出紗まとめ

藤原美桜 @sovereignsorrow

気まぐれで気分屋ではあるけれど、そうなる原因も傍で見ていればさほど分かりづらいものでもない。大きな猫が一匹迷い込んできたようなものだ。いまみたいにこうして誰もいない部室の日当たりのいい場所で体を丸めて眠っている姿は、黒猫が人の姿をとって現れたような錯覚に陥らせる。

藤原美桜 @sovereignsorrow

足音を立てずに眠る一紗のもとへと歩み寄る。探していた学ランは彼の腕の中でくしゃりと丸められ、胸元に抱え込まれていた。 枕にでもしようと思ったのか、日が落ちて冷えてきたら布団にでもするつもりだったのか。どちらにしてもこの状態では一紗に気づかれずに取り上げることは難しそうだ。

藤原美桜 @sovereignsorrow

もうすぐ最終下校時刻になる。起こして帰り支度をさせれば時間的にはちょうどいいのだろう。けれど幸せそうな表情で眠る一紗を起こしてしまうのも忍びない。 隣にしゃがみこんで長い黒髪に指を滑らせる。気配に小さく表情を顰める一紗に眉尻を下げて、出流は滑らかな頬をそっと撫でた。

藤原美桜 @sovereignsorrow

「……しょうがないな」 どうしても甘くなってしまう声に苦笑してそのまま腰を下ろす。どこからか響いてくる学友たちの声を遠くに聞きながら、出流は再び深く眠ってしまったらしい一紗の横顔を愛しげに見下ろした。

美桜 @shootandsay

【美桜の出紗】 「だから！好きっつってんだろうがァアアア！！！」 #この台詞から妄想するなら shindanmaker.com/681121 元々はこれをすっごい一紗さんが言いそうだなって呟くつもりだった

美桜 @shootandsay

マイクを通した半ば逆切れ状態の渾身の告白は部屋の外まで響いていたのか、ドアの向こうで驚いたらしい店員が固まってこっちを伺っているのが透けて見えた。当人は特に動じた様子も見せずいつもの笑顔で俺を見ている。くそっ、なにか言えって。喰ってかかる寸前で赤い瞳が細められた。 「うん、俺も」

美桜 @shootandsay

(もしあの時子供じみた約束を真剣に交わしていたのなら こんなにも言いようの無い気持ちにならなかったろうか) 雪が降る夕暮れ、美桜の七瀬出流は頭を抱え呟いた。(…そばに居たかっただけなのになあ) あと何度後悔したらいいのかな。 #後悔の話 shindanmaker.com/669359 卒業して離れ離れになる出紗…

美桜 @shootandsay

もう3月も終わろうとしているのに、赤く染まった空からちらほらと白い結晶が舞い落ち始めた。 気温よりも、風が冷たく肌を刺す。吐き出す吐息が色づくのを眺めながら、出流はぼんやりと先程見かけた光景を思い返していた。 ギターを抱えた一紗が、ちょうどコンビニから出てくるところだった。

美桜 @shootandsay

声をかけようと思った瞬間、一紗は後ろから現れた集団に囲まれてしまった。持ち物からして、同じ軽音部の仲間なのだろう。自分が在籍していた頃は見慣れなかった顔ぶれは、どうやら自分の卒業後に入ってきた後輩たちらしい。顔を顰めながらもどこか楽しそうな一紗の姿に、胸がちくりと痛んだ。

美桜 @shootandsay

卒業したあとも部室に顔を出すようにするなんて軽い気持ちで口にしたものの、あれから1年間、出流は母校に足を向けることはなかった。そのことで一紗から何か言われたこともない。……そもそも卒業してしまってから一度も連絡を取ったこともなかった。使われない連絡先は出流の手帳に挟まれたままだ。

美桜 @shootandsay

自分がいれば、一紗はまた他者を排除して孤立してしまいそうだったから。 ……なんて、ただの言い訳だ。本当はこうして、他の人たちの輪の中にいる彼を見る勇気がなかっただけ。 遠ざかっていく喧騒を視界に入れないよう面を伏せる。雪が、靴の先端に落ちて、小さなシミを作った。

美桜 @shootandsay

「……そばに居たかっただけなのになあ」 思わず漏れた言葉が悔恨を抉る。音さえも断ち切りたくて頭を抱えた指先を、冬の澄んだ空気が裂くように撫でていった。

美桜 @shootandsay

貴方は美桜の出紗で『……それを、いま言う？』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

美桜 @shootandsay

唇が離れた瞬間、気だるげな声が呆れ混じりに囁いた。 「あんた、なんで俺なんかに構ってんの」 それを、いま言うんだ？ほんと予測不能で俺を飽きさせない。 「理由が必要か？」 問い返すと思いっきり不機嫌そうに顔を顰められる。そんなところが可愛いからだよ、なんて、当分教えないけどね。

藤原美桜 @sovereignsorrow

出紗のまとめ見返していて、街で見かけたときに声をかけられないのはいずるさんのほう、っていう展開も萌えるよなぁって思った。 そのままずるずる連絡出来ないまま月日が経ち、ある日レコーディングスタジオとかでばったり再開してしまえばいい（そしてそれがきっかけでバンド解散したりとか）

藤原美桜 @sovereignsorrow

美桜の出紗へのお題は ・君の口癖 ・伸ばされた手を払う ・浮気 ・誘われて手を取る です。アンケートでみんなが見たいものを聞いてみましょう shindanmaker.com/590587

藤原美桜 @sovereignsorrow

いまさら気付いたんですが一紗さんより出流さんのほうが少しだけ大きいのね……いつからこの身長差なんだろう。

藤原美桜 @sovereignsorrow

君の口癖 privatter.net/p/3466477 短い出紗。文化祭前に二人で部活延長申請出して練習中、っていう話に全く関係ない設定があったりなかったり。

藤原美桜 @sovereignsorrow

美桜の出紗へのお題【どう足掻いても、結末は変わらないの。/死ぬほど憎んで、僕だけを見て。/君の名前を呟くだけの、無意味な後悔。】 shindanmaker.com/287899 どう足掻いても離れ離れになることは変わらないし、変わらないからこそ憎まれて相手の記憶に残りたいし、残されたからこその後悔、ですね

美桜 @shootandsay

@sovereignsorrow 渡米を告げた俺を見つめる瞳が少しだけ揺れていた。滅多に見られない彼の動揺に、思わず一緒に行こうと口走りかける。高校生には遠すぎる距離だ、そんなこと不可能だって分かっている。期間も決まっていないのに、縛り付けることなんてできやしない。手放さなければいけないと分かっているはずだった。

美桜 @shootandsay

@sovereignsorrow 「これが才能の差なんだよ」 わざと彼が傷つくような言葉を選ぶのは、俺を憎んで欲しいから。愛情よりも憎悪のほうが気持ちは続きやすい。縛れないと分かっていて、それでも彼の中の俺という存在を消したくなくて、あえて抉るような言葉を選んでしまう。 「足掻いても届かないだろうけれど、もし」

美桜 @shootandsay

@sovereignsorrow 一紗が、と彼の名前を唇に乗せようとして声が震える。怒りと、悔しさと、痛みと、そうした感情でも隠しきれていない寂しさを表情に浮かべる彼に、これ以上の言葉をかけることは出来なかった。 別離の言葉すら口にしないまま踵を返す。冬の冷たい空気を、彼の慟哭が深く切り裂いた。

藤原美桜 @sovereignsorrow

美桜の出流が一紗に言ったわがままは「髪を切ってほしい」です。 shindanmaker.com/733842 ピアスの次は髪……。

美桜 @shootandsay

@sovereignsorrow 「一紗、ちょうどいいところに」 昼休み、学食で飯を食い終えて教室の戻ろうとしていたところ唐突に出流に呼び止められた。手招きされるまま、出流がいる未使用の教室に足を踏み入れるとおもむろに鋏を差し出される。意味がわからなくて思いっきり顔を顰めていると、出流が背を向け後ろ髪を束ねた。

美桜 @shootandsay

@sovereignsorrow 「髪が伸びすぎてる気がするんだよね。切ってくれないかな」 「……は？」 なに言ってんだこいつ。そんな態度を隠せずに聞き返すと、出流は俺の反応も気に留めず屈託なく笑う。 「後ろがさ。ストラップかけるときに引っかかって邪魔なんだけど、自分じゃ見えないんだよ」 「だからって、なんで俺」