- okamotoorimono
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おはようございます。 私が従事している西陣織は伝統工芸に分類されています。その名の通り、伝えられてきた工芸品。 美しい品を作る技術が今の世に伝わっています。しかし、工芸と言っても、人が使うもの。使う人がいらっしゃらなければ、作る必要がありません。
2018-02-22 07:50:40使う人が居ないと作れない。 作れないと技術がなくなります。 いくらカンフル剤を打ってもその場しのぎです。 今、伝統工芸と呼ばれる技術はなくなりつつあります。 京都だけでも伝統産業に従事している人たちが二万人ほどいると言われています。 その大半が団塊の世代。
2018-02-22 07:52:26弊社も九人中、団塊の世代は五人。 私が住んでいる町内は27件中、四人が伝統産業に従事していて二人は団塊。 これは京都だけではなくて、世界中で起こっていることなんじゃないかと感じています。 グローバリズムの中、京都の、日本の、世界の美しい品達はどうなって行くのでしょうか。
2018-02-22 07:53:50今まで物を作れば良かった職人たちが、経営感覚、生きていく力を身に付けないといけない時代です。 とても必要な事ですが、やることが増えるほど本来のものを作る時間、労力が減っていきます。 とても悩ましい事ですが、今まではしなくても良かったその努力は必要だと実感しています。
2018-02-22 07:54:23「ええもんを作れば売れる」ではなくお客様に歩みより、話を聞き、自ら仕事を作る努力。 はっきり言って「職人力」と「営業力、経営力」は相反するものだと私は思っていますが、その両方を持たないといけない。 そんな感覚をもった新しい人に伝統産業について興味を持って頂きたい。
2018-02-22 07:54:55そして、革新を重ねてきた伝統工芸に新たな革新をもって新しい風を吹かせて欲しい。 と、西陣村では若手と言われているけど、ほんまは中年の私は思っています。 どうか周りを見渡してください。特に京都に住んでいると意外な所に伝統産業に従事している人がいます。
2018-02-22 07:55:20普通の家の中で伝統工芸が生まれています。 その人達が「若い人にこの技術を伝えていきたい。充分生活できる仕事にしていきたい」と思える状況になれば良いと思っています。 うちの絹織物を織るには多種多様な職人の力が必要です。 私は職人達が仕事を楽しんでイキイキと生活出来るようにしたい。
2018-02-22 07:56:45みんな、職人としてもっと向上していきたいと思っています。 これから伝統工芸の世界は自らを見つめ直し、苦しみ、被虐的になりながらも進化していくと思います。進化しなければなりません。 敷居が高いと言われている伝統工芸においてお客様との距離を縮める必要があります。
2018-02-22 07:57:27伝統工芸に携わる皆さん、ぜひ、外へ出ましょう。他の世界を知りましょう。それはとても大変な事ですが、大きな喜びをもたらします。 真水から淡水へ。 私もお客様と距離が縮まり、世界が広がることはとても楽しい。 これからも喜んで頂ける絹織物をお届けしていきます。 新幹線にて。
2018-02-22 07:58:22