クリスマスについて

ミレニアムカフェ+αの、クリスマスについての解説
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飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

フライング「メリー・クリスマス」がいくつも流れる気の早いTLですが、今夜はクリスマス・イブ。クリスマスは明日でござますw

2017-12-24 19:10:15
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

1. 12月21日に開催したミレニアム・カフェでは、牧師さんでもある岩本遠奥先生に「そもそもクリスマスとはどういう季節なのか」というお話をしていただきました。備忘録を兼ねてその内容と、他の本も参照しつつ、クリスマスについて連投します。

2017-12-24 19:12:47
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

2. 北半球の高緯度地帯では、長く暗い冬はそれはそれは恐ろしい死の季節でした。秋分を過ぎると日がどんどん短く夜が長くなり、気温は日に日に下がり、満目蕭条たる玄冬が世界を支配します。しかしある日を境に、寒さはまだ厳しくとも、日が少しずつ伸びはじめます。一陽来復、冬至です。

2017-12-24 19:18:23
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

3. やがて春が来る確かな兆しである冬至を、北半球の高緯度地帯の人々は色々な形でお祝いしました。そのうちの一つが、古代ローマの農耕神サトゥルヌス(サターン…と言っても悪魔の方じゃなく)のお祭り、サトゥルナリアでした。サトゥルナリアは冬至をはさんで、12月17日から24日までの大祭です。

2017-12-24 19:23:35
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

4. サトゥルナリアの7日間、古代ローマでは役所も商売も学校も全部お休み。プレゼントが交換され、奴隷たちもこの期間は自由に振舞うことができたといいます。神聖な祭儀というよりは、羽目を外す大騒ぎ系だったようで、なかなか楽しそうw

2017-12-24 19:27:31
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

5. 紀元前3世紀ごろ、ローマの信仰のトレンドは古い神々から東方の新しい神々へ移って行くのですが、サトゥルナリアのお祭りだけはローマ人たちは祝い続けました。ローマで特に信仰された新しい神は、太陽神ミトラ(ミスラ)でした。

2017-12-24 19:33:02
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

6. ミトラ教ではサトゥルナリアが明けた翌日、12月25日にミトラ神の聖誕祭を祝いました。サトゥルナリアにクライマックスが1日加わったようなものです。その後ミトラ教がローマでそれほど重要視されなくなっても、サトゥルナリア〜ミトラ聖誕祭の一連のお祭りは続きました。

2017-12-24 19:36:39
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

7. やがてキリスト教がローマの国教となりますが、それでもサトゥルナリアは残ります。聖書にはイエスがいつ生まれたのかどこにも書いていないのですが、ミトラ神の聖誕祭をイエス聖誕祭に置き換える形で、紀元3世紀にクリスマスが12月25日と制定されました。

2017-12-24 19:41:00
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

8. (ただし暦法が異なるギリシア正教・ロシア正教では、クリスマスは現在の1月7日です)

2017-12-24 19:42:19
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

9. 岩本先生のお話で私が興味を惹かれたのは、イギリスの清教徒革命以降のことです。清教徒革命の主役・ピューリタンたちは、聖書に書かれていないという理由でクリスマスを禁じたのだそうです。クロムウェルが歌舞音曲の類を禁止したり弾圧したのは知っていましたが、クリスマスまでとは!

2017-12-24 19:46:33
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

10. クリスマスはしかし命脈を保ち続けます。そして時は下って19世紀。機械文明が発達しはじめ、貧富の差が拡大し、社会不安が増大しつつあったこの時代、クリスマスには新しい役割が加わりました。家族愛と貧者への思いやりの季節、になったのです。

2017-12-24 19:51:59
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

11. イエス自身が貧しい中に誕生したこと(泊まる場所もなく、10代のマリアは厩で出産せざるを得ませんでした)、またその生誕を天使たちに告げられたのが非常に貧しい羊飼いたちであったことも、クリスマスが貧しい人々の苦境に思いをいたす季節としてクローズアップされる大切な理由でした。

2017-12-24 19:59:56
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

12. ディケンズの『クリスマス・キャロル』はじめとしたクリスマス文学でも、家族愛や貧しい人々の苦しみに光が当てられています。また有名なクリスマス・キャロル「善き王ウェンセスラス」も、貧者を救う王の物語です(音楽は16世紀ですが、詩はやはり19世紀)。

2017-12-24 20:10:30
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

13. そういうわけで19世紀以来のクリスマスの精神とは、家族を大切にしたり、自分よりも持っていない人に何かを分け与えるということであり、「恋人がいて一緒に高いディナーを食べられたら勝ち組」というものではないのですよ、ということが岩本先生のお話の一番大事な部分でした。

2017-12-24 20:14:43
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

14. ところで聖書にも登場していないサンタ・クロースとはそも何者ぞや。というお話もあったのですが、こちらも長くなりそうなので、またいずれ。

2017-12-24 20:24:18
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

15. あっ、忘れていました。クリスマスとは、12月25日からの12日間の期間です。12月24日のイブだけではないし、24日と25日の2日間でもありません。この歌でも繰り返されるように。クリスマスの終わりは、公現節。東方の三博士が厩のイエスを見出し、礼拝した日です。 youtube.com/watch?v=oyEyMj…

2017-12-24 20:52:06
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飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

16. なので、クリスマスリースもクリスマスツリーも、12月25日から12日間(1月6日)までは片付けなくてOK!なのです。

2017-12-24 20:53:24