現実と夢の淡いを行き来し続けて、傷を増やした幸子はどんどん肌の露出を減らし、自分を隠していく。その隠されたものが何か、わからない人達がそこにまた夢を見て、幸子を現実の世界でアイドルとして押し上げていく。
2018-02-08 22:28:19見えないものにこそ価値があるという話だったのかもしれないし、見えるものの全てが信じられない中で、唯一変わらない幸子にPが価値を見出した話だったのかもしれないし。読む人によってがらっと感想が変わりそうな話だなーと。
2018-02-08 22:28:29三雲岳斗さんの『指先のグリザイユ』は、奏と加蓮のユニット「モノクロームリリィ」がステージに立つ前の頃に起こった、少し不思議なある事件の話。
2018-02-08 22:28:40奏が巻き込まれた小規模な時間ループが話のフックになっているんですが、ライトなSF的要素はあくまで物語を動かすギミックでしかなくて、本質は奏と加蓮、二人の関係性を掘り下げるところにあったのかなと。
2018-02-08 22:28:51何故ループが発生したのか、という謎の種明かしは割とありふれたものというかあんまり大した話でもないんですけど、そこに辿り着くまでいろんなメンバーと話したり、繰り返しの中で気づかされたり、そういうみんなとの対話ひとつひとつが面白いんですよね。
2018-02-08 22:29:02奏は結構大人びた立ち位置の子として描かれることも多いキャラクターですが、年相応の弱さや甘さ、未熟さを丁寧に炙り出して柔らかく処理していく、シンプルに巧い構成の話だったと思います。
2018-02-08 22:29:15吉上亮さんの『虹の橋をわたって、君と。』は、現実のシンデレラガールズ5thライブにおける、奈緒と加蓮が出演した福岡公演に至るまでの二人の話。自分も現地に行った身としては、これが実に熱い。
2018-02-08 22:29:58しかも二人はそれぞれ強烈な新曲を引っ下げてきてましたし、ラブライカのコンビがいない場所で「Memories」も歌ってみせて。そんな凄まじい舞台の裏に、ドラマがなかったわけないですよねえ。
2018-02-08 22:30:31神谷奈緒という女の子は、もしかしたら凛より自分がアイドルという自覚を持っていなくて、普通の人間だと思っていて、だからたまーに浮ついたりしちゃうこともあって。
2018-02-08 22:30:46対する加蓮は、自分がアイドルでありたいという自負が人一倍強くて、時に無理をし過ぎるくらい頑なで、ある意味こどもっぽいところもあって。
2018-02-08 22:30:54こうやって書き出してみると、二人の相性ってそこまでよくないのでは……? ともなるんですが、奈緒は自覚がとんと足りない癖に決断力が滅茶苦茶強く、加蓮は頑固ながらも自分を折る柔軟さを持ってるんですよね。割れ鍋に綴蓋というか、そういうところが綺麗にはまる。
2018-02-08 22:31:07とびきりの女の子なのに奈緒はヒーローだし、クソ度胸で負けん気の強い加蓮は根っこがヒロインだったりして。馬鹿みたいにまっすぐ走っていく奈緒と、それを待って、本当に来たのを見つけて、バカって言っちゃう加蓮の関係性って、本当に奇跡的だよなーと。
2018-02-08 22:31:19それらの描写の終着点が、あの舞台で私達を圧倒させた「Neo Beautiful Pain」と、福岡公演の全てというのは、こう、言葉に表し難い感慨がありました。二次創作としては傑作と言っていいと個人的には思います。
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