カーテン・フォールズ・オン・ア・ナイト・テイル #1/#2

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フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

■この物語は二次創作です。いわばフィクションのフィクションです。現実の人物や団体のみならず、ゴブリンスレイヤー本編、及びその他蝸牛くも氏のあらゆる著作物、まかり間違ってエンターブレイン発行の書籍ニンジャスレイヤーとの関係はございませんのでご注意下さい。■

2018-02-19 01:38:37
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

「よーし、集合!今日は新しいシステムを試します!」「え、マジ?今日TRPGの日だったっけ?」「約束してたじゃんよもー。集まれる日多くはないんだからしっかりしてよー」「そういうお前は3DSしまう!モン○ンは逃げない!」「いーから能力値決めんかお前らぁ!校舎閉まるまで後四時間!」 1

2018-02-19 01:40:29
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

~◆ゴブリンスレイヤー・サーガ◆~ ~◆ザ・テイルズ・オブ・エイトミリオン・アドベンチャラーズブック◆~  2

2018-02-19 01:40:50
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

「…あっれ見間違いかな。生まれ表と資金がクリってる奴がいるんだけど」「能力値が上限行ってるやつもいますね。これは壊れるなあ」「うそっ!期待値出てる!?」「今すぐそのシート破棄しろ!シナリオ中に揺り戻し来るぞ!」「よーし、GM遭遇表盛っちゃおうかなー」「「「やめて!?」」」  3

2018-02-19 01:47:39
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

~◆エピソード1400、ザ・ファイターズ・テイルより◆~  4

2018-02-19 01:53:37
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

「えー、君達はとある街の冒険者ギルドのっていうか、PTは組んだでいいかなこれ?」「賛成。PC1とPC2が微妙に組みにくい感じだしね」「円満な進行にご協力いただき恐悦至極。さて、今回の依頼は」(コロコロ)「……うん、ゴブリン退治だね!」「待て何だ今の間ぁ!」「はっはっは」  5

2018-02-19 01:54:08
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

~◆カーテン・フォールズ・オン・ア・ナイト・テイル◆~ 6

2018-02-19 01:55:47
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

「では、秩序と混沌の神の名にかけて。冒険者達よ、ダイスを握りたまえ!」  7

2018-02-19 01:56:53
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

◆これまでのあらすじ◆戦で身を立てた騎士の三男として生まれた若い騎士は、自らも遍歴の騎士足らんとして冒険者を志した。ギルドに集った仲間は、巨体の斧戦士に抜け目ない狩人、禿頭の少年神官に赤毛の女魔術師である。最初の冒険はゴブリン退治だ。いざゆけ、負けるな、冒険者!  8

2018-02-19 01:58:55
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

そしてその騎士は自らの終わりを悟った。見上げるような巨躯のホブゴブリンの手に握られた、てらてらと不潔にぬめる粗雑な斧が、彼のための処刑具であった。足に取り付いた悪辣な小鬼は身を躱すことを許さず、盾を持つ左手は幾度と無く打ち付けられた斧により痺れ、最早満足に動かなかった。 9

2018-02-19 02:01:08
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

こんな所で、という無念があった。もとより冒険者とは危険を冒す者であり、道半ばにして倒れることも覚悟はしていた。だが、最初の冒険で?何も成し遂げる事無く?ホブゴブリンが斧を振り上げた。生臭い息が、兜の面頬を通して臭う。小鬼が耳障りな声を立てて囃し立てるのが聞こえた。  10

2018-02-19 02:02:18
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

「申し訳ありません、父上」誰にも聞こえぬ呟きと共に、幕切れの一撃が打ち落とされる。兜がひしゃげ、その下の頭蓋が砕かれる絶望的な感触が、視界の全てを塗り潰す激痛と共に齎された。足が萎え、体がぐらりと傾く。彼を呼ぶ仲間の叫びを背に聞きながら、その騎士の意識は闇に沈んだ。 11

2018-02-19 02:03:45
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

首に矢を受けた見張りのゴブリンが、悲鳴を上げることもなく倒れ伏した。息も絶え絶えに三度喉を掻きむしるも、やがて力尽きて動きを止める。洞穴の脇で様子を眺めていた狐が、やがて興味を失い森の奥に去って行った。木の上では、動かなくなった小鬼を鴉が睨んでいる。   12

2018-02-19 02:05:50
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

茂みの影より矢を放った只人の女は、しばし大地に耳をつけ目を閉じた後に、膝の泥を払いながら立ち上がった。「増援なし。もう喋って良いわよ。多分だけど」軟革鎧に覆われた総身は猫めいてしなやかであり、険しく引き締められた目は狩人の抜け目なさを持っていた。その胸は標準的であった。  13

2018-02-19 02:06:44
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

「いやあ、凄いな!一撃じゃないか!」別の茂みに潜んでいた若い男が、構えていた弓を下ろし快哉を上げた。剣帯に短く太い剣を吊るし、板金鎧で身を鎧った様は従士上がりの騎士という所だろう。「僕の出る幕も無かった!」立ち上がり女狩人に近付くその顔には、純粋な感嘆と敬意が浮かんでいる。 14

2018-02-19 02:10:08
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

「別に、狩人なら当たり前よ。普段はもっと小さいものを相手にしてるんだから」どこか不満そうに否定する狩人に、そうかな、と傍らに立った戦士が異議を差し挟んだ。「そりゃあ、的としては大きいだろうが、普段と違う獲物の体の一部を射抜くのは、そんなに簡単なことじゃないと思うが」  15

2018-02-19 02:10:43
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

眉を立てて言い返そうとする狩人であるが、見上げた戦士の不思議そうな面にむぐ、と言葉を詰まらせる。巨躯の男である。硬革鎧に身を固めた戦士の体は、平均的な只人である女狩人と比して三回りは大きかった。体躯に見合わぬ穏やかな顔にはしかし、戦士らしい横一文字の頬傷が刻まれている。  16

2018-02-19 02:11:23
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

「まあ、そんなにイジメないであげなよぅ」言葉に詰まる女狩人に助け舟を出したのは、ローブに身を包んだ小柄な娘である。「照れ屋さんを正面から褒めるってそれ拷問だよー?」フードから覗く髪は癖のある赤毛で、そばかすの浮いた顔が悪戯っぽい笑みを浮かべている。その胸は平坦であった。  17

2018-02-19 02:13:00
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

「ちょ、ちょっと!アンタ何を根拠に!」「まあまあ」詰め寄ろうとする女狩人を、帷子を着込んだ中背の少年が宥める。「それよっか、ちとあの洞穴を検めてくれませんかねお二方。何分、男衆にはその手の技術が無ェもんですから」屈託なく笑いながら鎖頭巾を外したその下は、見事な禿頭である。  18

2018-02-19 02:13:53
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

頭を苛立だしげに掻いて一頻り唸った後、女狩人は騎士に睨むような目を向けた。「…見張り、よろしく。私は足跡見るから」険のある声でそう告げると、踵を返して洞穴の入り口に向かっていく。肩をいからせて去る様子とは裏腹に、足音が立つことは全く無かった。  19

2018-02-19 02:14:45
フルバーニアン木馬 @fbwbxksb4awhxu

洞穴の中の見張りは戦士、周囲の見張りは禿頭の神官と騎士と決まり、五人は各々の仕事を果たすために別れた。赤毛術士は背嚢から取り出した手帳を片手に、洞穴の側にある柱を検分し始め、女狩人は地面に膝をつき、幾度も踏み荒らされた足跡の一つ一つを確認していった。  20

2018-02-19 02:16:39