Togetterに何が起こっているのかを推測する
凍結の理由は?
Togetter の凍結が長引いている。同一の API キーを複数の目的で用いたなどの軽微なポリシー違反が原因ならそろそろ解除されていないとおかしい。一方、Twitter 社がモーメント機能と競合するという理由で凍結しているのなら Togetter に何らかの改修を施すことを約束しない限り解除は難しいだろう。
Twitter 社が競合他社を潰すためにポリシーを恣意的に適用しているとすれば由々しきことではある。ただ、Twitter の API を使っている以上彼らに生殺与奪を握られているのは Togetter にも分かっていたはずで、ビジネスとしての地盤はそもそも脆弱であったと言えるかもしれない。
今回の凍結は解除されたとしても、またいつ凍結されるか分からないという心配は残る。
Twitter 得意のテンプレメール
開発者宛のメールが公開されている。
こちらのモーメントによれば Togetter 側は一つのアプリのために複数の API キーを取得しているのがまずかったと認識しているようだ。確かに、複数アプリで単一の API キー、逆に一つのアプリで複数の API キーを使うことは双方とも Developer Policy: Sections I.F.5.a で禁じられている。しかし、こんな軽微な違反で長時間凍結するものだろうか。開発時にテスト用に複数のキーを取得することはよくある。
気になるのは Developer Agreement: Sections II.A.3, II.A.5 で、これはライセンス素材の派生物の生成を禁じている。Togetter まとめがこの派生物と見なされている?とすれば凍結の主な原因はこれではないか。
実は私もいくつか Twitter API を使ったサービスを作ったことがある。凍結も経験したが、その際感じたのは Twitter 社とのコミュニケーション不全である。届くメールは英語で、こちらが何を言おうと木で鼻を括ったような同じ内容が返ってくる。Twitter 社が早くもこのような大企業病に陥っているのは残念だ。
もう一つの可能性は、Togetter が大きくなったことで苦情も増えたのではないかということ。率直に言って Togetter には特定の個人や団体を誹謗するようなまとめ・コメントも見受けられた。
そのような「被害者」が Togetter の頭越しに Twitter 社に苦情を寄せていたとすれば Togetter が問題視されたとしても不思議ではない。そして、先述した大企業病によって真の理由が告げられることはなく、ただ「ポリシー違反」というテンプレメールが届くのである。
Twitter は公共サービスでもなんでもない。どのようなポリシーを策定しどのように運用しようとも本来的に自由である。しかし、「言論プラットフォーム」を目指すのならば高い公平性・中立性が必要となる。(余談だが、「言論プラットフォーム」であるがゆえに所謂ヘイトスピーチを排除すべきとの論があるが、私はむしろ Twitter 社は何がヘイトであるかを安易に判定してはならないと考える。)
とりわけ、ポリシー運用の透明性は重要である。
Togetter には、単にツイートを抽出・羅列するだけではなくコメントを付けることで新たな言論を生み出す意義がある。Twitter 社には速やかな凍結解除を期待したい。
(12月21日追記)
凍結解除。
まずはおめでとうございます。結局、凍結の理由は複数のAPIキーを取得していたことだった可能性が高いという。これによる長期間の凍結はまずないだろうと思っていたのだが違ったようだ。
私のアカウントの凍結に関しては、少し状況が違いました。まず、他の方々には届ている違反の内容を示すメールが来なかったことが上げられます。他の人にはアプリを1つだけ残して削除してくださいというメールが来ていたのに、私には届きませんでした。
2017-12-21 13:34:31ですので、何が問題だったか分からないという状況からスタートしました。手探りでまずは、使っているTogetterとChirpstoryを残して使っていないものは消しました。あとは、TwitterJapanの中の人に連絡したりして、問題点を探ろうとしましたが、結局良くわからない状態でした。
2017-12-21 13:34:32凍結に対する異議申し立てからメールをしても、全然返信が来ない。他の人は24時間くらいで解決されているのに困ったなという感じでした。土日を挟んでしまったとか、現地を時間がズレてて、どちらにしても1日1つしか対策が取れず、結果を次の日に確認するという日々でした。
2017-12-21 13:34:32昨日、TwitterJapanから日本の判断で何かをしているわけではないので、USのメールに対応してください。というニュアンスの連絡を受け、原因は分からないながら、最終手段として海外版TogetterのChirpstoryのAPIを削除しました。
2017-12-21 13:48:36そして、APIキーを1つにしたので解除をお願いしますというメールを投げて、翌日解除に至ったという感じです。ですので、結局は、APIキーを1つにするというのが答えだった可能性が高いです。
2017-12-21 13:48:36