「経済学的な家族ツイート」まとめ　その４５

本の虫（本体） @honnomusi

経済学的なゴミ漁り1:カードショップに着き、階段を登って行く悪友。 悪友(高額なレアカードを詰め込んだデッキが勝つ。これは古今東西変わらないカードゲームの真理だ。ショップも商売だからな。同じ土俵に立つには金を費やさなくてはいかん。) 悪友(しかし、あの屈辱の敗戦から俺は学んだ。)

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経済学的なゴミ漁り2:悪友(人気のない小国のデッキであっても、十分にその特徴を知り尽くし、生かすことができれば勝つことができる。たくさんの対戦をこなせば勝率はやはりレアカード満載のデッキが高くはなるだろうが、一回限りの勝負であれば話は別だ。)

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経済学的なゴミ漁り3:悪友(とにかく練習を積んで、ああいう地雷デッキ相手でも勝てるように対応力をつけないとな。) 悪友「・・・ん？」 ゴミ箱の側にいて何やらごゴソゴソとやっているゲーム少女。 悪友「・・・おい、何やってんだ？」 振り向く少女。手にはたくさんのカードが握られていた。

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経済学的なゴミ漁り4:悪友「お前・・・捨てられたカードを拾ってるのか？」 黙って頷くゲーム少女。 悪友(確かに、店の中にはパックを剥いてレアカード以外は捨てていく輩もいる。そんな周りが見向きもしないカードたちをこいつは拾ってるのか？) 対戦の情景がフラッシュバックする。

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経済学的なゴミ漁り5:悪友(まさか、こないだのこいつのデッキは、拾ったカードたちで組んだデッキなのか？！) ゲーム少女「・・・」 悪友(捨てられるカードを拾い集め、知恵を絞ってそれらに活躍の舞台を見出す。なんという真摯な姿勢！尊敬に値するぜ！) 悪友「・・・ん？」

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経済学的なゴミ漁り6:ゴミ箱から手を出すゲーム少女。手には食べ残しの汚れがべっとりとついていた。 ゲーム少女「Σ（ﾟдﾟlll）」 悪友「あーあ、言わんこっちゃない。ゴミ箱には手なんか突っ込むから。」 オドオドする少女。 悪友「ほらよ」 ハンカチを取り出す悪友。

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経済学的なゴミ漁り7:手を拭く少女。拭き終わった後でハンカチをじっと見つめる。 悪友「ああ、いいよ返さなくて。どうせ母ちゃんが買ってきた安物のハンカチだ。それよりこの間のリベンジだ！俺のパワーアップしたデッキでボコボコにしてやるぜ。覚悟しろ！」 ゲーム少女「・・・(΄◉◞౪◟◉｀)」

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経済学的なゴミ漁り8:悪友「あ！お前今思いっきりバカにしただろ！」 ゲーム少女「・・・(￣^￣)」 悪友「この野郎！見てろよ〜。」 悪友(今度はブラジルか。前回と打って変わって、伸び盛りの大国を使うんだな。) 『ハブ・アンド・スポーク路線』 悪友「ん？」

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経済学的なゴミ漁り9:『航空連合』、『トップセールス』 、『EC設立』・・・ 次々とカードを繰り出す少女。 悪友(なんだなんだ？使ってるデッキはブラジルなのに、なんでEU関連のカードを出したり、航空産業の強化を進めてるんだ？) 『レーガン大統領誕生』、『レーガノミックス』発動・・・

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経済学的なゴミ漁り10:悪友(とりあえず、経済力の強化に乗り出すか。大幅減税、規制緩和、積極財政が特徴的なレーガノミックスで、経済の拡大に乗り出すぜ。) 『シェンゲン協定』『LCC登場』・・・ 悪友(・・・あれ？) 『航空技術研究所設立』『国営企業設立』

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経済学的なゴミ漁り11:悪友(・・・そんなカードあったのか・・・) カードを手にとって覗き込む悪友。カードのテキストにはこんな内容が書かれていた。 『ブラジルの航空機製造会社は小型旅客機の生産に力を入れている。EUのハブ・アンド・スポーク路線拡充を捉え、世界有数の規模に成長している』

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経済学的なゴミ漁り12:悪友(おいおい、売り先がEU域って・・・、マーケットの規模が桁違いじゃねぇか・・・) 爆発四散する悪友。 悪友(ブラジルの航空産業がこんなポテンシャルを秘めていたとは・・・世界は広かったぜ・・・) 泡を吹いて倒れる。

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経済学的なゴミ漁り13:翌日の学校にて。 息子「何？ショップに来る同い年くらいの女の子に手も足も出ない」 机に突っ伏す悪友。 悪友「そうなんだ。俺の立てた作戦をことごとく上回ってきやがる。もう俺のプライドは粉微塵だぜ・・・」 息子「・・・」

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経済学的なゴミ漁り14:息子「なあ、その子は毎日来てるのか？」 悪友「ん？ああ、行った時には大抵いるから今日もいるかもな。」 息子「・・・ちょっと行ってみるか」 悪友「何？お前生徒会の仕事はいいのか？」 息子「やることはたくさんあるけど、調整して行くことにするよ」

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経済学的なゴミ漁り15:ショップに着く息子たち。 悪友「いやぁ、珍しいこともあるもんだな。生徒会に当選してから初めてじゃないか？お前と放課後に遊んだの。」 黙々とカードをシャッフルする少女。 悪友「おーい」 手を振りながら近づく悪友当選息子たち。

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経済学的なゴミ漁り16:悪友「今日もやってるな。」 少女の傍まで歩いて行く悪友と息子。 悪友「紹介するぜ。俺の友達だ。」 息子「はじめまして」 会釈する息子。 ゲーム少女「・・・」 悪友「おいおい、無言かよ」 悪友「すまねぇな、こいつはいつもこんな感じなんだ。」

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経済学的なゴミ漁り17:会話を交わし、談笑する息子たち。 悪友「ちょっくらトイレ行って来るわ」 席を足す悪友。用を足していると、そこに息子が入って来た。 息子「・・・なあ、お前あの子の名前聞いたか？」 悪友「いや・・・そういえば、聞いたことなかったな・・・」

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経済学的なゴミ漁り18:顔を近づけてヒソヒソ声で話す息子。 息子「俺の記憶が正しければだが・・・」 息子「・・・あの子、不登校になってる俺たちのクラスメイトだぞ」 驚愕に目を見開き、息子の顔を見る悪友。 悪友「・・・マジで？ でも、俺は今まであいつの顔見たことないぞ」

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経済学的なゴミ漁り19:息子「同じクラスになったことがないからだろ。俺もそこまで知ってるわけじゃないが、小学生時代に一度同じクラスになったことがある。出席簿を見たときはもしやと思ったが、まさかこんなところにいたとはな」 悪友「じゃあ、あいつは、学校に行かずにここに入り浸ってるのか」

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経済学的なゴミ漁り20:息子「まだ詳しいことは分からないが・・・」 トイレのドアをちょっと開けて少女の様子を伺う息子。相変わらず黙々とカードとにらめっこをしている少女。 息子「いずれにしても・・・ちょっと調べて見る必要がありそうだな・・・」

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経済学的な悪友の推理1:悪友「うーむ・・・」 少女と向き合う悪友。自分の手札を見ながら唸っている。 悪友(こいつが俺たちのクラスメイトだと知ってから、どうもゲームに集中できん。どうして不登校になったのか・・・って、全然喋らないからだろうなぁ・・・。)

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経済学的な悪友の推理2:悪友(毎日顔を合わせて対戦してる俺ですら、こいつとは会話らしい会話を交わしてない。さらに、顔を合わせているうちに気づいたことがある。) 悪友(こいつはカードをほとんど買っていない。こないだみたいにゴミ箱を漁って入手したカードがほとんどだ。)

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経済学的な悪友の推理3:悪友(それと、カードスリーブ。頻繁にカードゲームをプレイする人間は、カードが摩耗するのを防ぐために通常はスリーブというプロテクターをつける。しかし、こいつはいつまで経ってもボロボロの同じスリーブを使い続けている。どうやら対戦相手から余ったものを貰ったらしい)

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経済学的な悪友の推理4:悪友(身につけているものも、3種類の洋服を着まわしている感じだ。さすがの俺でも分かる。こいつはあまり裕福な家庭ではない。) 自販機でコーラを買う悪友。 悪友「・・・飲むか？」 ゲーム少女「・・・(๑╹ω╹๑ )」 凄い勢いで飲み干す。

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経済学的な悪友の推理5:悪友(こいつの親のことはよく分からないが、学校に馴染めず、家にも居場所がないとなればこういうところに入り浸るのは必然ってことか。しかし・・・) 悪友(今度は日本を使って来たな。江戸時代から続く庶民の教育水準の高さと、人口の多さで経済的なポテンシャルは非常に高い)