「経済学的な家族ツイート」まとめ その55

"史上最強の生徒会"が次に狙いを定めたのはスポーツだった。メンバーを集め、サッカーチームの県大会出場を阻止するために暗躍し始める。一方、はじめて明かされる転校生の驚くべき過去。彼は敵の攻撃を防ぐべく生徒会と共同戦線を張ることに・・・。戦線拡大が止まらない、シリーズ第55弾公開!
0
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想1:息子「あの女って・・・」 転校生「そこのカフェから足早に出て来た髪の長い女のことだ」 息子たち(生徒会長のことだ・・・) そこから息子たちはここに至るまでの経緯を語った。息子が彼女のスカウトを断ったこと。校舎の建て替えでのいざこざ、先ほどまでの激闘について。

2018-04-30 23:55:39
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想2:何も言わずに説明に聞き入る転校生。 息子「・・・なぁ、逆に聞かせてくれないか?彼女は君とどんな関係があったんだ」 そのまま鋭い目つきで虚空を見つめる転校生。重苦しい沈黙の後、 転校生「あいつは・・・」 転校生「俺の転校のきっかけになった、元同級生だ」

2018-04-30 23:57:37
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想3:息子たち「!!!」 転校生「・・・もっといえば、俺はあいつら生徒会のメンバーの一人だった」 転校生「あいつは小学生時代から全国各地のエリートを集めて生徒会を組織し、学校改革を進めていた。あいつの行く学校は親からの多額の寄付金も入って校長たちも大喜びだ。」

2018-05-01 00:02:12
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想4:転校生「あいつが中学に上がったときに、同じ学校だった俺は目をつけられて、生徒会に入った。今までにない改革も次々と実現して、それなりに楽しい日々だった・・・」 「風向きが変わったのは加入から半年が経ったときだ。物事には"変える段階"と"定着させる段階"がある」

2018-05-01 00:05:38
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想5:転校生「全国各地のエリートにより実行されていた改革は、奴らの個人技でその後の運営もされていた。このままでは誰か一人でも欠けたら回らなくなる。そんな危惧を抱いていた俺は凡人でも回せる仕組み作りの重要性をあいつに訴えた。そしたらあいつ・・・何て言ったと思う?」

2018-05-01 00:08:02
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想6:転校生「『そんなまどろっこしいことはいらない。ついてこれない人間は放っておけばいい。代わりはまた私が連れてくる』だってさ・・・。じゃあ、お前が卒業した後はどうなるんだって話だろ?」 「気になってあいつが昔に通ってた小学校を見に行ってみた。酷い状況だったぜ」

2018-05-01 00:10:49
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想7:転校生「あいつが卒業すると同時に寄付金はストップ。大量に投入されたデジタル機器も、使いこなせる人間がいなくてただの置物になってる。おまけに、エリートたちの個人能力を前提に運営されていた制度も、悉く瓦解した。今は相当な苦労をしながらリハビリしてるらしい。」

2018-05-01 00:14:28
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想8:転校生「あいつにとって欲しいのは"速く走れる人材"であって、"ゆっくりと既存の仕組みを固めてゆく人材"というのは無能な人間という括りに入るらしい。その件で俺はあいつと相当な大喧嘩をした。そして、次の日から・・・」 俺はあいつにとって"敵"と見なされるようになった

2018-05-01 00:17:20
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想9転校生「生徒会役員を解任され、それに付随していた特権も悉く剥奪。全校生徒の人間関係から切り離され、教師からも存在を無視されるようになった。まあ、それ自体は何とも思ってなかったが・・・問題は母親のほうだ」

2018-05-01 00:21:54
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想10:転校生「学校行事、PTA関連のの事務連絡などから、母親同士のコミュニティまで、うちの母親も完全に切り離されていた。おそらく俺を攻撃するより、親に攻撃した方が効果的だと判断したんだろう。学校も多額の寄付金を貰ってるからこの件に関しては口を挟めない」

2018-05-01 00:24:09
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想11:転校生「頭にきた俺はあいつのクラスに一人で殴り込みに行ったさ。せめて一太刀浴びせないと気が済まないってな。しかし、暴行という決定的な行為に及んだ時点でジ・エンド。あいつの狙い通り、俺は転校を余儀なくされたって訳だ」 青ざめた顔で話を聴く息子たち

2018-05-01 00:26:58
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想12:転校生「お前もあいつに誘われたんだろ?その話を聞いて思ったよ。ああ、あいつはまた同じことを繰り返してる、ってな。黄金期はあいつがいる3年間だけだ。本人は英雄と持て囃されてさぞかし気分がいいだろうな。だが、あいつが大人になっても学校は続く。」

2018-05-01 00:30:45
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想13:転校生「残された人間の視点はあいつには"考えるに値しない瑣末なこと"なんだ。そして、お前はあいつの誘いを断り、顔を潰した。おそらくあいつはお前を"敵"とみなし、地の果てまで追い詰めてくるだろう。ここまでの攻撃はまだまだ序の口だな。」

2018-05-01 00:33:05
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想14:悪友「・・・ここまでが、序の口?」 げっそりした顔をする悪友 転校生「あいつがスカウトしてくる人材は、基本的に一人で学校を支配できるぐらいのレベルだと思った方がいい。俺の知る限り、"もっとずっとヤバい奴"も何人かいる。こちらも策を講じた方がいい」

2018-05-01 00:38:08
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想15:息子「・・・というわけで、彼は生徒会のサポーターとして参加してくれることになった。一緒に生徒会の今後の動きについて話し合いたいと思う」 会議室に集まる生徒会役員たちと転校生 転校生「まず大前提だが、奴らは敵とみなした相手を徹底的に攻撃し続ける」

2018-05-03 14:23:32
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想16:転校生「ここまでは生徒会やカフェのコミュニティなど、ある程度繋がりの強い部分を攻撃していた。失うものが大きければそれだけ大きな喪失感を与えることができるからだ。しかし、立て続けに防がれた以上、今度は繋がりの弱い部分に矛先を変えてくるはずだ」

2018-05-03 14:27:49
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想17:美化委員「私たちと関わりがあって、繋がりの弱いところって・・・」 息子「・・・部活動だな」 役員たち「!」 息子「それも、俺自身と対立関係にあるサッカー部が一番可能性が高い。彼らは俺や生徒会が協力するといってもおそらく受け入れないだろう」

2018-05-03 14:34:20
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想18:体育委員「確かサッカー部はあの騒動の後で、地区大会も結構勝ち進んでたよな。そろそろ県大会も視野に入ってる筈だ」 息子「そこは間違いなく阻止しにくるだろうな」 転校生「それだけだと普通に試合で負かすだけだろ。さらにいろんな手段で攻撃してくる可能性が高い」

2018-05-03 14:37:41
本の虫(本体) @honnomusi

経営学的な転校生の回想19:風紀委員「・・・でも、私たちがここでプランを考えても、彼らは受け入れようとしないんでしょ?どうやったら助けられるの?」 転校生「・・・そこでだ」 身を乗り出す 転校生「・・・俺に考えがある」

2018-05-03 14:42:35
本の虫(本体) @honnomusi

建築学的な作戦会議1:生徒会長はエレベーターに乗って自分の部屋に上がる。 "史上最強の生徒会"には、学校内に一人一つ特別な部屋が割り当てられている。上から見ると碁盤の目のような3×3の部屋割りになっており、真ん中に生徒会長の部屋があり、それを取り囲む形で各生徒会役員の部屋がある。

2018-05-03 14:51:22
本の虫(本体) @honnomusi

建築学的な作戦会議2:隣り合う生徒会役員の部屋は互いにドアで繋がっている。親和性があり、交流を深めることでシナジーが生まれるような生徒会役員同士が隣になるように組まれている。 ドアを開けると、既に2人の役員が席についていた。 建築少年「やあ、久し振りだね」

2018-05-03 14:58:12
本の虫(本体) @honnomusi

建築学的な作戦会議3:生徒会長(生徒会の役員室の設計を考えていたとき、評判を聞きつけて彼をスカウトしてきた。意図を伝えると彼はサラサラとその場でスケッチブックに今の構想を書き上げた。彼が手がけるデザインは単なる建築設計に収まらない。そこに関わる人の動線や生活習慣にも影響を与える)

2018-05-03 15:04:09
本の虫(本体) @honnomusi

建築学的な作戦会議4:生徒会長はかつての彼の言葉を思い浮かべる。 『人が変わるには三つのやり方しかない。住む場所を変える、時間の使い方を変える、付き合う人を変える、だ。それら全てに影響を与えられるのが建築でありデザインだ。面白いよ、自分の作ったものが人を変えるのを見るのは』

2018-05-03 15:08:07
本の虫(本体) @honnomusi

建築学的な作戦会議5:建築少年『どんなに凝ったコンセプトの建物を作っても、それが周りから浮いて一つの芸術作品になってしまっては意味がないと僕は思う。建築家の実績にはなるかもしれないけどね。それよりも、人の生活に深く入り込んで、生き方を変えてゆくデザインをやってゆきたいんだ』

2018-05-03 15:11:13
本の虫(本体) @honnomusi

建築学的な作戦会議6:数学少女「珍しいわね。役員をまとまった人数招集するなんて」 生徒会長「相手が思ったより粘り強かったのよね。だから、そろそろ本腰を入れることにするわ」 声「・・・へえ、君にそこまで言わせる奴らなのかい・・・」 数学少女「!!!」 少年は後ろから数学少女をハグする

2018-05-03 15:15:44