ライフ・アフター・デス ＃６

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ライフ・アフター・デス】#6

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

（あらすじ：ゾーイを救出したニンジャスレイヤーをスーサイドが襲う。コトブキとゾーイを逃がし、ソウル・アブソープション・ジツを破って辛くも勝利したニンジャスレイヤーだが、過冬のニンジャ増援と重篤なダメージにより戦闘継続は困難、逃走する……！）

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BRRRRT！ネオンBAR「楽チョイ」の扉に満天の星空めいて穴が開き、店内に銃弾の嵐が叩き込まれた。「アバーッ！」「アバババーッ！」無惨に血みどろ死する客に混じり、無事な三人あり。ソウカイヤのニンジャ達だ。「ザッケンナコラー！」「スッゾオラー！」扉が破砕し、クローンヤクザが突入した。　1

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「ハァー……」ホローポイントはウォートカに湿った唇を舐め、仁王立ちで二挺拳銃を撃ちまくった。BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM！「グワーッ！」「アバーッ！」倒れ込むクローンヤクザ達！インシネレイトとヴァニティは階段を駆け上がる。二階！そのまま屋上！「イヤーッ！」　2

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KRAASH！鉄扉をヴァニティが蹴り壊し、屋上へ走り出ると、隣接する建物の屋上から狙いすましたようにニンジャが飛び移ってきた。「ドーモ。ハイフォートです」「ドーモ。ヴァニティです」「インシネレイトです」ハイフォートは油断ならぬ目でソウカイヤのニンジャを睨んだ。「目的を訊こう」　3

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「目的？ケッ！」インシネレイトは肩をすくめて笑った。「言ってるじゃねえか。放火しに来たんだよ！イヤーッ！」腕を振ると凶悪なカトン・ジツが過冬のニンジャを襲った。ハイフォートが横に跳ぶと、ヴァニティがその方向に突進してきていた。「イヤーッ！」「イヤーッ！」カラテ衝突！　4

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BRATATATATA！階下では物騒な銃撃音がいよいよ高まる。おそらくは下にも過冬のニンジャ。ホローポイントと交戦を開始している。ハイフォートはヴァニティの拳で砕けた手甲を投げ捨てた。「つまり、ソウカイ・シンジケートは過冬とコトを構える、それだけ言いに来たのか。クズどもめ」　5

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「それだけ伝えに来るのも一苦労だろ。ポータルも使えねえし。なあ姉御？」「我々はもう少し暴れるつもりでいる」ヴァニティは言った。「一応、停戦条件は持ってきているけど、まだ貴方達、そこまで困ってないでしょ」懐から出したマキモノを振って見せる。「たとえば貴方も殺しておかないとね」　6

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「ほざけ！イヤーッ！」ハイフォートがヴァニティに襲い掛かる。インシネレイトは見物の体だ。ヴァニティはハイフォートの拳を受け止め、ねじり切ろうとした。ハイフォートは自ら身体を回転させて腕の断裂を防ぎ、蹴りを返した。「イヤーッ！」「イヤーッ！」ヴァニティは蹴りを防ぎ、跳び下がった。7

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「やるじゃない」ヴァニティは切れた瞼の血を押し拭った。ハイフォートはカラテを構え直す。「たった三匹で過冬の腹の内へ入った代償は死あるのみだ」「そこは安心していい。ソウカイヤはもっとたくさん観光旅行に連れてこようと思ってる」「シトカ、気に入ったぜ」インシネレイトが言った。　8

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「劣勢じゃないッスか、姉御」インシネレイトが目を細めた。「俺、ネンコとかあんまり気にしませんぜ。俺にアンタをナメさせないでくださいよ」「ハ、ハ、ハ」ヴァニティは笑い、ハイフォートに向かっていく。対峙する二者の姿が霞んだ。「イヤーッ！」「イヤーッ！」　9

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KRAASH！二者がぶつかり合うたび、カラテ衝撃波が放射状に拡散した。「スッゾ！」「スッゾ！」屋根を伝って次々にクローンヤクザが向かってくる。インシネレイトは立てた親指に導火線めいた炎を走らせ、増援めがけ力強く振った。「イヤーッ！」KABOOOM！「「「アバーッ！」」」対岸屋根ごと爆発！10

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「俺は無敵のカトン使いだ！」インシネレイトは吠えた。「覚えとけや！」炎と煙の中、揺らぐ影がひとつ。ニンジャだ。インシネレイトは身構える。影が跳び来たった。「イヤーッ！」「イヤーッ！」インシネレイトは対空カトン・ジツで迎撃！「イヤーッ！」襲撃ニンジャは炎を蹴って跳び、煙突に着地！11

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炎を蹴るとは相当のカラテ。インシネレイトは警戒する。煙突の上で新手のニンジャは大きく身を屈めた。ミシミシと骨肉が軋む音を発し、装束はニンジャ自身をひどく締め付けていく。悪魔じみて痩せたシルエット。覗き穴の無いフルメンポ。「ドーモ。ザルニーツァです」　12

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「イヤーッ！」「アバーッ！」ヴァニティはハイフォートの隙を突いて肩甲骨を砕き、チョップで額を打ち割った。ハイフォートは下の路地へ転落してゆく。ヴァニティはザルニーツァに向き直る。「ドーモ。ヴァニティです」「インシネレイトです」　13

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「何を目的にとか、そういうのは今の奴と問答したところ」ヴァニティはマキモノを開いた。「貴方、なかなかやりそうね」「……」渦巻く殺気の中で、マキモノを読み上げる。「早速本題に。……過冬はネオサイタマでソウカイ・シンジケートの縄張りを荒らした。よって、ケジメを求める」　14

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「……続けろ」ザルニーツァが促した。インシネレイトは内なるカトンを高めている。ヴァニティは読み上げる。「シンウインター＝サンはドゲザのうえでケジメせよ。その過程を動画にてソウカイ・シンジケートにIRC送信すること。猶予は48時間。呑まぬ場合、過冬に更なる勢力を送り込む」　15

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「要求は以上か？」ザルニーツァが冷たく確認した。「傑作だろォ！よろしく検討しろや！」インシネレイトが口を挟む。「そうか」ザルニーツァが呟き、更に身を屈めた。「……グワーッ！」跳び膝蹴りがインシネレイトの顔面に叩き込まれていた！ザルニーツァは彼を飛び石に、ヴァニティめがけ跳んだ。16

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「イヤーッ！」飛来するザルニーツァをヴァニティは拳で殴り返しにいく！ザルニーツァはキリモミ回転からの蹴りを繰り出し、拳を弾いてヴァニティの体勢を崩した。「イヤーッ！」チョップで心臓を突き刺しに行く！「グワーッ！」ヴァニティは致命傷をかろうじて逸らすが、負傷！　17

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跳び下がったヴァニティを、ザルニーツァはフルメンポの有機モニタ越しに冷たく睨む。逆手に構えるはプラズマ・クナイ！「ドグサレッガオラー！」後ろから上級ヤクザスラング！インシネレイトがカトン・ファイアウェイブで攻撃！「イヤーッ！」KA-BOOOM！ザルニーツァは異常な柔軟性で向き直り……！18

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「スッゾー！」「スッゾオラー！」クローンヤクザがダスト・カンを蹴り倒しながら路地を駆け抜け、「アイエエエ！」通行市民が悲鳴を上げて逃げてゆく。家々の隙間の闇の中から注意深く見守る目には、ピグマリオン・コシモト社の刻印がある。「……」コトブキはゾーイを振り返った。「これで大丈夫」20

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コトブキはゾーイの手を取り、苦心して隙間を進む。赤錆びたバラックを通り抜けると、苔の蔓延る空き地に出た。あらためてコトブキはゾーイを見て微笑み、ポケットから飴玉を取り出した。「どうぞ」ゾーイは少し考えてから受け取り、口に含んだ。「じゃあ、アタシも」手の中から飴を取り出す。　21

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「すごい」コトブキは目を見張り、飴を受け取った。「かわいい手品師さんですね」「ウキヨ、初めて見た」「コトブキといいます」「ゾーイ」二人は再度、お互いにアイサツした。コトブキは考えようとした。「事情がよくわからないままで……」「アンタはニンジャスレイヤー＝サンの仲間？」　22