アーセン・ヴェンゲルの真の姿 (タイムズ、2018.5.11 by Matt Hughes)

mygunner @mygunner98

もしも往年の習慣をやめないのであれば、明日の最終戦からの帰りのバスに乗ったとき、ヴェンゲルは運転手にレバンテvsバルセロナの中継を見せるように言うだろう。数時間後家の近くのイタリアンで食事をするだろうが、1239試合目の試合に負けたらそれはないだろう。(タイムズ)

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長く勤める同僚は言う。「負けたら彼は外出しない。例え客が来ても口をきかない。負けた理由を見つけるために試合をじっくり振り返って、2日後にやっと相手の方がいいチームだったことを認める。」(タイムズ)

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親しい友人は言う。「彼はサッカー隠者だ。彼の車は売り出されたらロンドンでもベストの中古車になるだろう。全然走ってないからね。毎日家と練習場の往復、2週間に1回スタジアムに行くくらいだ。」(タイムズ)

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彼はサッカーへ没頭するのと同じくらい自身の健康と体力維持にも気を遣っている。68歳で就任時と同じ体重75kgを維持。これは厳格な運動と、サラダ少量とたまに赤ワイン1杯とチョコレート1つという厳しい食事制限の賜物だ。(タイムズ)

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ヴェンゲル宅によく行くもう一人は言う。「彼が毎朝起きて第1にすることはストップウォッチを身につけることだ。まるで彼自身がスイスの時計みたいだよ。全て完璧に時間を計っているんだ。」(タイムズ)

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朝は家のジムでの45分の運動で始まる。夏にはこれに水泳と自転車がつく。昨夏に転んだ時、この街中自転車乗りは一時中断された。幸い怪我はなかったが、転ぶ原因となった車の運転手は、立ち上がった人が誰かとわかって、転んだ本人よりもビックリした。(タイムズ)

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ヴェンゲルは8:30amぴったりに家を出る。9:00amちょっと前に練習場に着く。まずはスタッフ会議でその日の練習計画と目的を説明する。練習は10:00amから。必ず姿を現し全てに関わる。22年間一度も休んだことはないと長年勤める裏方は証言する。(タイムズ)

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昼食後は練習の録画を見てスタッフや選手と会議。選手はいつでも歓迎で、ヴェンゲルのオフィスのドアはほぼずっと開いている。だが彼と選手の会話は多くの場合練習に行く時や練習中に交わされる。近年はボールドがチーム会議を開き、ヴェンゲルは一人一人へのガイダンスを担当していた。(タイムズ)

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練習場とスタジアムへの誇りは強く、そこで働くスタッフへいつも敬意を払っている。外交センスがあるため、お互いに仲のよくないクロエンケとウシュマノフともうまくやっていた。毎年クリスマスにはウシュマノフから贈り物があり、ヴェンゲルが中身を練習場のワーカーに配る。(タイムズ)

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スタッフは言う。「ヴェンゲルは練習場を歩きながら全て完璧な状態にあるかチェックする。最近新しく木が植えられた時、整備員に常に状況を尋ねていた。整備員の代表とは仲が良く、冗談を言って笑い合うほど。本当に人間味のある人で、全警備員とも話をするし仲が良かった。」(タイムズ)

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夜も、サッカー観戦とドキュメンタリー番組か政治番組と決まっている。気持ちは常に将来にあるため、彼の家は皆が想像するようなサッカーミュージアムにはなっていない。トロフィールームもなく、書斎に昔のチームの数枚の写真があるだけだ。うち一枚は有名な無敗チームのもの。(タイムズ)

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彼の日常に詳しい人は言う。「いつも家には6:45pmに着く。サラダを作るか、近くのウェイトローズに行く。7:45pmにサッカーの1試合目を見始める。その後、他の試合のハイライトを見る。」(タイムズ)

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「彼の家のラウンジには大きなスクリーンがあって常にサッカーの試合が映っている。サッカーは楽しみで見てることもあるが、分析もしている。サッカーが終わったら、政治番組を見るか、伝記を読む。」試合が終わったら本能的にまずは他の試合を探す。例えアーセナルの試合の直後でも。(タイムズ)

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スタッフメンバーは言う。「アウェーからの帰りのバスに乗ったら「スペインサッカーの試合をつけてくれ」と言う。サッカー、サッカー、サッカー。彼が見てない試合も知らない選手もない。スタッフが彼を試そうとアフリカの試合とかを持ち出すと「ああ、それは観た」。よく知ってるよ。」(タイムズ)

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サッカー気狂いだがヴェンゲルは他の幅広いテーマについてもよく読んで知っている。特に政治と経済。自身の政治信条は明かさないが、友人達は、生家は中道左派の彼をリベラル派とする。昨季の終わり、試合後に仏大使館に直行して、大統領選で反ル・ペンに投票した。(タイムズ)

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アーセナルの同僚は言う。「彼は政治についてよく話す。本心は明かさないが自分は彼は社会主義者だと思う。アニマル・ライト、地理、ファイナンスについても話す。多くを読んで、ドキュメンタリーもよく観てるに違いない。株式市場も追ってるし、金融市場のこともよく知ってるよ。」(タイムズ)

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ヴェンゲルは無神論者だが、4年前に平和祈念試合で大司教に会う機会には感激していた。例えそれが移籍市場最終日でアーセナルがウェルベックの取引中だったにも関わらず、試合に行く必要性が高いことを主張していた。(タイムズ)

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旅行に行けば世界中のイベントでの講演会に招待される。グローバル企業の非執行役員のオファーが来る。特に中国に人気がある。北京に行った時はジャッキー・チェンにカラオケに誘われ、丁寧に断っている。(タイムズ)

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仕事熱心なヴェンゲルの唯一の定期的な休暇は夏の南仏での2週間。大抵、元妻のアニーと一緒だ。彼らは非常に仲が良く、先週日曜のエミレーツでの最終ホーム戦にはアニーと、ケンブリッジで獣医学を学んでいる娘のリーも来ている。その後40人の親しい友人とディナーもした。(タイムズ)

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彼の取り巻きは小さく、殆どがストラスブールとモナコ時代からの親しい友人達だ。大きなイベントは避けるが、プレシーズンには裏方スタッフとの食事会をホテルで催し、選手がクリスマスパーティに行く日にはクリスマスドリンクをスタッフと嗜む。(タイムズ)

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お祝いは練習場での数杯のワイン程度で、やり過ぎないのは彼らしい。「アーセンはロンドンに22年住んでるけど、家からピカデリーサーカスまで運転もできないよ。」友人は言う。(タイムズ)

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明日の夜から新しい世界がヴェンゲルを待つ。この国の首都などどうでもいい。でも、人生を再構成しようとして、彼はまず、仕事に戻ろうとするだろう。(タイムズ)