(新連載まとめ18)朝の三分小説〜おかん〜(魂の帰る場所編)

カメックスシ @agodenderu

おかん277 道中いろいろあって債務者達はほとんどいなくなったがおかん一行は飯田市に到着した。 「それでレンタルDVDショップはどこにあるんだろう」 「旅の人なにかお探しかな」 おかんに声をかけたのは街角のシャーマンのおっさんだ。 シャーマンはタブレット端末を使って占いを始めた。

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おかん278 「そのレンタルショップはもう潰れてますな。はい、手数料100円ね」 「えっ」 妙に納得いかないが急いでいたのでおかんは大人しく払った。 「潰れたなら店主がどこに行ったか探して潰さないと」 「1000円あれば調べますよ」 「いいよ市役所に聞くからさ」 役所へ突撃。

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おか279 市役所の窓口では職員が丁寧に対応してくれた。 「あの店のオーナーは確か鰐川火山丸すっね」 「住所は？」 「めんどくさいんでこっちの台帳から探してもらえますかね。ってゆーか蜂蜜食べに行きたくない？」 おかんは台帳から鰐川火山丸の住所を見つけ、彼の自宅へ向かった。

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おかん280 鰐川火山丸の実家らしき家は既に売りに出されていた。 「そんな火山丸はどこに行ったんだよ」 その時、通りすがりのサイボーグおばさんが現れた。 「そこの家主なら殺人カマキリ乙類に殺されたわよ」 「ああ、なんてことだ」 「おやおやお困りですな」 その時例のシャーマンが。

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おかん総集編三十 ベイブの呪いを解くためにはレンタルDVDショップのオーナーである鰐川火山丸をデカイパンケーキで押し潰して浄化する必用がある事が飯田市経済開発研究局の調査で明らかになった。しかし、鰐川火山丸は既に死亡しており彼の魂はどこへ行ったのか。

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おかん281 「一万円であなた達のするべき事を教えて差し上げますよ」 シャーマンの申し出に債務者の誰かが一万円を差し出した。 「フフフ、いいですねぇ。鰐川火山丸の魂を見つけて成仏さなければいけませんな」 この飲み屋しかないような街で魂はどこへ行ったのか。とりあえず飲み屋に行った。

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おかん282 「ええっ鰐川火山丸の魂を探してるって。まあそんな事より飲もうぜ」 飲み屋にいた坊主はおかんにも酒とiPhoneを勧めてきた。 酒屋の酔っぱらい達に聞き込みを続けても有益な情報は出てこなかった。 おかんもバイオエタノールをこの日は四杯も飲み、いつしか朝になっている。

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おかん283 高野豆腐と割り箸で簡易の怨念探知機が作れるらしい。飲み仲間の坊主に昨夜教わったことだ。 とその時 「高野豆腐と割り箸はいらんかね」 またしても例のシャーマンが現れた。 「くださいな」 「一つ十万円ですな」 おかんは駅前のスーパーに向かった。

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おかん284 駅前のスーパーには殺人カマキリ乙類の大群がいた。 「なんだこいつら」 「今日は高野豆腐一パック六円の日なのよ」 よくみれば殺人カマキリ乙類達はみんな高野豆腐をカゴに入れている。 そして、最後の一つが今なくなった。 「そんな、高野豆腐が売り切れるなんてあり得ないよ」

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おかん285 「あら、あなた安賀多ちゃん？」 「ガーゴイルおばさん？」 「高野豆腐は紙粘土と粘度68のオイルで代用出来るのよ」 「流石おばさん」 怨念探知機に導かれた先には例のシャーマンが。 「あなたがお探しの魂はこれですかな」 彼のタブレットの中には鰐川火山丸らしき男がいた。

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おかんの旅路⑥ 豊科 長野県安曇野市南東部 一般的な長野県の街。住宅地の中にドクタークロの研究所兼自宅がある。近くのスーパーにはよく人造人間が買い物に来るらしい。

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おかん286 「鰐川火山丸の魂ですが特別に百万円で譲ってあげますよ。当然払いますな、今年中に呪いで死ぬ訳ですし」 「あんた全部知ってたんだね。いいよ、この拳で全部払ってやる」 「ならこのシャーマン・シシャモスが今殺してやる」 例のタブレットが高速回転飛行しながらおかんを切り裂く。

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おかん287 シシャモスはタブレットをラケットにしてエネルギー弾で壁打ちしてきた。 「くらえシャーマン名物タブレット殺法。タブレットには百の技が記録されているのだ」 「こうなったらホワイトおかんになるぞ」 「無駄だ。必殺巨竜破鎚」 おかんはタブレットの角で殴られ、吹き飛んだ。

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おかん288 おかん達はタブレットから出る酢飯の臭いに追い込まれていた。 「最期はタブレット炎でお前達を焼き尽くしてやる、くらえ」 しかし、タブレットからは小判しか出てこなかった。 「なんだこれは」 「そのタブレット、ハッキングさせてもらったよ」 ムーンライトさだみつである。

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おかん289 「苦労したよ飯田市でパソコンを探すのは」 ハッキングされたストレスでタブレットは爆発。飛び出してきた鰐川火山丸の魂をムーンライトさだみつが瓶に詰めた。 「タブレットが使えないお前なんか鳥雑炊じゃ」 シシャモスは巨大なたくあんで殴られ吹き飛ばされた。 「ぎゃあああ」

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おかん290 シャーマン・シシャモスは討伐され、瓶に詰められた鰐川火山丸の魂は抹茶塩で浄化された。 これでベイブの呪いも無事に解除されたので生き残った債務者達と打ち上げに行った。飯田市は飲み屋が何故かたくさんあるので飲む場所に困らなかった。 「今夜は寒いし民家で寝るか」

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おかん291 「よし、この家だ。鍵も開いてるな」 とか言いながらおかんは民家に入ろうとしていた。 「ヤバイよおかん。不法侵入は犯罪の臭いがするよ」 焦るムーンライトさだみつを気にもせずおかんは民家の扉を開けた。 中にいたパンダにプロレス技をかけられてるじいさんと目があった。

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おかん292 「おお、おかんか。久しぶりだな」 「なんか玄関の掛軸変わったね」 「カタパルトタートルにしたんだ」 じいさんと普通に会話していたのでムーンライトさだみつは混乱した。 「ちょっと待ってこのじいさん誰なの」 「誰ってお父さんだけど」 「ええええ」 「魂の帰る場所編」完