ブレードランナーのタイレル本社ビルはどこが未来的なのか

参考文献"Cinefex issue09"→ http://www.cinefex.com/backissues/issue9.htm
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k_wota @k_wota

ブレードランナーのタイレル本社ビルはマヤのピラミッドをモチーフにしているが、ピラミッドというのは古代のデザインであり、それだけでは未来の建築デザインにならない。

2017-12-31 10:47:25
k_wota @k_wota

そこでデザインスタッフのトム・クランハムの提案で、ピラミッドの四方に2棟1組の「傾斜ビル」が付け加えられ、タイレル本社ビルは「未来の建築」となった。

2017-12-31 10:47:49
k_wota @k_wota

どの辺が未来なのかというと、これは本体のピラミッドから独立した、傾斜した超高層ビルで、構造的な意味で未来的なのである。 pic.twitter.com/EmRMAiFxX1

2017-12-31 10:48:18
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k_wota @k_wota

トム・クランハムはこの傾斜ビルを「バットレス」と呼んでいた。ロマネスクやゴシック建築のフライング・バットレス(flying buttress)、飛梁のことである。

2017-12-31 10:48:57
k_wota @k_wota

バットレスはもともと中世教会建築を高層化するために必要だった、構造的な役割を持った建築部材であったのだが、時代とともに構造的な意味が薄れてゆき、装飾化していった歴史を持つ。

2017-12-31 10:49:18
k_wota @k_wota

タイレル本社ビルの、構造的には合理的な意味の全く無いピラミッド本体と傾斜ビルの関係は、この中世教会建築の歴史を継承したもので、タイレル本社ビルというのは建築史的に見ても未来的な建築なのである。

2017-12-31 10:52:58