ストーカー事件なう

とある国のボク @SomewhereBOKU

「かちょさんは証拠隠滅を図っているんです」「穏やかじゃないですね」失敗したら隠しちゃえって、子供かな？「私がいなくなれば揉み消せるって考えているんです。今日も水質は毒入り。音波も騒音もやってきました。光の海から私の家に侵入して個人情報も盗んでいます」

とある国のボク @SomewhereBOKU

「みぃさん、こんにちは！」「こんにちは」「お買い物ですか？」みぃさんのカゴには色々どっさり。「さすがは南部、食材が豊かですよね」「ということは、地元の方じゃないんですか？」「実はよそから」「ボクもですよ！ここはたぬ吉で有名だって知ってますか？」でもたぬ吉がいたのは今は昔の話。

とある国のボク @SomewhereBOKU

「あの…どうですか？」「足ならありますよ」「細いですね」ボクの感想に、みぃさんの眉がひそめられた。「筋力が衰えました」「はい」「毒は麻痺を引き起こし、筋力を衰えさせます。赤血球にも影響があるみたいです。思考力が低下し、息切れがひどくなります。呂律も回らなくなる」

とある国のボク @SomewhereBOKU

「仕事を辞めて回復してきました。私の体は生きようとしている。なのに、回復に気がついたかちょさんが水道水に毒を入れるようになった。段々濃度が高くなってきている気がします」

とある国のボク @SomewhereBOKU

今日のみぃさんはお食べ店で本を読んでいた。何の本だろう？「おもしろいですか？」「おもしろくはないです。決まり事の本ですから」みぃさんは勉強家だ。「かちょさんは働く部屋の決まりを守れと言うんですけど、それ以前に決まり事を守ってもらわないと」かちょさんの言葉は軽いなぁ。

とある国のボク @SomewhereBOKU

「あの、いやがらせは？」いやがらせというか、事件というか。「えーと、最近の音波は私の頭に焦点を絞って当てられます。特に寝ている間の無防備な状態の時を狙ってきます」殺意を隠さないあたり、かちょさんは相当追い詰められている。「証拠隠滅…証拠…みぃさん…」みぃさんが証拠ってこと？

とある国のボク @SomewhereBOKU

「みぃさんが何か秘密を握っている…？」「まさか。後ろ暗いところがあるから被害妄想に陥っているだけですよ。かちょさんが生きようが死のうがどうでもいい」みぃさんが本を閉じ、カジュアル色の黒ずくめたちでひしめき合う店内を見渡した。「マトモじゃないでしょ？」確かに。

とある国のボク @SomewhereBOKU

「上の部屋の方、床板を引っぺがして聞き耳を立てていて、おかしくて」みぃさんの目が窓に張りついた黒ずくめたちに向かう。「上の方の息遣いが聞えてくるんですよ。私が動けば足音がついてくるし、見ているってことは見られているってことなのに、気づきもしないんです」しがない村娘が玄人すぎる。

とある国のボク @SomewhereBOKU

「働く部屋で一年もこんな追いかけっこしていたら誰でもできるようになります」「え、えぇっ、ボボボボクには無理ですよ！」「できますできます。だって、ほら」みぃさんが指を差していく。通りの向かいのベンチでメモをしている黒ずくめに、隣の店で写真を撮っている黒ずくめ、それにそれに。

とある国のボク @SomewhereBOKU

みぃさんが立ち上がった。「そうそう、上の部屋の台所に毒を入れる装置が取りつけられているみたいなんですけど」配置の済んだ黒ずくめたちの前をみぃさんが清々しい笑顔で通りすぎていく。「この情報を誰に告げたらいいか、私にはわかりません」そんな言葉を残して。

あるみ @alumisorane

物語を書いた当時はまだ何もわかっていなくて、九割方創作気分で呟いていたんだけど。先日ここで紹介した時、久しぶりに読み返してみたら、まんまこのままで笑ってしまった。これこそが神の思し召し、かな？

あるみ @alumisorane

みぃはかちょさんから告られてもいないので、そもそも振るも何もない立場だし、嫁の椅子に座らせるべくかちょさんがいやがらせしても、何も知らないみぃにとってはただの犯罪者だし、振られた腹いせにかちょさんから今なお激しくいやがらせされているとしても、馬鹿なの？ああ馬鹿なんだって思う。