自由を捨てて「権威への服従」を自発的に選ぶ心理について

表題に関連するツイートをまとめました。人はなぜ、自分の手にした自由を自らの意思で捨て、「上の言うことに疑問を抱かず、ひたすら服従する道」を選ぶのか。それによって、何を得ようとしているのか。そんな国民が増えると、社会はどんな風に変化するのか。それと同じような社会の変化が起きた過去の事例では、最後にどんな結末を迎えたのか。また同じ結末に向かって進んでいる可能性はないのか。 諸々の問題について考える上での参考にしていただければ幸いです。 また、以下のまとめも関連する内容を扱っていますので、合わせてお読みください。 続きを読む
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

先週の月曜日(4月9日)から昨日(現地時間で4月19日)まで、取材を兼ねた旅行でドイツとチェコ、オーストリアに行っており、今日の昼頃に名張へ帰ってきました。今回はまずベルリンで四泊し、三日目からはレンタカーを借りて、ザクセンハウゼン、ヴァンゼー、ポツダム、ヴュンスドルフ、ドレスデン、 pic.twitter.com/UEGyCbZrBZ

2018-04-20 19:41:58
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

今回の旅の間、飛行機やホテルで隙間の時間に読んだのは、エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』(東京創元社)。自由という言葉の反語はいくつかあり得るが、「権威への服従」という観点は重要だと思う。今の日本社会で顕在化する「戦前的価値観への回帰」も、権威主義時代への回帰と言い換えられる。 pic.twitter.com/uGDGZYzGon

2018-04-21 16:05:35
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

1930年代のドイツで、なぜ「第一次大戦の敗北で帝国の権威から解放された」ドイツの人々が、手にしたばかりの民主的手段で「新たな帝国の権威」に従属する道を選んだのか。この問いに対する、実効的な(つまり当事者としての)答えを得るには、現象としてのファシズムをただ批判するだけでは足りない。 pic.twitter.com/tA7FewmgA1

2018-04-21 16:07:30
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

自由とは「人間の独自性と個性とにもとづいた積極的な自由の完全な実現」を求める人間には魅力的だが、それよりは「強大な権威に服従して自分もその権威の一部になること」の方がいいという人には、自由とは権威をむやみに傷つける邪魔な存在でしかない。今の日本でも、両者の対立が顕在化しつつある。 pic.twitter.com/ExhLqThXKs

2018-04-21 16:09:35
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

ドイツでは、ヒトラーとナチスがいかにしてドイツ国民の心を掴んだかという説明をあちこちの博物館で目にしたが、改めて強い印象を受けたのは、当時の写真に写る「ナチス従属者たち」の晴れ晴れとした笑顔と充実した表情。権威への服従という道を選び、権威と一体化して自分の価値も高まったと感じる。 pic.twitter.com/0GRoemGteZ

2018-04-21 16:15:06
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

権威への服従という道を選び、権威と一体化して自分の価値も高まったと感じる人々にとって、従属する権威が絶対化すればするほど、自分の価値も高まると感じる。それゆえ、権威に傷をつけるような言動をする人間は許せない。自発的に懲罰し、社会から排除する。特定の敵への攻撃が権威として成立する。 pic.twitter.com/u6X5iRc5bk

2018-04-21 16:17:13
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

権威への服従を思考と行動の土台に埋め込んだ人々は、集団の中で権威化された価値判断基準に疑問を抱かない。ただ権威に従う形で、その価値観に沿う行動をとる。なぜあれほどの非人道的行為を為し得たかは、当時の人々が共有した「権威の力」を無視しては説明できない。人は簡単に、権威の奴隷になる。 pic.twitter.com/ylvFfq78Xx

2018-04-21 16:19:22
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

今の日本で続発する、社会の病理を示す出来事も、そのほとんどは「権威への服従」という側面が大きいように思える。官僚の忖度とは、特定政治家への配慮というより、特定政権という「権威への服従」であり、辞めるべき首相や大臣が辞めないことを許す社会の態度も同様の「権威への服従」の原理だろう。

2018-04-21 16:22:06
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

性的加害(セクハラ)者の居直りも、そんな事例を黙認する男性が多いことも、男尊女卑を前提とする男性上位者の「権威への服従」が根底にある。上位者が女性で、性的加害に厳しい態度を取る企業なら、男性社員の態度も変わる。自国優越の思想と男尊女卑が一体化した人が少なくないのも不思議ではない。

2018-04-21 16:24:52
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

子どもの頃から「権威への服従」という思考と行動の原理を脳みそに植え付けられた人は、権威者の敷いたレールの上を走る貨車のように、決まった観点からしか物事を見ない。「現状の権威」に刃向かう人間への罵倒や言いがかりがパターン化するのも当然で、権威が用意した現実の解釈をただ鵜呑みにする。

2018-04-21 16:26:39
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

大正時代の日本軍では、部下の兵士に横暴に振る舞う将校が、徒党を組んだ兵士によって暴力的手段で報復される事例もあった。しかし1935年の天皇機関説事件と国体明徴運動のあと、昭和初期の日本軍では「上官の権威」が絶対化し、部下の兵士への暴力が日常化した。権威への従属が、組織の体質となった。

2018-04-21 16:29:16
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

昭和初期の日本軍や日本社会においても「皇軍」や「国体」という絶対的権威に服従し、権威と一体化して自分の価値も高まったと感じる人々が多数派であり、従属する権威が絶対化すればするほど、自分の価値も高まるという高揚感を味わっていた。大正デモクラシー時代の「自由」から、日本国民も逃れた。

2018-04-21 16:31:41
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

戦前日本と現在との類似性を「戦前回帰」という言葉で表現することに、形式的・皮相的な観点で反論してくる人はいるが、社会の構造を「権威への服従」が支配した時代へと回帰させる上で、戦前の国体思想の世界観や死生観は、今なお「権威」として再利用可能な威圧力を保持している。警戒が必要だろう。

2018-04-21 16:35:26
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

こんな事件が続発する社会になってきた。「現状の権威に刃向かう相手は攻撃しても許されるという空気」に追従しているのが特徴的。特定方向にのみ「力」が働いている。1930年代の日本やドイツと類似する面があるし、冷戦時代の「親米反共右派独裁国」でも同様の事例があった。asahi.com/articles/ASL4P…

2018-04-21 16:38:00
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

「国家主義」や「国防という大義名分」が過度に権威化された社会では、それを批判する人間を「左翼」や「共産党」と定義・分類すれば、何を言っても、何をしても許されるという暗黙の空気が次第に醸成される。そうした行為は「国の権威のお墨付き」を得ているという錯覚が、有形無形の暴力を誘発する。

2018-04-21 16:40:32
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

権威への服従という道を選び、権威と一体化して自分の価値も高まったと感じる人々は、自分が従属する権威が「敵」と見なす相手を痛めつけることを容赦しない。権威の代理人と自分を見なす人間は、自分が従属する権威が「左翼」「反日」「共産党」等の属性を貼った相手を、何の疑問も抱かず殴りつける。

2018-04-21 16:42:53
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

統幕3佐暴言に波紋(朝日)asahi.com/articles/ASL4M… 「3佐の暴言が明らかになった17日、小野寺氏は報道陣に『若い隊員なので様々な思いもある』と3佐を擁護」自衛官トップの河野克俊統合幕僚長「最低限、暴言ととられる発言があったのは事実」組織上層部の認識の甘さも戦前の風潮とよく似ている。

2018-04-21 16:47:27
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

長尾たかし議員はアクティブな日本会議系国会議員の一人だが、彼個人の人間的資質に加えて、こうした態度をあからさまに取ることが、彼の属する集団やそこで尊重される「権威」への忠誠心の表明になっている事実にも目を向ける必要がある。男尊女卑の思想が忠誠の証しになる。 twitter.com/takashinagao/s…

2018-04-21 16:50:37
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

これも同じ。彼らが属する集団やそこで尊重される「権威」が、どんな価値観によって支えられているか、そのグロテスクな様相が露呈してしまっているが、真下から支える人間たちは、その醜さを客観視できない。こんな集団が実現を目指す社会がどんなものか、容易に想像できる。 twitter.com/logicalplz/sta…

2018-04-21 16:54:40
ろじ @logicalplz

百田尚樹、朝日新聞の女性記者に対する性犯罪を予告。 pic.twitter.com/LMC9BifwHU

2018-04-18 20:54:07
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

男尊女卑の思想に加え、それを前提として振る舞う上司や、その振る舞いを「暗黙のルール」として共有する集団の「権威」に、無自覚に服従・適応するのをやめる男性社員が増えない限り、問題の根本的な解決は遠い。権威への従属は大抵無自覚に行われるので、覚醒が必要になる。kanaloco.jp/article/325857

2018-04-21 17:11:31
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

この記事に出ている「道徳教育」としての野球の話も、権威の上下関係や組織の論理に黙って服従する思考と態度が「道徳的」だと子どもに錯覚させる「政治教育」に他ならない。戦前戦中の国体思想で「個人」の判断を否定した論理とも通じる。権威主義的な政治教育を行っている。 dot.asahi.com/wa/20180413000…

2018-04-21 18:40:34
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

この週刊朝日の記者は「個人プレーとチームプレーのどちらを優先すべきか。悩ましいテーマ」と書いているが、全然違うだろう。特定の状況に置かれた時、個人として「正しい判断」を下した選手を懲罰的に排除する。個人として是非を判断せず、ひたすら組織の権威に服従する人間を育成しようとしている。

2018-04-21 18:46:08
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

麻生太郎氏がなぜこんなことを言うのか。権威主義的な人間は、自分が相手を馬鹿にして見下す態度をとることで自分の権威を保持しようとする。財務相としての任命責任を問うた女性記者を「あなたは私に任命責任を問うているのか」と睨みながら何度も復唱して恫喝したのも同じ。 twitter.com/tohohodan/stat…

2018-04-21 18:52:28
山崎 雅弘 @mas__yamazaki

昨日放送されたNHK「クローズアップ現代」は、政府が意図的に不完全な形で「現場に丸投げ」している道徳教育と称する権威主義教育の問題点を浮き彫りにする、よい内容だったと思う。子どもの評価には繋げないという形式だが、教師の評価には繋がるので、教師側はオドオド、ビクビクと萎縮している。 pic.twitter.com/GSXBPgqq7O

2018-04-24 19:02:02
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki

NHK「クローズアップ現代」で、NHK社会部記者は学校での道徳の教科化が「戦前の日本で道徳的価値を教えた修身教育」と同質であることをきちんと指摘していた。戦後の日本の教育では「軍国主義を推し進めた教育」として否定されたが、「いじめ対策」という大義名分のもと、安倍政権下で復活した。 pic.twitter.com/c8jfAvxeXS

2018-04-24 19:06:09
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