ライフ・アフター・デス #5

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「テメェの知った事じゃねえ」スーサイドは言い放った。ニンジャスレイヤーの目が微かに動いた。「あのガキがどうかしたか」スーサイドは呟いた。ニンジャスレイヤーは低く言った。「サツガイを知っているか。スーサイド=サン」「知るかよ」その言葉は引っかかった。「テメェは死ぬんだぞ!」 22

2018-01-23 22:59:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヌウウッ……!」ニンジャスレイヤーの目の焦点がぼやけた。彼は呟いた。「貴様……なにか知っているな……貴様を倒して……聞き出す」「アァ……?」スーサイドは眉根を寄せた。ニンジャスレイヤーは震えた。「そして……!」彼の霞む目には懸念と決意の色があった。 23

2018-01-23 23:06:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「テメェ、さっきから気に入らねえ。あのガキの事か」スーサイドは押し返した。もはや彼のカラテはニンジャスレイヤーを十全に上回っている。ニンジャスレイヤーはしかし、あと一歩のところで踏みとどまっている!「アイツを過冬に渡しはしない……!」「知ったことかよ!」スーサイドは激昂した。 24

2018-01-23 23:08:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ソウル・アブソープション加速!一気にニンジャスレイヤーの力を奪い、涸らして殺すべく!(ヤモト=サン!行け!とにかく、行けッ!)カラテを増して押さえつけるスーサイドを押し返しながら、スーサイドが叫んだ。彼は亡霊を振り払った。(おれが……やる!)「黙れッ!」 25

2018-01-23 23:12:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

スーサイドはジツを最大解放した。黙れ!決める!終わらせる!彼は声にならぬ声をあげた。その激昂が、彼のニンジャ第六感を鈍らせていた……。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーの目が瞬時に白熱した。枯れかけた力が急激に爆発した。「な……」「イイイヤアーッ!」スーサイドが気づいた時には! 26

2018-01-23 23:17:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「な……アバーッ!?」スーサイドの視界が白く吹き飛んだ。赤黒い不浄の力の奔流がスーサイドの身体を駆け巡った。たまらずスーサイドはニンジャスレイヤーを振り払った。「グワーッ!ア、アバババーッ!?」仰向けに倒れ、のたうつ!「グワーッ!」 27

2018-01-23 23:19:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

目鼻から炎が噴き出すような感覚がスーサイドを苛む!過剰なカラテが暴れる!そしてニンジャスレイヤーとて無事ではない!震える手で地面を掴み、体を持ち上げようとして、果たせず、うつ伏せに倒れる。それでも起き上がろうとする。かすれ声で彼は呟く。「貴様のジツは……理解したぞ……!」 28

2018-01-23 23:22:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

一体これは!?正攻法で勝てぬと悟ったニンジャスレイヤーは、あえて己を追い詰めた。彼はソウル・アブソープションがカラテを吸う速度に着目した。カラテにカラテで対抗することを捨て、スーサイドにジツを行使させた。奥底に秘めた最後のカラテに勢いを込め、瞬間的に相手に流し込んだのだ! 29

2018-01-23 23:26:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

スーサイドは過剰カラテで身を焼かれる!ナムサン!なんたる事か!二度ならず三度までも……この方法で打破されたのだ!彼の脳裏にあの屈辱の敗北の瞬間が閃く。ヘイゼルとヤンの惨たらしい死にざま。シンウインターの圧倒的な佇まいが……。だがそれ以上に彼を打ち据えていた記憶があった。 30

2018-01-23 23:29:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ふざけ……るな……クソッ……!」譫言めいて、彼は呟いた。それは亡霊だ。若き日の己自身の亡霊だ……。あの時、スーサイドは、逃がそうと……。(生まれはロンドン、死んだのは1979)追い打ちをかけるように、ニンジャソウル憑依の記憶がフラッシュバックした。(くだらねえ死に方しちまった) 31

2018-01-23 23:33:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「やめろ!」闇の中でスーサイドは……ショーゴーは、パンク・ニンジャに請うた。「やめてくれ」(やめねえ!)パンク・ニンジャは顔を歪めて笑った。(くッだらねえンだよ、てめェ!死んでンじゃねえよ!ギャハハハハ!)……アブストラクトな図像はぼやけ、去っていった。 32

2018-01-23 23:36:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

スーサイドは我に返った。身体が焼ける。動けない。ニンジャスレイヤーが先に立ち上がった。(ザッケンナコラー!)(スッゾオラー!)増援クローンヤクザの声がワンワンと歪んで聞こえる。増援はニンジャが指揮している。過冬か。ブルハウンドが何か叫んでいる。奴も満身創痍だ。 33

2018-01-23 23:38:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーはレーザーポインターめいた眼光を闇に閃かせ、スーサイドを一瞥したのち、身を翻す。過冬のニンジャはスーサイドを蹴り転がす。(なんでコイツがここにいる?)(さあな)もう一人の過冬ニンジャが生返事をする。(どうせ、ボスの何かじゃねえか?) 34

2018-01-23 23:42:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ゲホッ……奴だ……ニンジャスレイヤーだ……ゾーイは俺の犬に追わせた」ブルハウンドが身を起こし、壁にもたれた。「侮れねえカラテの持ち主だ」「スーサイド=サンもニンジャスレイヤーに?」「ああ、こいつもやられた」「……」「……」過冬のニンジャ二人は互いを見て、不穏な予感に唸った。 35

2018-01-23 23:45:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

スーサイドはクランの盃を交さぬニンジャだが、シンウインターの手駒である事、そしてそのカラテの侮れなさも過冬の者らには知れ渡っていた。「ニンジャスレイヤーがこいつをか」ニンジャの一人、ゼレズニーイは呟いた。「気に入らんぞ」 36

2018-01-23 23:52:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「それほどの相手ならば、各個撃破は避けたい」もう一人、スターファイアが腕組みしていった。「ゲホッ……そうだ」ブルハウンドは咳き込みながら言った。「ヘタを打つわけにはいかねえ……ブリーフィングして、絶対に殺す。そしてゾーイをいただく」 37

2018-01-24 00:01:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「こいつにも手伝わせるか」「ズタボロだ。役に立たん」ニンジャ達が言葉をかわす。スーサイドは震える手をクローンヤクザに向けた。「アバーッ!」「アババババーッ!」白い光が掌に吸い込まれてゆく。スーサイドは最低限の力を取り戻した。「俺にスシをよこせ……」彼は身を起こした。  38

2018-01-24 00:04:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「俺にもだ」ブルハウンドが言った。ヤクザがリムジンの中からスシ重箱を担いで持ってきた。「カジノは面倒そうだと思ったが、こっちはこっちで結局、骨かよ」ゼレズニーイが不満げにいった。「妙な夜だ」スターファイアが言った。「こんな夜は何があってもおかしくない。俺は死ぬのはごめんだ」39

2018-01-24 00:07:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「俺は死にやしねえ」応じるように呟いたのはスーサイドだった。彼は二つ三つのサーモン・スシを掴み取り、怒りに任せて咀嚼した。「死んでられねえ。クソが」「急に何だ。頭おかしいのかお前?ハイクか?」ブルハウンドが訝しんだ。「ああハイクだ」スーサイドは呟いた。「……冷えてんだ。頭が」40

2018-01-24 00:12:41