- mydear2000s
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私の体の骨格は サンゴにはなれない 削っても削っても光る色は生まれて来ない 私の固い骨格が サンゴになれるとすれば釜の中で焼いた後に 残った僅かな骨 何十年も味わって来た人の世の 浮き沈みが沈殿している そこにもしかするとサンゴになれるものが 残っているかも知れない #サンゴ詩
2018-03-05 15:48:48波を待ちながら 浮き沈みしている僕を 陽が晒してゆきます 潮が侵してゆきます 木の葉のかたちした サーフボードはことのはです こうして漂っているうちに 風化して 凝り固まってゆく 言葉の結晶は 骨のように かわいてにがい さんごの ひとつまみで あるのです #サンゴ詩
2018-03-05 14:32:51#サンゴ詩 海におどる薔薇色の指は 黒い神殿で ペルセウスに討たれた メデューサの首から 青い水に落ちた血 空を行く英雄の腰から 口惜しやと呻く妖女の 最期の嘆き 伝承が彼方に去り ルネサンスの花咲けば あら麗し 幼きキリストの胸に 血の指は 魔除けの印に光り 子を抱く母の口元も 赤く微笑む
2018-03-05 08:27:50指に嵌る珊瑚は 揺らめく記憶を わたしの脳内に 愉しそうに投影する 活き活きとした海藻や 陽の当たる碧い水面(みなも) 岩の隙間の 緑がかった海水 魚たちと笑い合ったこと そんな思い出を今も 熱く赤く抱(いだ)いていること 海水の中の記憶が愛しくて指をじわりと温める、未(ま)だ #サンゴ詩
2018-03-05 01:22:23三月五日はサン、ゴでサンゴの日 サンゴはどうやら植物ではなく、動物ということです。 しかし、二酸化炭素を吸収し酸素をつくり出すから不思議な動物。海を浄化するサンゴ、大切にしなくてはいけませんね。
2018-03-05 00:44:38母の足踏みミシンの上には 棚が二つ重なり その上に日本人形がのって 天井についている インテリア化している 足踏みミシン 母の漏らす言葉を 時々聞くことがある 重い言葉を 受け止められず 自分の重い腰を 上げられないでいる ごめんね (箱型キャビネット足踏みミシン) #ミシン詩
2018-03-04 20:45:45まゆみちゃんのお母さんは 洋裁が得意で 遊びに行くと いつもミシンを踏んでいた まゆみちゃんは いつも素敵なブラウスや ワンピースを着ていたよ 世界にひとつしかない お母さん特製のね あのミシンの音 少女だった遠い日 まだたくさんの 夢を見ていた日 #ミシン詩 pic.twitter.com/pzVZwcEPOu
2018-03-04 20:12:48【戦争とミシン】 十人兄弟だった母の すぐ下の叔父さん 洋服の仕立屋で いつも ミシンの周りで 忙しく 注文を受け 生地を裁断していた 社会人になる祝いだと 仕立ててくれたスーツは 三十年後もパリッとしてた シベリアに抑留されたが ミシンの腕が買われ 生き延びたんだと ボソッと話す #ミシン詩
2018-03-04 19:07:33仕事でたまに使うけど ガタガタとへたっぴだったミシン ハキハキしたあの子が超スピードでどんどんこなしていたミシン 普段は大人しいあの子が 無駄なく力強く操っていたミシン 機械にも魂が宿って 頼もしいパートナーとなり もう一人の自分を奮い立たせながら 一生懸命に縫っていたのです #ミシン詩
2018-03-04 14:38:26足踏みミシン 糸を 針先までに 導く不思議な行程 針を静かに ハンドルで下ろし 下糸を連れてくる レバーを下げ 足踏みを 踏む 布が小刻みに進み 始めての 機械運転に 子供心は 有頂天 時がたち 縫製工場で働く 工業用電動ミシン 何十台ものリズムを 女子達が生む 手が出せない 世界が #ミシン詩
2018-03-04 11:21:53この体は走ることを 長い間していないので 順調に駆け出したつもりでも 見えないところで絡まって足が縺れる 小さな痛みのひとつひとつに 構ってなどいられなくて 傷だらけの足を無理矢理引きちぎって 日々を縫って来た 空回りする糸くずが ついに心臓を止めるまで 気づかずに #ミシン詩
2018-03-04 11:05:22裁縫が嫌いだった 女性らしいとされる全般に 興味が沸かなかった 中学の通知表の所見 「成績優秀ですが女性らしさに欠けてます」 父は激怒した 「明日から着物で暮らせ」 先生も父も似た者同士だ 着物を着て暮らさなくても 女らしくなくても 母になれば息子のリュックも ミシンで縫った驚け #ミシン詩
2018-03-04 10:24:46ギッタン、バッタン ギッタン、バッタン リズムよく 足ふみミシンは おかあさんのシーソー ぼくらの洋服を 時には穴の空いたズボンを おかあさんの背中 少し丸まって 進んで行くと糸の道 魔法のように 布がかたちになって だれも着てない ぼくだけの洋服 かっこいいんだよ #ミシン詩
2018-03-04 10:02:12刺す 鋭き切っ尖 旋律の奏でる 一瞬の音 聞こえる間も無く 線は意味を成し 冷たく 熱のない 冷酷なもの 通される 真実は 形を成し 着せ替え人形遊び… 人形のように 色鮮やかに 個性を表現 自ら羽織る想い 何者かになるために… 人は 化ける 毛皮を 纏うように… #ミシン詩 pic.twitter.com/kUmtxIwl3h
2018-03-04 09:54:25#ミシン詩 お手伝い ボビン用の 糸を 一生懸命 足で バタバタ みるみるうちに 巻き上がる 力加減の 難しさ 切れたら おしまい バタバタ バタバタ 慎重に 出来上がり ボビンを 定位置に 納める 小さな 小さな 満足感
2018-03-04 08:00:37一つの思い出がある ミシンなど買う事ができなかった時代 私たち兄弟が着るものは 全てお袋の手縫いだった 針に糸を通す目は明日の生活を見据えていた 利用できる古着は全て利用した 小さかった私たちは お袋の指や手はミシンなのかも知れない と 思ったものだ #ミシン詩
2018-03-04 07:37:02杵つくように 餅返すように 上手に二人 噛み合ってるもんだな 上の糸がきて 下の糸と絡んで ぎゅっとして 布を後ろに送って こんがらがってしまったら 糸を切ってもいいのさ どちらか一人だけ 先に行けはしないから 切れた繋がりは 必ずまた戻るさ 仲良しごっこじゃなく 絡みあう運命の糸 #ミシン詩
2018-03-04 07:33:10#ミシン詩 上糸と下糸の糸調子を おんなじように 合わせとかんと 縫い上げたもんは つっぱったり ゆるんだり 長持ちしません それでええときも ありますけど わざと糸をゆるうして すぐにほどけるようにして やっかいな人と どうしても 付きおうていかな あかん時は それがよろしいな
2018-03-04 07:14:52今年もまたお雛様が 始める内緒話 一年ぶりだから一年分のお話 ねえ聞いてくれるでしょなんて言われたら 長いつきあいだもの勿論だよ、って 雛壇の前を動けない 諦めて今夜はここで眠るねと ぬいぐるみたちが揃って 座布団の上に並んだ三月三日の夜 #ひな祭り詩
2018-03-03 23:16:40男兄弟だったので おひな様を家で見たことはない 女びなは右なのか左なのか? 女と手をつなぐときは右手だったか左手だったか? 一緒に寝るときは右だったか左だったか? 習慣化された物事に違いが生じるとき 違和感を感じるものなんだけど 独りだとそれも分からなくなる 乞う 女びな様 #ひな祭り詩
2018-03-03 20:48:25今年も笑顔で 会えました あのこの喜び あのこの悲しみ そっと抱きとめ 明日に橋を架ける 親から子に伝わる 慈愛のうた 祈りのうた ありがとう 来年もまた笑顔で 会えますように #ひな祭り詩 #詩を書こう 節句
2018-03-03 18:37:11戦後の 何もない時代 母が私たちの為に 私たちの服を 2、3枚重ね人形に見立て ぼた餅を作ってくれた 今日は女の子の お祭りだよ 母は優しい笑顔を 向けていた 5女の私は 甘えて喜んだ 野を裸足で走り回る お姫様達は いつも笑っていた そんな自分達を 記憶の中に存在している #ひな祭り詩 twitter.com/yatsutk1/statu…
2018-03-03 16:09:31昔に戻る時間がある これもそうだ 貧しかった時代であったが おひな様は二つ 粗末な布きれで作ったものだ 妹は喜んでいた 四人兄弟のたった一人の妹 亡くなったお袋は 夜遅くまでおひな様を作っていた 供えるものは 形だけのものだったが あの時の妹の笑顔を 年十年ぶりに思いだした #ひな祭り詩
2018-03-03 15:57:19