【日本国】「日本は痴漢が日常茶飯事過ぎて危険だとイギリスに思われている」という指摘を雑に検証してみた【英国】

加藤AZUKI @azukiglg

検挙件数約4000件のうち、面識のない加害者による犯行は3000件弱。 で、この数字は ・警察庁の資料なので日本全体 ・強制猥褻（痴漢）の犯行場所は電車内に限らない（路上、会社内なども含む） ので、「首都圏」「電車」に限るともうちょっと少なくなる。

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東洋経済の記事（2016）によると、2015年に東京都内で発生した痴漢件数は約1900件で、そのうち54％が電車内、18％が駅で、７割近くが鉄道での痴漢。 同じ割合を当てはめるとして、だいたいざっくり1400件弱が「鉄道での痴漢」ということになる。 toyokeizai.net/articles/-/125…

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1400件は年間検挙数なので、これを雑に365で割ると、一日当たり3.8人（約４人）が鉄道で痴漢をして捕まっている計算になる。

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で、首都圏の鉄道利用者数はというと、「首都70キロ圏内（東京、神奈川、埼玉、千葉）の人口2725万人に対し、電車利用者が1767万人。 irorio.jp/natsukirio/201…

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これは延べ人数ではなくて、「実利用者数」。 仮にぴったり半数が女性だとして、約883万人が女性客。 先の痴漢検挙件数は１日あたり約４件。検挙人数はだいたい２倍なんだけど、これは鉄道以外の強制猥褻が複数人で行われるケースが多いためっぽい。鉄道の痴漢は大抵単独犯。

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で、883.5万人を4で割ると、東京（首都圏）で鉄道で痴漢に遭うのは、一日平均、約221万人に一人ってなる。

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で、さっきの「一日当たり検挙数４件」というのは、【実際に検挙された数】であって、発生件数ではない。検挙されなかった認知件数で言うと、先の警察庁の資料では、検挙件数4000に対して認知件数6000くらいなので、約1.5倍。

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また、「認知もされていないが潜在的に発生し、被害者は我慢していて名乗り出ないのだ」という主張を採用した場合、そうした主張者は「潜在的には検挙件数の10倍は発生しているはずだ！」としているものを見かけるので、最大値を10倍とする。

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そうすると痴漢は毎日40人が現れ、女性乗客88.3万人に一人が痴漢に遭っている、ということになる。これは「認知されない潜在痴漢は検挙数の10倍」というエピデンスは見当たらない主張に基づいた数字だけど、それでも「一日当たり88.3万人に一人」という確率は、【ひっきりなし】【日常茶飯事】になる？

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また、ここでは「被害者は全て女性乗客」とし、「男性乗客が痴女に痴漢をされた場合」はノーカンとしている。実際には、痴女が男を痴漢して検挙されたか、男性乗客が我慢していて認知されないケースとかあると思うんで、女性乗客の実被害数はさらに減る可能性はある（ただし微減だとは思う）。

加藤AZUKI @azukiglg

ちなみに、ロンドンの人口は863万人に対し、電車利用者は267万人（利用率32％）。 東京圏の2725万人に対して1767万人（利用率64％）と比べると、そもそも電車利用者実数が少なく、利用率も少ないらしい。 irorio.jp/natsukirio/201…

加藤AZUKI @azukiglg

そして、ロンドンの痴漢事情はどうなのかというと、ここ数年の間に「公共交通機関での痴漢事件」の発生件数が急増していて、これが問題になっているらしい。 2014年の記事では、2013年7月から2014年4月までに発生件数が27％増、とある。 ingakankei.blog130.fc2.com/blog-entry-329…

加藤AZUKI @azukiglg

また2017年7月のBBCの記事では「電車内で起きた性犯罪は、過去五年間で２倍以上に増えている」とある。 発生件数は、2012/2013年度に650件→2016/2017年度に1448件。 内容についての内訳がなく「性暴力」でまとめられてるんだけど、大半はラッシュアワーに起きているとある。 bbc.com/japanese/40667…

加藤AZUKI @azukiglg

んで、1448件を１日あたりに均すと、3.9件。約４件なので、発生件数そのものは実はロンドンも日本（首都圏）もほぼ同じ。 ただし、ロンドンの電車利用者数は267万人で、日本の利用者数の15％程度。 うち半数が女性客だとして、133.5万人が女性乗客。

加藤AZUKI @azukiglg

つまり、ロンドンでは133.5万人に一人の割合で痴漢に遭う。 日本は883万人に一人の割合。 で、「認知されていない潜在的発生件数は、検挙数の10倍はあるはずだ」論を当てはめると、ロンドンでは13.3万人に一人の割合で痴漢に遭う。 日本では88.3万人に一人の割合。

加藤AZUKI @azukiglg

以上を踏まえると、「ロンドンの交通機関で痴漢に遭う確率は、日本（首都圏）の交通機関で痴漢に遭う確率の6.6倍」となるわけで、イギリスで交通機関を利用する女性客は、日本の首都圏で電車に乗る場合の6.6倍は気をつけたほうがいいですよ、という結論になるみたい。

加藤AZUKI @azukiglg

例によって僕の資料の読み方が間違ってたりとか、偏ってたりとかする可能性はあるので、もうちょっと詳しい人が検算してくれるはず。 |･∀･) ﾁﾗｯ

加藤AZUKI @azukiglg

さっきのBBCの記事をもう一度読むと、「女性への性暴力は犯罪の大半がラッシュアワーに起きている」「夜遅くまで飲酒をする文化と関係しているという神話は否定された」「女性に性暴力を揮っても罰せられないと考えているのは、通勤中の素面の男性」とある。 bbc.com/japanese/40667…

加藤AZUKI @azukiglg

同じくBBCの記事にはグラフがあった。 2012年から2017年までの間に確かに急増している。2012年以前のデータがないので、それ以前はもっと少なかったのか、一度減って増えたのかは分からない。 ichef-1.bbci.co.uk/news/624/cpspr…

加藤AZUKI @azukiglg

なお、当然のことながら日本のデータ（警察庁調べ）と、ロンドンのデータ（英交通警察調べ）は、それぞれ調査方法や分類方法が異なるだろうと思うので、厳密な比較調査にはならないとは思うけど、夜中のティーブレイク程度ということでそこは勘弁な。 |･∀･) ﾁﾗｯ

加藤AZUKI @azukiglg

あと、「検挙件数が増えた」というのは、「犯罪が増えた」ことを必ずしも意味しない。 例えば、「犯罪件数は例年同じだが、捜査に重点が置かれて検挙率が上がった」場合は、検挙数は増えるから「犯罪が増えた」ように見える、こともあるし。

加藤AZUKI @azukiglg

ロンドンのほうは分からないんだけど、日本（警察庁）の資料（P26）で見ると、H19～H28の十年間の強制猥褻の認知件数は、H19/7664→H28/6188で減少している。まあ、これは7600～6200くらいの間を上下してる。6188件は十年間で過去最低数値。 npa.go.jp/toukei/seianki…

加藤AZUKI @azukiglg

一方で、H19-H28の十年間の「検挙件数」で見ると、H19/3542→H28/4207なので、「認知件数は減っているけど、検挙件数は増えている」ってなる。これもH26の4300件が最多で、H27/4129だったりするので、H24以降は「だいたい4300～4000くらいで増減しつつ安定」って感じみたい。

加藤AZUKI @azukiglg

で、これの切っ掛けになった twitter.com/konozama347890… （僕と接点ない人だと思うけど、ブロックされてるので元ツイが見えません(^^;)）や、英国政府の喚起する gov.uk/foreign-travel… などは、「英国内の事情と比較すると、日本はマシなほう」となるような感じ。

弁護士杉山程彦5@東慶應三丁目 @SUGIYAMA766

@azukiglg 加藤さん 力作ありがとうございます。 ただ、痴漢の大半は強制ワイセツより軽微な迷惑防止条例違反事件になりますので、この統計も含めないといけないと思います。