X線とガンマ線の区別は業界によって違う

X線とガンマ線、どちらも可視光や電波と同じ電磁波ですが、波長が短く光子ひとつあたりのエネルギーが大きいものを指します。ただし、X線とガンマ線の区別は物理業界内でも分野によって微妙に違います。発生過程で区別するか、波長(光子エネルギー)で区別するか、その場合どのようなエネルギー範囲か。
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I. S. Ohta @isohta

物理卒業のはずが天文修了の私。宇宙物理の話の際、他の先生からこの手の注意を受けやすい。@irobutsu RT @NobuKawai: @irobutsu 訂正、可視光域にあるバルマー系列をX線と言ったのに驚きました。内殻電子の遷移による放射はX線という定義ですね。

2011-04-01 23:07:16
Nobuyuki Kawai @NobuKawai

@across_the_view 自宅にある平成16年度版理科年表で確かめました。物理79ページ、2-400keVの範囲を灰色に塗りつぶしてX線と書いてある。これでは1keVは紫外線となってしまう。

2011-04-02 13:19:45
Nobuyuki Kawai @NobuKawai

理科年表・物理79ページの脚注「X線とγ線の区別は波長(振動数)によるのではなく、電子の状態の遷移によって発生するものをX線、原子核の状態の遷移によって発生するものをγ線という」が今もそのままなら修正を要求しないと。分野による定義の違い、他の放射過程の場合の区別、と二つ問題。

2011-04-02 13:26:39
Nobuyuki Kawai @NobuKawai

世の中のX線発生装置の多くは、電子を加速して金属にぶつけ、電子が原子核の近くを通過するときに曲げられる(加速度を受ける)ことによってX線を発生させている(制動放射)。速度ベクトルが変化しているので広い意味では電子の状態遷移ではあるが、たぶん脚注の意図は原子中の電子軌道間状態遷移。

2011-04-02 13:35:17
Nobuyuki Kawai @NobuKawai

SPring 8 やKEK PFのようなシンクロトロン放射光も、電子の加速度運動によって放射されるX線。また、物性実験方面のX線レーザーと称しているものには、0.1 keV 未満のものもある。というわけで、紫外線、X線、γ線の境目は業界や場面によって違うので気をつけましょう。

2011-04-02 13:40:47