恋愛体質

レオナ @leo_msk_tdys

【恋愛体質】 “恋愛体質” そんな言葉がありますが そのタイプは十人十色 受け入れる？ 抗う？ 諦める？ それとも… そのいくつかを覗いてみましょうか 8タイプの恋愛模様 #恋愛体質

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〜不幸体質〜 1. 今朝の出来事。 一、車に雪解け水をひっかけられた。 二、通勤電車に乗ろうとしたら後ろから来たおばさんに押し退けられ、一本逃した。 三、仕事中突然PCの電源が落ち、苦労して入力したデータが消えた。 四、昼休みにLINEを開いたら、いつの間にか彼氏にフラレていた。 #恋愛体質

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2. 自他共に認める不幸体質。 私の日常は、ちょっとした不幸で溢れている。 毎日がこんな調子だ。だから多少は抗体ができている。 データが消えたまでは、まあいい。 痛いけど。 ちょっと途方に暮れたけど。 でもさすがに失恋はへこむ。 しかもLINEで、って何それ。せめて直接言ってよ！ #恋愛体質

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3. 「どうしてよー⁈」 終業後、ヤケ酒しようと一人暖簾をくぐった居酒屋のカウンターで、焼酎の入ったロックグラスを相手にボヤく。 と、 「なに物に絡んでんねん。寂しいヤツやな」 頭の上で声がして、隣の椅子がカタンと音を立てて引かれた。 #恋愛体質

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4. 「生ひとつください」 人さし指を立ててビールを注文する、ちょっと掠れた声の主は、同僚の錦戸くん。 「どうしたの、一人で？」 「お前かって一人やんか」 スーツのジャケットを脱ぎ、ネクタイを外しながら、私の出来たばかりの全く癒えていない傷口をチクリと突いてくる。 #恋愛体質

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5. 「っ、どうせ寂しいですよー。不幸な女ですよ、私は」 「拗ねんなや。しゃあないやん。だってお前、無神経やもん」 …無神経⁈どういうこと？ 「何それ、ちょっとすごい失礼じゃない？」 いつもながらズケズケとものを言う。 反論してやろうとしたところで、彼のビールが到着した。 #恋愛体質

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6. 「だってそうやん。お前、目の前の事しか見てないやろ。 だからいきなり災難が降ってきたように見えんねん。 物事っていうのはちゃんと原因と過程があって結果があるんやから、周り見とったら防げる事はあるはずやろ」 う…、なんだかすごく論理的に攻めてくる。 でもーー #恋愛体質

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7. …考えてみれば確かに。 水を掛けられたのは、イヤホンの音楽に気を取られて車に気づくのが遅かったせいだし PCの電源が落ちたのは、足元のケーブルに気付かずに椅子の脚に引っ掛けたせい。 いずれも私の注意力のなさが引き起こしたものだ。 だったら彼氏にフラレたのは？ #恋愛体質

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8. 「何でも適当に返事しとったんちゃうん」 「適当なんて、そんな」 「相手に合わせるだけなんは、ちゃんと向き合ってるとは言わんで」 そう言われて、思い当たらないこともない。 何気にちょっと図星だったり…。 ていうか、どうしてこんなに見透かされてしまっているんだろう。 #恋愛体質

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9. 「視野が狭いねん。もっと自分の事も、周りもよう見てみいや？」 そう言うと錦戸くんは、2杯目のビールを注文した。 なんかもう、ぐうの音もでない。 自分では気づいていなかったけれどこんなにも的確に指摘されたら、それを認めざるを得なかった。 #恋愛体質

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10. デスクに向かってふう、と小さく息を吐く。 昨夜は錦戸くんの言葉が刺さって、ほとんど酔えなかった。 「視野、か…」 キーボードを打ちながら、ふと思う。 見えるのは目の前のモニター。視線は時々資料と往復するだけ。 そういう意味ではないのは分かっているが、確かに視野が狭い。 #恋愛体質

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11. 「姿勢が悪い、のかな」 少し背筋を伸ばしてみると自然に頭が後ろに引かれ、隣の人の腕が視界に入った。 前の席の人の頭が見える。 その向こうの人が立ち上がる。 お茶を入れて戻ってくる人がいる。 なんてことないオフィスの風景。 だけど今まで私には何も見えていなかったみたいだ。 #恋愛体質

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12. その日の帰り道、いつも着けているイヤホンを外してみた。 聞こえてきたのは車の音・人の話し声・お店から流れるBGM。 なぜだか、音と一緒に周りの景色もよく見える気がした。 可愛い洋菓子屋さん・生垣から覗く花・路地を歩く猫。 通い慣れた道なのに、いろんな発見があった。 #恋愛体質

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13. 新鮮な景色にワクワクしながら自宅に着く頃には、なんだか気持ちが高揚していた。 ソファに座りアールグレイを淹れたポットを蒸らす間、普段あまり使わないSNSなんかを珍しく覗いてみた。 そこに流れる、今までそんなに興味のなかったファッションやコスメがキラキラして見えた。 #恋愛体質

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14. その日を境に、私に降りかかる不幸が少しずつ減っているような気がした。 人から声を掛けられる事も多くなった。職場でお菓子をもらったり、雑務を手伝ってくれたり。食事の誘いがかかる事もあった。 あの時のお礼を言いたくて、ある日の仕事帰り、錦戸くんを食事に誘った。 #恋愛体質

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15. 「なんや最近モテてるやん」 あの日と同じ店の同じ席に座り、ビールジョッキを眺めながら、錦戸くんはニヤリと笑う。 「モテてなんかないよ。 でも最近会社の人からもよく声を掛けられるようになった気がするし、不幸も前より減った気がするの。 錦戸くんのおかげだよ。ありがとう」 #恋愛体質

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16. 「俺なんもしてないやん」 ちょっとぶっきらぼうに、枝豆をつまみ口に運ぶ。 「だってあの時、錦戸くんが“もっと周りを見ろ”って言ってくれたから」 「ちゃうって、俺が言うたのはそういうんじゃなくて、」 なんだろう。いつもの錦戸くんらしくなく、なんだか歯切れが悪い。 #恋愛体質

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17. 「何、どういうこと？」 「いやだから…ちゃうやん、俺が言うたのは……あー！もう！どこまで言わすねん！いいかげん気づけや！」 一人ジタバタと身悶えている錦戸くんに、理解できず唐揚げを前にキョトンとする私。 「ていうか、お前なにモテとんねん！なに可愛くなっとんねん！」 #恋愛体質

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18. ヤケクソのように言って、錦戸くんが私を睨む。 「…俺を見ろ、ってことやろ」 ぷい、とそっぽを向き頬杖をついた手で口元を隠した錦戸くんの顔が、みるみるうちに真っ赤に染まっていく。 それを見て少しずつ理解した私も、まるで40度のスピリッツを飲まされたように、熱くなった。 #恋愛体質

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19. 「…お前、ほんっま無神経やな」 むすっとした顔で照れ隠しのように、マヨネーズをたっぷりつけた唐揚げを乱暴に頬張る。 目の前だけしか見ていなければ、気づけなかった。 私を見てくれている人がいた事に。 錦戸くんは、不幸体質な私を幸せにしてくれる救世主なのかもしれない。 #恋愛体質

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20. 「…お前、もうええから」 「え、何が？」 赤い顔はそのままで、でも今度はまっすぐ私を見て言った。 「それ以上、可愛くなるな。 俺だけ見とけ」 終. #恋愛体質 pic.twitter.com/bQeN2QG4LR

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“恋愛体質” そんな言葉がありますが そのタイプは十人十色 幸・不幸、どちらに転ぶもあなた次第 受け入れる？ 抗う？ 諦める？ それともーーー 【恋愛体質・終】