- toukotsu1220
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紙の本は経年劣化により触ると崩れるばかりなのでネメシスではもっぱら石に記憶させ引き出す方法を採用している。知の申し子ともいうべきサフィールは資料庫の石を片っ端から読み込んでいく毎日をおくっている。ある日「人造人間のつくりかた」を見つける。
2015-12-05 22:44:18記録させた時点で古い情報だったらしく、かすれた文字と図は判別できないところがいくつかあった。ただ方法はなんとなく分かるようだったので早速つくってみることにした。書いてあったから実践してみたくなったのだ。
2015-12-05 22:44:24出来上がった土人形はよたよた歩いて転ぶと同時に崩れた。自分がつくった人形が動いた事実を目の当たりにしたサフィールが思ったことは「本当に動いた。もっと動かすにはどうしたらいいだろう」だった。サフィールは凝り性だった。
2015-12-05 22:44:49読めなかった箇所や、写し間違いを解読して何度か挑戦したが、一番うまくいったのは邪黒水晶を核にすることだった。結晶ができるように核の石に土が集まっていく。試行錯誤を重ねるうち等身大の人間が歩くようになった。
2015-12-05 22:48:14ひとつの達成感を覚えたサフィールは兄に見せることにした。デマンドは感心してしきりにサフィールを褒めた。最後に「これは何の役にたつんだ?」と聞いた。サフィールはただつくっただけでとくに目的はなかったことをつっかえながら答えた。
2015-12-05 22:53:33責めているわけじゃないと笑う兄は「もし戦闘ができるのなら」と続けた。ただ人形を動かして終わりのつもりだったサフィールはなるほどこんな形でも力になれるのかと思い、研究してつくってみると言った。「期待しているよ」今思い返すと兄弟の抱擁はあれが最後だった。
2015-12-05 23:02:27出掛ける準備してたらサフィールがカイロを渡してくれたのでポケットに入れたけど、ミネラル麦茶のティーバッグだったから全然あったかくない。サフィールはルベウスの後ろのヤカンに入れてほしかった。面白くなったから黙ってた。
2015-12-13 03:00:21現パロでアロンとマナに「この辺りもちょっと前は海だったんだよ」と古墳時代の話をするサフィールはスケールでかくて流石デマンドの弟やで
2015-12-13 03:14:50サフィールは……サフィールは、平和になったネメシスでナスとバナナを掛け合わせた「ナナナ」とかいう完全にシャレに走った食べ物を開発したりするんだ。
2015-12-13 05:08:20紫陽花咲いてる縁側に妖怪サフィールがやって来てちょこんと座り「やきおにぎり」と一言呟くから、ルベウス君(13)は「はいはい」って握ったり焼いたりしてください。(面倒と思ったが久しぶりに食べるとうまいな)って中学生になったらなかなか現れなくなった妖怪サフィールと並んで食べてください
2015-12-15 01:40:41サフィールはどこか古くさいところがあって、調子が悪いものは叩いたらなおると思ってるんです。プリンスがセレニティにお熱になった時から、ぶっ叩く機会をうかがっていて、それを必死で止めてたのがルベウスだったんです。ストッパー亡き後凶行をはたらき草葉の陰から「あんだけ言ったのに」(字数)
2015-12-22 00:17:41柄の悪い人達に絡まれたルベウスくん、ボスのところに引っ張っていかれて財布の覚悟をしていたら所在なさげにサフィールが座ってて顔見てちょっと気まずそうに釈放される。(ネルケでお送りしました)
2015-12-23 22:17:58サフィールはガラ悪い人達に絡まれた際ミラクルピタゴラスイッチ的出来事でぼこぼこにしてしまい、まつりあげられたのです。明日学校で根掘り葉掘り聞かれます
2015-12-23 22:24:46お家に向かって暗い道を急いでいたルベウスくん(10)、山を迂回するようにぐるりと回ったら曲がったところの神社に屋台がたくさん出ていた。明るさに惹かれて、祭りの時期ではないはずだけど少し寄っていこうと屋台を見るとなんだかおかしかった。
2015-12-26 01:05:00いつものくじびき、焼きとうもろこし、射的なんてのはなくて、あるのは気味の悪い置物や武器、へんてこな瓶に入った薬、お品書きは漢字が多くて読めなかった。狭い神社のはずなのに屋台はどこまでも続いていた。帰ろうと来た道を引き返していたらおとなりのサフィールがいた。
2015-12-26 01:05:23ふらふら歩いているサフィールに声をかけると、「出れないんだ」と言われた。迷子かなと思って、自分はまっすぐ来たからこのままいけば帰れる、と言って一緒に帰ることにした。けれどもどこまで行っても屋台があるばかりでちっとも出口が見つからない。
2015-12-26 01:05:37時折交差する太い道に出た。そちらにも屋台は続いていたけれど曲がったらもう帰れない気がして二人は手をつないでまっすぐ進んだ。土ぼこりがすごくて喉の渇きを覚えたときラムネ屋を見つけた。カラフルなラムネには色ごとに効能があるようだった。
2015-12-26 01:06:04サフィールの手持ちでは足りなくてルベウスの硬貨を分けて一本ずつ買った。店の老人が栓を開けてくれて口をつけながら振り向くとそこは神社の石段の中腹だった。ルベウスは思い出していた。三日前サフィールが行方不明になったこと、危ないから暗くなる前に帰れと言われたこと
2015-12-26 01:30:53小さいころに聞いたなにか買わないと出られない市のこと、「夜市だったんだ」それぞれ持っているラムネが証拠だった。二人はラムネを飲みながら家に帰った。サフィールは神社で神隠しにあったことになった。次の年、夜市の開催が近づくと分かるようになった。
2015-12-26 01:30:58このあと高校生になったサフィールが夜市で見た不思議なものに魅せられてもう一回行こうとしたりする。つねかわこうたろうの「夜市」の設定かりました。文庫になってるから皆読んでくれよな!
2015-12-26 01:34:12