2018年2月10日

地雷小話~152mm砲弾流用対人地雷OZM-152ほか

対人地雷と言えば比較的小さいイメージがありますが、別の方向性のものも考えられたりしました
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えすだぶ @FHSWman

夏の本のネタ探しに引っ掻いてたらおっそろしいものを見つけて震える

2018-02-10 13:50:10
えすだぶ @FHSWman

対人地雷といえば負傷と救護の負担を云々……という方向性に真っ向から噛みつくOZM-152対人地雷。名前の通り152mm榴弾を流用してて、罠線で起爆すると少量の装薬で砲弾が飛び上がり高さ50cm程で炸裂する。つまり152mm砲弾のSマインみたいなもんです pic.twitter.com/BXZgsO5ctL

2018-02-10 14:00:18
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えすだぶ @FHSWman

重量50.5kgの「対人地雷」って一体どういう……。威力はそのまんま152mm榴弾なので当然強烈、危害半径は37~60m。歩兵はある程度の集団で動くことを思えばこの方向性もアリなのかどうか。軽車両にも有効なので対車両地雷(not対戦車)としても使われたと pic.twitter.com/MjFVDJIiNJ

2018-02-10 14:11:42
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えすだぶ @FHSWman

OZM-152にはリモコン起爆する管制地雷版と罠線起爆の普通地雷版があったようです。管制式のほうはクレイモアとか「指向性散弾」にも近い感じかしら。こっちは指向性はなくて全方位無差別だけど

2018-02-10 14:16:14
えすだぶ @FHSWman

このデカいのを地面に埋めなきゃいけないので設置には一つ15~20分かかる。冬季の凍結とかで掘れない場合は地面の上に置いて何かで隠すんですが、倒れちゃうとダメなんでこういう風に杭とかで固定しなきゃならない。大きさ相応に手間ではあるようです pic.twitter.com/Pw1HjqwoeQ

2018-02-10 14:20:25
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えすだぶ @FHSWman

OZM-152はもともと要塞地帯でトーチカへの接近経路カバー・または対輸送部隊用として開発され、1939年に採用されます。ただ電気起爆なので長い電線を必要とするのが難点。当時のソ連では電線は不足気味だったのです。そのうえ電線が被覆の品質のせいで埋設後に長持ちしない

2018-02-10 14:29:48
えすだぶ @FHSWman

独ソ開戦前に少数が生産されて先の欠点が明らかになり。さらに製造には当然ながら砲弾一発分の金属を要するうえ作業工数も多い。さらに設置に時間がかかるので、特に1941年夏~秋の流動的戦場には適さない。残った分はすぐに消費され、特筆すべき戦果も聞かれないと

2018-02-10 14:35:15
えすだぶ @FHSWman

代わりに考えられたのが万能放出薬包UVK。これは既存の85~122mm砲弾の信管の代わりに付けられるようになっていて、取り付けて逆さまに埋める。電気起爆するとUVKが炸裂して砲弾を跳び上がらせ、さらに延期信管で空中炸裂。これでOZMと同じ機能を簡単に実現できるようになったん pic.twitter.com/rgJyUw9z9o

2018-02-10 14:47:00
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えすだぶ @FHSWman

ただしそのへんのクラスの砲弾は消費が激しかったこともあり、工兵向けに割く余裕がなくて、このUVKもあまり長くは使われなかったようです。砲兵の砲弾需要が途方もないことになってる時期ですものね

2018-02-10 14:50:41
えすだぶ @FHSWman

しかし塞翁が馬というか。1942年に152mm砲弾で大量の不良ロットが出来てしまいます。これらは微細亀裂ができているので砲で発射できない。それならば……この不良砲弾をUVKと組み合わせて活用する事になります。これがOZM-152 1942年型

2018-02-10 14:56:09
えすだぶ @FHSWman

OZM-152 1942年型の埋設イメージ。深さ5~8cmに埋めるんですが、全長が76cmあるんで結構深い穴を掘らなきゃいけません。ちなみに冬季の凍結の予想される場合は輸送箱ごと埋めるようです。こうしないと凍っちゃって放出薬のパワーでは蹴り出せない(ただしいずれにせよ炸裂はする) pic.twitter.com/t6jlx7ZHqv

2018-02-10 15:02:25
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えすだぶ @FHSWman

大戦後半になると流用ではない専用版のOZMも再び作られるようになります。今度はOZM-160ということで160mm迫撃砲弾流用……と思いきや、どうも弾のほうも専用っぽい。生産にも余裕が出てきたのかどうか。「砲身」が付属するので放出が少し高くなり、密閉のお蔭で保存性・耐候性が良くなったようです pic.twitter.com/eYpNp9WgpM

2018-02-10 15:14:19
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えすだぶ @FHSWman

ただ長くなっちゃったせいで、今度は設置するのに1.25mも穴を掘らないといけなくなっちゃってます。総重量はついに85kg。特化して単体としての性能は上がったけど、はて総じて使いやすくなったかというと……? というアレに陥ってる感じです

2018-02-10 15:16:40
えすだぶ @FHSWman

実際OZM-152 1942年型やOZM-160はいくらか使われたのですが、しかし実際の戦闘を経て「やっぱりイマイチでは」という見方が主流に。確かに一発の威力は強烈なのですが、しかし実際には砲弾の断片化がいまひとつ安定せず、想定されたほどの危害域は得られなかったようなのです

2018-02-10 15:24:46
えすだぶ @FHSWman

まだ調整破片みたいなアレがあんまりない頃ですものね。そのうえ重量・サイズ・設置の手間を考えるとドイツのSマインを数個埋めるほうが遥かに効率的ではなかろうかということで、結局この手の大型跳躍地雷は廃れていき、Sマインコピーが主流に

2018-02-10 15:29:58
えすだぶ @FHSWman

あくまで手間が割に合わないだけで、別にOZM-152は弱かったという訳でもないようです。最初の投入例ではコレで形成された地雷原が大隊規模の敵歩兵が壊滅したとか、試験では破片が半径20m以内で16mm厚の装甲さえ貫通してて、つまり対人地雷だけど軽戦車も危ないとか……

2018-02-10 15:45:49
えすだぶ @FHSWman

実際、破片を撒く手段としては152mm級砲弾ってのはそう効率的なものとも言えません。発射時の腔圧や加速に耐えるように弾殻が頑丈なので大きい破片が出来がちで、対人馬に適した細かい破片沢山という風にはなりにくいのです。ただ大きい破片は対車両用には望ましいですから良し悪しで

2018-02-10 15:53:36
えすだぶ @FHSWman

そして跳躍地雷は発射時の加速や圧力が非常に小さいので、既存砲弾の流用では無駄に肉厚頑丈に過ぎる。もっと肉薄にしていいし、小さく軽くしていい……という方向性を詰めるとSマインに通じるのでしょう。無論OZM-152は対車両地雷を兼ねるので多少方向性が違いますけど

2018-02-10 16:03:30
えすだぶ @FHSWman

実際使ってみてイマイチという評になるのは、あるいは対車両地雷ってのがあまり必要なかったのかも知れません。まだ自動車化がそこまで進み切ってる時代でもないし、かといってまともな戦車には効かないし、そして対人馬だけ考えるなら対車両兼用は効率が悪くて

2018-02-10 16:06:25
えすだぶ @FHSWman

現代では砲弾流用IEDがむちゃくちゃ猛威を振るってますが、これは自動車化が進み切った現代だからという面もあるのかしらね。あと正規戦というか総力戦の時代と、非対称戦のなんかというのもあるかも(ふわふわ)

2018-02-10 16:12:17
えすだぶ @FHSWman

盛大に脱線して調べものがまったく進まない。これが地雷による遅延戦術の効果である

2018-02-10 16:22:28
えすだぶ @FHSWman

ところで跳躍地雷の話に関連して。独軍戦車についてた近接防御兵器のことをSマインと呼ぶとNahverteidigungswaffe警察に捕まるので気を付けましょう

2018-02-10 16:44:06
えすだぶ @FHSWman

ただし「虎に外装されてたやつだよ!」というと見逃してくれます

2018-02-10 16:44:24

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