非対称性に関する明戸隆浩氏との議論

備忘録的に。 非対称性は《論点》なので、まとめとくと有意義かな、と。色んなところにある誤解や認識の齟齬が解消することを祈りつつ。
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k3_neoprotesters @k3_neoprotester

@takakedo 少し書き出します。 23歳のウェブデザイナー、ミザヌール・ラーマンは、9.11関連の新しい軍事作戦に参加するイギリスの兵士に、死体になって戻ってこいと言い放った。 ~中略~ 2006年6月11日、陪審員は彼を人種的憎悪の扇動により有罪とした。 この事例です。

2018-02-16 18:46:28
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

@takakedo この事例をどう評価するかにもよりますが、少なくとも、イギリスのこの事件での陪審員は《扇動》であっても《非対称性》は考慮していない(あるいは、結果を覆さない程度にしか考慮していない)ことを示している事例だと私は思います。 この事例、明戸さんはどう受け止めていますか?

2018-02-16 18:48:56
明戸 隆浩 @takakedo

@k3_neoprotester はい、これは重要な事例だと思います。あらためて整理すると、僕の立場は、ヘイトスピーチの定義自体には非対称性は含めないが、現実的な被害可能性については非対称性を強調する、そして直接的なヘイトクライムよりも「差別煽動」の場合のほうがその非対称性はより強まる、です。(続く)

2018-02-17 00:56:22
明戸 隆浩 @takakedo

@k3_neoprotester (続き)その点で言うと、ラーマンの事件は最後の差別煽動においてさえ非対称性が認められないケースがある、ということの証左になります。僕が差別煽動においてもマジョリティが標的になる可能性を「ない」とは言わないのは、職業病的な部分もありますが、同時に実際にこういう事例があるからです。

2018-02-17 00:57:19
明戸 隆浩 @takakedo

@k3_neoprotester (続き)その上で僕の評価ですが、ラーマンの事例は差別煽動の中でもいわゆるブランデンバーグ基準、つまり「明白で差し迫った」ものとして(実際にそうであるかはともかく)みなされたと位置づけています。その点で、きわめて例外的な事例、というのが僕の理解です。(続く)

2018-02-17 00:58:23
明戸 隆浩 @takakedo

@k3_neoprotester (続き)ちなみにブライシュの立場ですが、彼は最初にこの事例を出したところではとくに論評は行わず、その後4章でこれがブランデンバーグ基準にかかわるものだということに言及した後、最終章ではむしろ一般的な差別煽動にかかわるものだと書いているので、今一つはっきりしない感じです。(了)

2018-02-17 00:59:45
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

@takakedo コメントありがあとうございます。 丁度、ご著書の《Skype読書会》をやってた所でしたw 確かに、ブライシュの立場はいまいちはっきりしないところではあると思います。その点で、どう考えるのかは今後も考え続けたいところでしょうねぇ。(続

2018-02-17 01:30:17
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

@takakedo 明戸さんの考え方として  1)HSの定義について非対称性は含めない  2)被害可能性については非対称性は強調すべき  3)ヘイトクライムよりも差別扇動の場面の方が非対称性は強まる とのこと、了解しました。(続

2018-02-17 01:32:07
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

@takakedo 基本的には異論がありません。3)について《具体的にどういう差異が出てくるのか》は、今後の研究等による解明を待ちたいとは思うのですが、《より強く差異が出る》というのは、そうだろうな、とも思います。 重要なのは、1)について《含めない》という点をお聞きできた事ですね。(続

2018-02-17 01:35:12
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

@takakedo 私の立場からは、ラーマンの事例を《例外的事例》と位置付けることにも、特に強い異論はありません。ただ、あえて強調したいのは《とはいえ、そういう例外は存在する》という事になります。ここについても、大きな認識の齟齬はない事が解って、良かったです。(了

2018-02-17 01:39:08