かしらクリスマスらしい幻影が見えます。暖かな薪ストーブや、七面鳥の丸焼きや、オーナメントの飾られたツリーなどです。もしも優しいお祖母さんがお迎えに来たら、「大晦日はまだ先です」と告げれば帰ってくれます。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-23 22:34:36

シロビ @siirobi

扉の中には毎日ひとつずつ、歯が納められている。それらはパズルのピースで、日付の順にぴったりと並ぶ。最後の扉を開くと揃った歯が中に浮き歌いだす。数が足りていないし、喉もないからかちかちと合わさる音だけがする。…どうやらジングルベルのつもりらしい。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-24 01:13:33

赤ん坊用の小さくて柔らかい靴下からはじまり、中盤は指先が泥で汚れた白い靴下が、最後のほうはスーツ用の黒い靴下が続いた。ただどれも片足で、多くは丸まってすこし湿っている。歴代の行方不明になった片靴下たちだ。みな、また部屋の暗がりへ転がって消えていく。#いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-24 01:54:59

Shajin @ShajinShajin

財布の中で毎日何かが脱皮している。蝉や蛇くらいなら別によいが、ザリガニなどは臭うのでちょっと勘弁して欲しい。最後の日にはいつも必ず白髭の老人の脱け殻などが残されていて、どうやらあれにも何らかの生活環というものがあるらしい。単為生殖だろうと思う。#いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-24 14:49:56

はるさめシャーク @harusasameme

もらったアドベントカレンダーは、どれもこれも写真映えする小物が入っていた。数日してから写真を撮り忘れた日、カレンダーから視線を感じたので、残りをすべて開けて裏に向けた。もう視線は感じないけど、恨み言が聞こえてくる。明日までの辛抱だ。 #いろいろなアドベントカレンダー

2017-12-24 16:13:53