- itabashixxx
- 5122
- 0
- 0
- 0
蛹の一匹が遂に羽化し、モンシロチョウになった。「先生、このまま飼っていいの?」「うーん、お外を飛べないのはかわいそうだから逃がしてあげようね」自分が卵から育てた蝶がひらひらと飛んでいく、それを見るのは感慨深いもの。幼少期でなくともそんな体験はしておくべきだと思う。
2011-04-03 14:05:27斉藤君の育てた寄生虫も羽化した。先生の言ったとおり真っ黒な体にくびれた腰、透明の羽をもつハチのような虫が虫かごの中を飛んでいた。
2011-04-03 14:14:11蛹の抜け殻、モンシロチョウの白い羽。あるいはしぼんだ幼虫の死骸、異常進化したカビのように幼虫の死骸にとり付く寄生バチの卵、飛び回る寄生バチ。それは指示薬のように先生の言うことをちゃんと聞いた子とそうでない子とをあまりにも明らかに浮かび上がらせていた。
2011-04-03 14:24:52そう幼虫は死んでいた。寄生バチの卵で身動きもとれずただ身をよじらせるばかりだった幼虫は徐々に養分を奪われ蛹になることなく死んでいた。
2011-04-03 14:30:33斉藤君の幼虫は死んでいた。先生の言うことを聞かなかった斉藤君の幼虫は寄生虫にえいようをとられて死んでしまった。斉藤君の幼虫は死に、俺の幼虫は、し、し、
2011-04-03 14:32:45斉藤君に数日遅れて俺の幼虫からも黄色いものが出てきていた。少しずつそれは大きくなり幼虫の動きは日に日に鈍くなっていった。指摘されるまでもなくなにかがおかしいことに気づいていた。ちっぽけな卵よりうねうね動いている幼虫を捕まえる方が面白かった。ずるをしてるのは自分だけじゃなかった。
2011-04-03 14:40:28俺も大きい幼虫が欲しかった。先生の言うことを聞かなかったら幼虫が死んでしまった。エサとして入れていた葉っぱももう食べない。葉っぱがしなしなになって幼虫もしなしなになってハチが飛んでいる。
2011-04-03 14:45:37なんだか臭かった。入れっぱなしの葉っぱの匂いだったのか、幼虫の死骸の匂いだったのか。寄生バチの卵の匂いではなかったような気がする。卵は生きているからきっと腐ったような匂いは出さない。
2011-04-03 14:50:23ハチは教室の窓から逃がした。細かい羽ばたきで性急に飛んでいく様は蝶のそれとはまったく違った。残った虫かごとその中身はどうしたか覚えていない。
2011-04-03 14:56:18幼虫は俺が捕まえたばかりに寄生された訳ではないというのは理解していた。それでも幼虫さんごめんなさいという思いはどうしても消えなかった。それは先生に対する言うことを聞かなくてごめんなさいという気持ちと交ざって見分けが付かなくなってしまった。文字通り分別がなかったのだろう。
2011-04-03 15:02:25由良先生!俺を許してください!!!!!1111俺に笑いかけてください!!!!!1111由良先生 !!!!由良!!1111
2011-04-03 15:09:00以上、扉が開いた話終わり。これが木曜あたりに不意にワイドオープンした。更に芋づる式に教室の水槽@夏休みの話やら金魚が死んじゃったから理科係の人よろしくねの話やらを思い出して大変だった。
2011-04-03 15:14:57@itabashixxx 「うふふ、私たちの幼虫さんかわいいね」「おいおい幼虫さんはないだろ。せめておちびさんって言おうよ」「ちょうちょになるまで一緒に育てていこうね」「きれいなちょうちょならもう俺の目の前にいるよ」「えっ…」「ほら捕まえた!」という段取りです。
2011-04-03 16:21:25モンシロチョウの幼虫まとめ http://bit.ly/i1KeMP ※ ご本人アウトでしたら削除します @unzenkimendake
2011-04-03 17:06:11@itabashixxx まとめて読むと驚きのボリューム。誰だ日曜日の昼間にこんな長文書きやがった奴は!※セーフです
2011-04-03 17:21:51