きびだんごから始まる告白

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「雉です。子供のごっこ遊びかと思ってキビダンゴで傭兵契約を交わしてしまいました。元服したばかりのような子供が鬼盗伐に行くなんて誰が考えるでしょう。あ、犬は本気だったと思います」

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「雉です。むこうに島が見えます。製鉄の煙が上がっています。雇用主によるとあそこに近隣を苦しめた鬼が棲んでいるそうですが、あそこから雇用主のいる辺りまでわざわざ略奪行するものでしょうか」

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「雉です。事前偵察飛行中です。鬼の暮らしは人々と大差なく非戦闘員もいるようです。長距離飛べないので確かなことは言えませんが。戦闘要員の鬼は強そうです」

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「雉です。猿、恐ろしい。あの膂力……正直舐めてました……『ちぎっては投げ』は集団から個をちぎりとって投げるという意味ではなく、文字通りの。犬が腱を食いちぎって動けなくしてからの連携が機械的に進みます……」

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「雉です。ああ、もう……死ぬまで夢に見るのではないかと思います。討伐とはよく言ったものです。情け、ありません。容赦、ありません。犬がくわえて駆け回っている脚、少なくとも男の鬼のものではありません」

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「雉です。凱旋の一行の末尾にいます。そっと消えようと思います」

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「雉です。雇用主が私に賞金をかけたと風の噂に聞きました。『桃太郎の真実』の出版が逆鱗に触れたのでしょう。でもそうせずにはいられなかったのです……ああ、犬の声が近くなってきました。もう悪夢を見ないでも済むかと思うと少し安らぎます」