【第4回】自分だけが楽しいエア読書会(課題図書:ティファニーで朝食を/トルーマン・カポーティ)
【第4回】自分だけが楽しいエア読書会 ・毎週土曜日20:00辺りから開催します ・その時その時で気になった本を読みます ・読んでる最中雑な感想をTLに垂れ流します #自分だけが楽しいエア読書会 (課題図書:ティファニーで朝食を/トルーマン・カポーティ)
2018-03-03 22:15:57(amazonより引用)第二次大戦下のニューヨークで、居並ぶセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜更けに鳴らしたのは他ならぬホリーだった……。
2018-03-03 22:27:24ホリーの生き方が面白い。彼女の名刺の隅には「旅行中」と書かれている。「ミス・ホリデー・ゴライトリー・トラベリング」それはまるで歌の文句みたいだった。彼女は不安や憂鬱を抱えていて、いつもそれらの行き場を求めていた。行き場でないとわかればさっと移る。あまり現実的ではない生き方だ。
2018-03-03 22:40:22ホリー・ゴライトリーの生き方を精神病だと言う人がたくさんでてくる。「彼女は本物のまやかしだからね。彼女は自分の信じている紛い物を心底信じてるんだよ」と。この「まやかし」は英語でphony、ホリーとかけてある。誰でも紛い物を信じている。だが、彼女は生活を駄目にするものを信じている。
2018-03-04 07:20:27「私は飼い猫に名前をつける権利はない。自分といろんな物事がひとつになれる場所をみつけたとわかるまで、私はなんにも所有したくないの」「それはティファニーみたいなところなの」。猫に名前をつけると、猫と離れなれなくなってしまう。それは彼女の生き方に反している。
2018-03-04 07:25:35自分といろんな物事がひとつになれる「場所」。パートナーや達成などではなく、ホリーは場所を求めている。なぜだろうか。ホリーは様々な場所へ旅行へ行き、不安感を払拭しようとする。場所に対する感動は、自分が受け入れられる感覚に似ているけど、それは一過性にすぎない。だから、すぐに次へ行く。
2018-03-04 07:32:23何かしら悪いことが起ころうとしている感覚(不安感)に効果があったのは、タクシーを捕まえてティファニーへ行くことだった。「その店内の静けさと、つんとすましたところがいいのよ」と。具体的に迫ってこない、想像の余地のある場所を求めている。
2018-03-04 07:38:07それは故郷に似ている。ホリーは心の故郷を持たなかった。だから旅を続けている。巻末では旅が終わったかのようになっているが、おそらく今後も続くだろう。故郷になる場所を見つけるには、覚悟がいる。そこにあるものを引き受ける覚悟だ。しかし、永遠に探し続ける人生ってのも面白いかもね。
2018-03-04 07:57:25定めた目標に進むことが良い生き方とされているが、それはあくまでも奴隷道徳。目標を立てさせるのは、気に入らない目標を立てた人を叩くためだ。ホリーのように、自分の気持ちを良くする方向へ進むのは決して間違っていない。間違って見えるのは、人生を俯瞰しすぎるからだ。俯瞰する意味もわからず。
2018-03-04 08:00:50