『黒憺たる夜に』4

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水ようかん @mzyukn_0809

アリアナは暫く黙っていたが、やがて絞り出すようにして問いかける。 「……私はどうして生きているのですか」 「アンタはどういうわけか健常者だった。慰藉する必要がない」 「……殺さない理由ではなく、こうして、私独りだけ生かされている理由を教えてください」 「どういうことだ」

2018-04-25 00:38:48
水ようかん @mzyukn_0809

「私も家族と一緒に、殺してくれればよかったのにと言っているのです!」 彼女は立ち上がり、叫んだ。 ユーリは突然のことに動揺と驚愕を隠せず、打たれたように少女を見ることしかできなかった。 彼女の瞳は元より、顔や耳まで赤くなっているように見えた。

2018-04-25 00:40:08
水ようかん @mzyukn_0809

自身の声ではっとしたように、アリアナは再び座り込む。 「……すみませんでした」 ユーリはやはり言葉を返せずに、二丁目の解体に手をつけることしかできなかった。

2018-04-25 00:41:32
水ようかん @mzyukn_0809

【以上。感想はリプなりお題箱なりで送ってくれれば、俺は生きるのを許され実存を獲得し話の続きを書くだろう。何もなければただ野垂れ死ぬ。生殺与奪は諸君の手に】

2018-04-25 00:42:36