高橋財政下の日本における実質賃金の動向についての一考察

ダンロップ・ターシス批判を念頭に。
4
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

↓記事のコメント欄で、ダンロップ・ターシス批判(「総需要回復においては基本的に実質賃金は上昇傾向」という実証)を紹介しつつ記事への批判(正確には引用されている高橋洋一の記事への批判)を加えました。 ameblo.jp/bj24649/entry-…

2017-12-25 08:10:42
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ダンロップ・ターシス批判といった実証的批判、それを受けて再構成された総供給モデルでは、「総需要の回復は、基本的に実質賃金の上昇(×下落)を伴う雇用回復を生じる」ということになっているのだが、それと対立する指標としては、1930年代の高橋財政下の日本になる。これについて考察したい。

2017-12-25 10:46:35
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

1930年代の高橋財政下の日本では、雇用回復に際して実質賃金低下を伴っている。twitter.com/criticalmind_E…で論じたように、総需要主導の雇用回復は基本的に実質賃金上昇を伴うので、実質賃金低下には(総需要回復以外の)それ相応の説明をつけなくてはいけない。

2017-12-25 10:47:02
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

①広範な失業発生による労働者の賃金要求力の低下 これが生じた場合は、労働需給モデル上では労働供給曲線の右方シフトということになり、総需要追加による実質賃金上昇圧力を上回るレベルで実質賃金下落圧力がかかった、と考えることが出来る。

2017-12-25 10:47:13
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

②人口動態(若年人口の増加や、産業への人口流入) 1930年代当時の詳細な人口ピラミッドは分からないが、人口の安定した増加は確認でき、これは若年層の拡大→新規雇用層の拡大を通じて、平均実質賃金に低下圧力を齎していたかもしれない。

2017-12-25 10:47:25
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

また、さらなる産業化の途上であった場合は、農村部から産業への人口流入がある分、雇用増&実質賃金低下の圧力がかかることになる。 まだ思索途中であるが、とりあえず高橋財政を「一般に、総需要の拡大による雇用拡大は、実質賃金下落を伴うのが普通だ!」という立論に援用するのは早計だろう。

2017-12-25 10:49:25