ツイッター小説『ノストラダムスの、なつやすみ。』(1)

小説アカウント(@yokobayashidai2 )で毎日7時頃と21時頃に投稿中のツイッター小説『ノストラダムスの、なつやすみ。』をまとめました。
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横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

マーズは泣いていた。「ドラマみたいに雪崩れ込んでな、サークルにも巻き込んだったき、ウチ。けど、けどな。いつになったら、こっちに振り向いてくれるん?」春巻先輩が覚悟を決めて誓えば良かったんだ、永遠に愛する事を。そうすれば僕が抱きしめたまま謝るなんて事しなくて良かったんだ。(1-25)

2018-05-25 06:12:09
横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

部屋の掃除もするなんて言い出さなくても良かったんだ。マーズもマーズで僕よりトカゲを愛してくれれば良かったんだ。僕は初めて母へ「友人の家に泊まる」と連絡した。 その夜。ポカリが飲みたくなった。好きな曲名の出し合いに疲れたマーズをそっと残し、僕は深夜のコンビニへ出掛けた。(1-26) pic.twitter.com/pROLsxzj2o

2018-05-25 06:24:58
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横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

気付けば雨は止み蒸し暑さだけが大気中に残っている。なんとなく空を見上げたが星は見えない。こんな夜は皆、何をしているのだろう。僕は脳内の残響を殺す為、分裂するプラナリアの事を考えた。ふと巡ってた道が春巻先輩と歩いた経路である事を思い出し余儀なく進路変更。一線は超えた。(1-27)

2018-05-25 20:19:57
横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

亡霊を断ち切らなければならない。生乾きのままではいけないのだ、未練も『寒鰤』シャツも。ならば僕が誓えば良い。永遠に愛する事を。僕はまだその境地にも立ててもないがビキナーズラックに怖いものはない。ただ、春巻先輩のような男が無し得なかった事を僕が叶えられるのか。(1-28)

2018-05-25 20:20:27
横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

佐々木は僕を『木の棒で殴れば簡単に支配出来る男』と評した。担任の先生からも褒められるより励まされる事の方が多い僕だった。いやそんな男だからこそ永遠を誓う価値がある とか。 そんな気持ちは眩い六玉の閃光の出現によって遮られた。 (1-29) pic.twitter.com/qLNhAgSNW5

2018-05-25 20:25:25
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横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

閃光はぐるぐるぐる、と僕の周囲を取り囲む。一体何が起こったのだろう。僕は永遠の愛について熟考を重ねていたのだ。初めての夜に。それなのに何、この世界観。閃光って。六つって。どういう回路を巡って、この展開だ。しかし不意打ち喰らって呆然とする僕へ、間髪いれず閃光が僕の胸へ。(1-30)

2018-05-26 07:15:07
横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

飛び込んでくる。込んできたのだ。 その時だった。 『シュラバッビーナァッ!ハァッ!』 シュラバッビーナァッ!ハァッ!的な音速の存在が眼前で手を広げて僕を守った。存在は、どうやら髪の長い女性のようだ。すると先ほどまで僕を狙っていた閃光は、ポヌルーニィッ…と鎮火してしまった。 (1-31)

2018-05-26 07:17:07
横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

「大丈夫?」 音速の存在が声をかけた時、僕は狂った。 「大王さん…?」 そこにいたのは紛れもなく大王さんだった。 「君、は、ああ、演劇部の…。あー、そっか、そっか、なるほどね……」 彼女はは髪をかきあげながら呟いた。それらの表情は今まで僕が見たことの無い顔で。 (1-32) pic.twitter.com/CUT8SCpm25

2018-05-26 07:29:21
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横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

え、あのー、え、あのー、という僕を遮って大王さんは口を開いた。 「これから私、すっごい頭のおかしい事を言う。けど聞いて」 大王さんに迫りくる新たな閃光弾。 「私はこの閃光、人類煉獄の発力体でありサザンジュネーブ計画の動源である『ヌガマバ』を完全粉砕しっ。」 (1-33)

2018-05-26 21:31:58
横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

手刀で真っ二つに割れる光の玉。 「アンチフラヌルスからの刺客でWJGの第五エリア区っ。」 再び現れる閃光弾。 「パラマイア卿および観察隊特選部を破壊せしっ。」 漆黒の銃と化す彼女の右手。 「斬首三昧地獄の六万舞台と呼ばれるぅっ。」 放たれる無数の銃弾。 「世界虐殺機構ぅっ。」 (1-34)

2018-05-26 21:34:19
横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

銃弾によって破壊される光の光。 「恐怖の大王。」 大王さんは呟いた。十八年の潜伏を経て、この世界を破壊しに来た、と。 漆黒の銃と化した右腕を人に戻しながら。 「なんだけど」 その時、彼女は、いつもみたいに笑った。機嫌の良い猫のように。 「これから世界の全部を忘れて。」 (1-35)

2018-05-26 21:37:33
横林大々(よこばやしだいだい) @yokobayashidai2

そんなこんなで。2008年、夏。 人類の行く末は僕の一挙手一投足と、先輩の気まぐれに託された。 (1-37)

2018-05-26 21:45:34

つづく

まとめ ツイッター小説『ノストラダムスの、なつやすみ。』(2) 小説アカウント(@yokobayashidai2 )で毎日7時頃と21時頃に投稿中のツイッター小説『ノストラダムスの、なつやすみ。』をまとめました。 967 pv 1

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ツイッター小説『ノストラダムスのなつやすみ。』第一章終了しました。お時間あれば是非一度ご覧下さい。2008年、忘れられない夏が始まります。 twitter.com/yokobayashidai…

2018-05-26 21:48:17

ツイッターのモーメントでもまとめています。

文芸サークル『バケツズ』 @Baketsu_Enter

ツイッター小説『ノストラダムスのなつやすみ。』 モーメントの方にもまとめていますので、こちらでも是非。 twitter.com/i/moments/1000…

2018-05-26 21:52:58