BUCK-TICKネタまとめ

イイノブ @menopause_69

今日は納品日。 彼は出来上がった商品をワゴンに詰め、フィッシュタンク事務所へと向かった。  基本的な形や色目は決まっているが、櫻井社長の嗜好に合わせ、年々増していく彼の溢れる猫愛を感じさせるものを作らなければいけないのが辛いところ、と彼は語る。

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「やっぱバクチクさんの仕事はキツイね、愚痴ってもしかたないんだけどさ(笑)」  「でも自分が選んだ道だからね。後悔はしてないよ」 「この髪型はダメだ。ほら、すぐにほっかむりに見えてしまう」 彼の目にかかれば、見るだけで出来不出来が分かってしまう。 技術立国日本、ここにあり。

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今、一番の問題は後継者不足であるという 出来に満足できないとその日の営業をやめてしまうという。 30年前は何十もの招き猫工場が軒を連ねたこの街だが、今では職人は彼一人になってしまった。

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問題は冷静にこのグッズは要らんやろと思うけどファンなら財布の紐をゆるめてしまうというボーダーラインを知るのに、5年はかかると、匠は語る。 「自分が敦司を感じるのは勿論だけど、使ってくれる人は敦司をもっと感じてないといけないね」 「出来上がった物は一つ一つ私自身で確認しています」

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ここ数年は、BUCK-TICKのゆるキャラ『シリアス』に押されていると言う。 「いや、ボクは続けますよ。櫻井敦司の見た目魔王なのに思い切り方向性がおかしいグッズを待ってる人がいますから───」 在庫の危険性が高い極端なコラボグッズの灯火は弱い。だが、まだ輝いている。

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「時々ね、わざわざ手紙までくれる人もいるんですよ。またお願いしますって。ちょっと嬉しいですね」 「やっぱねえ、手作りだからこその味ってあるんです。機械がいくら進化したってコレだけは真似できないんです、招き猫ですけども真似できないなんつって（笑）」

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1973年、オイルショックで原料の価格が3倍にまではねあがり、一時は店をたたむことも考えたという。

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「やっぱアレですね、大抵すぐ終わっちゃうんですよ。敦司はカッコいいほうがいいとか、そういうのはシリアスに任せとけとか…。でもそれを乗り越えるグッズもたまにあります。ほら、そこにある櫻井顔面Tシャツやサクライドロップスもそう。そういうのが、これからを引っ張っていくと思うんですね」

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最近では他のバンドのグッズや拡散性の高いSNSでも注目されているという。 額に流れる汗をぬぐいながら、 「シリアスに追いつき、追い越せですかね」 そんな夢をてらいもなく語る彼の横顔は職人のそれであった。

イイノブ @menopause_69

今日も彼は、日が昇るよりも早く生地の整形を始めた。 明日も、明後日もその姿は変わらないだろう。 …そう、招き猫職人の朝は早い。 ───完───

イイノブ @menopause_69

バクチク民話『今井地蔵』

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ある雪深い地方に、ひどく貧しいフィッシュタンカー夫婦が住んでいた。年の瀬がせまっても、DAY IN QUESTIONに行くためのチケットすら買うことのできない状況だった。 そこで夫は、自家製のレギンスを売りに町へ出かけるが、寒い冬なのに薄手なレギンスはひとつも売れなかった。

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吹雪いてくる気配がしてきたため、夫はレギンスを売ることをあきらめ帰路につく。吹雪の中、夫は今井寿に似た7体の地蔵を見かけると、売れ残りのレギンスを地蔵に差し上げることにした。しかし、手持ちのレギンスは自らが使用しているものを含めても1つ足りない。

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そこで夫は、最後の地蔵には今井プロデュースのレオパードパーカーを被せ、何も持たずに帰宅した。夫からわけを聞いた妻は、「それはよいことをした」と言い、チケットが手に入らなかったことを責めなかった。

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その夜、フィッシュタンカー夫婦が寝ていると、家の外で何か重たい物が落ちたような音がする、そこで扉を開けて外の様子を伺うと、家の前に櫻井敦司プロデュース招き猫『来未招猫』に『来未招猫』・『来未招猫』・『来未招猫』・『来未招猫』『来未招猫』・『来未招猫』が計7体も山と積まれていた。

イイノブ @menopause_69

夫婦は雪の降る中、レオパードパーカーを羽織った今井寿とレギンスを履いた6体の今井地蔵が背を向けて去っていく様子を目撃した。この今井地蔵からの贈り物のおかげで、フィッシュタンカー夫婦の部屋は来未招猫だらけで足の踏み場もない新年を迎えることができたという。とんぴん迦陵頻伽のふう。

イイノブ @menopause_69

Q: Twitterでバクチクのファンは櫻井さん今井さんが多いと感じます。しかし、ライブ会場客席の会話に耳を傾けると「推しの英彦」とばかり聞こえるのです。もしかしたらバクチクファンのほとんどが星野ファンなのではないでしょうか。 これは幻聴ではありません。 林: これは幻聴です。

イイノブ @menopause_69

『ONE LIFE,ONE DEATH』の収録曲にホームセンターが混ざってしまった! Baby, I want you. CHECK UP GLAMOROUS 細胞具ドリー：ソラミミ：PHANTOM カインズ Death wish 女神 サファイア RHAPSODY FLAME

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とある休日の昼下がり。 シンプルな外観の一戸建て。その広々としたリビングに陽光がさんさんと幸せそうな星野一家の姿を照らしている。 「シンプルで無地の家にして本当に良かったわね」と妻はリビングでのびのびと遊ぶ子供たちを眺めながら英彦に満足そうに微笑む。

イイノブ @menopause_69

「そうだな」と英彦は彼の取り柄である自然体の優しさで答えたが、「（嘘だ…俺はいま嘘をついている）」と心の中でつい本音が顔をだす。

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…思えば、シンプリィなライフを好む英彦だが、若い頃、インディーズのレコーディングにボーダーの長袖Tシャツを着用し、ここ数年彼がプロデュースしたTシャツにはボーダーの意匠が入っているほど、ボーダーに一家言ある英彦はこう言いたかった。 「本当はしましまのボーダーが好きなんだ」 と。

イイノブ @menopause_69

…でも俺にはもはや家族がいる。 そんな私の複雑な気持ちなど知らないだろう子供たちは「パパー、パパー、パパもやって～」と無邪気に人魚姫ごっこをせがむ。わたしは両手で輪っかをつくり双眼鏡のポーズをして、波打ち際にいるかもしれない人魚を探すふりをする。