【アジャセ王物語】

父殺しをしたアジャセはどうやって救われるのか?
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syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語】ある時、王舎城にアジャセという王子がいました。彼は悪友ダイバダッタに従って、父王ビンバシャラを幽閉しました。【観無量寿経】

2010-02-15 09:46:37
syaku_rikun @syaku_rikun

なぜ幽閉したかは諸説あるのですが、ローマ神話のサトゥルヌスのように父王に殺されそうになったという説もあれば、保守的な父王から政権を奪い革新的な政治を行おうとしたのではという説もあります。

2010-02-15 09:53:31
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語】母ヴァイデーリ(韋提希いだいけ)は、体に麦粉をぬりこみ、首飾りにブドウ汁をしこみ、夫ビンバシャラのもとに運びました。それを知ったアジャセは、怒り剣を抜き、母を殺そうとしたのです。【観無量寿経】

2010-02-15 09:57:49
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語】剣を抜いたアジャセ王を、大臣たちがいさめました。かつて政権交代を狙って父王を殺した王はあまたいましたが、いまだかつて母を殺した王はいません。もしあなたが母を殺してしまうのであれば、私たちはもうついていけません。【観無量寿経】

2010-02-15 10:00:06
syaku_rikun @syaku_rikun

ここで大臣たちが、アジャセ王の父王幽閉までは容認しているのが面白い。農耕中心の保守的な父王と、商業中心の革新的な王子という説も有力なのかなと思ってしまう。特にここでアジャセ王をいさめた大臣の一人が耆婆(ぎば)大臣といい、のちにアジャセ王を釈尊に会わせて悔恨の情を示させました。

2010-02-15 10:06:02
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語4】母殺しを大臣に止められたアジャセ王は、懺悔して殺すのはやめましたが城の奥に母を軟禁しました。息子が、夫だけではなく自分まで殺そうとしたことにひどく心を痛めた母韋提希(いだいけ)は、涙を流して釈尊に「お弟子さんでいいから慰問に来てくれ」と祈ります。【観無量寿経】

2010-02-17 09:41:17
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語5】すると釈尊は、自ら韋提希のもとにおもむきます。そこで韋提希は泣き叫びながら「私は、あんな父母を殺そうとする息子を持つほど罪を犯しましたか。なんで釈尊は、息子をそそのかしたダイバダッタと従兄弟なのですか」と釈尊に悲しみをぶつけたのでした。【観無量寿経】

2010-02-17 09:46:54
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語6】しかし、釈尊はじっと黙ってその言葉を聞くだけでした。落ち着きを取り戻した韋提希はあらためて釈尊にお願いをします。「私はもうこのような悪人がはびこる地獄のような世界に耐えられません。悩み憂いのない世界を教えてください。そのような世界に私は行きたい」【観無量寿経】

2010-02-17 09:51:02
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語7】韋提希は釈尊に「清らかな行によって報われる世界を見せて下さい」とお願いしました。すると釈尊は眉間から光を放ち、その中にあらゆる素晴らしい世界を韋提希にお見せになったのです。韋提希は「みな素晴らしい世界でしたが、私は極楽世界に生まれたいと思います。【観無量寿経】

2010-02-18 14:27:39
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語8】韋提希の願いを聞いた釈尊は、微笑みました。「阿弥陀仏はここから遠くにはおりません。清らかな行によってはっきりと観想しなさい。皆、かの西方極楽浄土に生まれることができるでしょう。私はあなたのために説きましょう。」【観無量寿経】

2010-02-18 14:32:42
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語9】釈尊「かの国に生まれたいと願うものは、三つの幸福な行いをしなさい。一つは、父母に孝養をつくし、人生の師と目上の人につかえ、慈しみの心をもって殺さず、十の善い生活規範を実践しなさい。【観無量寿経】

2010-02-18 14:36:28
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語10】釈尊「二つには、仏法僧の三宝に帰依し、仏教徒としての規範を守り、生活態度が乱れないようにしなさい。三つには、覚りを求める菩提心を起こし、ふかく因果の道理を信じ、大乗経典を読み、教えを人にも伝え勧めなさい。【観無量寿経】

2010-02-18 14:43:49
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語11】釈尊「韋提希よ、あなたは凡夫で、心は弱く劣っているので、生死の迷いを明らかに知る眼を持たず、かの極楽浄土は遠くて観ることができません。しかし、もろもろの仏のてだてによって、あなたでも見えるようにしてくださいます。」【観無量寿経】

2010-02-18 14:48:19
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語12】その時韋提希が釈尊に申しました。「私は釈尊とともにいるので、見ることができます。しかし、仏がおられなくなったら、もろもろの方々はどうやって阿弥陀仏の極楽世界を見ることができるのでしょうか。」【観無量寿経】

2010-02-18 14:50:59
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語13】釈尊「心を専一にして、西方を思いなさい。どのようにするかというと、太陽が西に沈むさまを観想するのです。いずれ目を開いていても閉じていても、いつでもありありと太陽を見ることができるようになりなさい。それを「日想(にっそう)」といいます。」【観無量寿経】

2010-02-19 11:58:54
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語14】釈尊は、さらに「水想」「地想」「樹想」「八功徳水の想」「総観想」を説きおわりました。すると空中に阿弥陀仏が観音菩薩・勢至菩薩を伴って光り輝くなか現れました。【観無量寿経】

2010-02-20 09:19:07
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語15】韋提希は阿弥陀仏に礼を尽くして、釈尊に申しました。「私は今、釈尊のお力により阿弥陀仏と二菩薩を見ることができます。しかし、未来の人々はどうしたら阿弥陀仏と二菩薩を見ることができるでしょうか。」【観無量寿経】

2010-02-20 09:22:29
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語16】釈尊「阿弥陀仏のお座りになられている蓮華座を観想しなさい。」「華座の想を観終わったなら、次に仏を観想しなさい。仏は真理そのものであり、すべての人の心の中に入ってきます。仏を観想するとき、その心がそのまま仏なのです。これを「像想」といいます。」【観無量寿経】

2010-02-20 09:28:37
syaku_rikun @syaku_rikun

ここら辺からが、釈迦仏亡き後、人ができる念仏として行われてきた観想念仏です。葉っぱの一枚一枚、花びらの一枚一枚から観想していきます。親鸞さんや法然さんは、きちんと修行できる人はこのようにして浄土に行けるが、自分のような専念できないものは称名念仏が精一杯とお念仏をすすめました。

2010-02-20 09:39:24
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語17】こうして釈尊は、人の機根に合わせていろいろな観仏三昧法を伝えました。そして最後に、親を殺したり、人のものを盗んでしまったり、嘘をついてしまった人々の往生を説かれました。「禅定の中で観仏できないなら、南無阿弥陀仏と十遍でも称えなさい」と。【観無量寿経】

2010-02-25 09:22:45
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語18】最後に、一緒に聞いていた弟子のアーナンダに言いました。彼は、常に釈尊のそばに仕え一番教えを聞いていたのですが、どうしても覚りに到達できませんでした。そこで釈尊は「あなたは、この阿弥陀仏の御名を、よくよくたもちなさい」 【観無量寿経】

2010-02-25 09:27:29
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語19】釈尊「皆、かの国に往生できるでしょう」と。韋提希とアーナンダは、こうして極楽世界をみることができ大いに喜びました。【観無量寿経】

2010-02-25 09:35:38
syaku_rikun @syaku_rikun

後半グダグダでしたが^^;、以上で【観無量寿経】は終わりです。次回から、父親を殺してしまったアジャセ本人が苦悩する様を描いた【涅槃経】についてつぶやきたいと思います。

2010-02-25 09:38:17
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語20】ゆえあって父を殺したアジャセ王は、煩悶の中にあった。「私は正しい。あそこで父を殺さなければ、この国はどうなっていたか。私は正しい。大臣たちも私についてきてくれている。私は間違っていない。母もいずれわかってくれるはず。。。」【涅槃経梵行品・私訳】

2010-03-15 14:31:21
syaku_rikun @syaku_rikun

【アジャセ王物語21】自分が正しいと信じるアジャセだったが、苦悩の中、発熱がひどくなり身体中の皮膚がただれ悪臭を放つようになってしまった。「あぁ、私は正しいことをしたのだが、父を殺したという一点においてのみ、生きながらにして地獄の業報を受けている。本当の地獄に落ちるのも間近か」

2010-03-17 09:14:19