【シンゴジラ】「口コミを喚起する力」爆発的ヒットの背景にあるのは、この部分だろう。思わず何か語りたくなり人を焚きつけてしまう。

三一十 四四二三 @31104423

の「日本沈没」、エーコの「薔薇の名前」、そして「エヴァンゲリオン」といった衒学の迷宮のような作品の最新作が「シン・ゴジラ」と考えて良いだろう。 ここでは情報は記号であり、質より量で観客を圧倒する仕掛けである。

三一十 四四二三 @31104423

(続き) 人の意見に口を出す… twitter.com/31104423/statu…

三一十四四二三 @31104423

「シン・ゴジラ」に対する山根貞男の強い拒絶反応。私はこれを狼狽ととるが、無数の邦画を冷徹に評価し続けた山根をこれほど感情に走らせた「シン・ゴジラ」とは、いったい何なのか？「シン・ゴジラ」は東宝が連綿と作り続けた同一キャラクターのシリーズの一本であるが、過去のシリーズにすんなり

2016-10-13 08:04:11

三一十 四四二三 @31104423

繋がっていない。 「会議を重ねて怪獣を倒す」という国産怪獣映画の最も単純な骨子を、メロドラマの肉付けなしに拡大したした異常に純化された作品であり、この構造は過去のシリーズのパロディともとれるし、(極端な言い方だが)抽象化ともとれる。その意味において「シン・ゴジラ」はシリーズと断絶し

三一十 四四二三 @31104423

ている。観客はシリーズの流れに身を委ねるように、受動的に映画に接するのではなく、過去のシリーズや無数の怪獣映画から得た情報や残像を駆使して、純化抽象化された「シン・ゴジラ」の世界に積極参加していかねばならない。観客の体験と高度に抽象化された作品が呼応して感動が巻き起こる仕掛けだ。

三一十 四四二三 @31104423

だから「シン・ゴジラ」は、パロディ化、あるいは純化・抽象化された作品としてシリーズから断絶しているにも関わらず、いや、断絶しているからこそ、観客には過去作品の体験や残像が求められるわけだ。普通なら、こんなややこしい作品は観客を選び、ヒットすることはないのだが、これが大評判となる。

三一十 四四二三 @31104423

おそらく過去のゴジラ作品、およびその周辺の怪獣映画に対して思い入れが薄く、残像になるほど鮮明な記憶をもたない山根貞男は、残像記憶で肉付けできない抽象化された怪獣映画を前に狼狽えたのだろう。置いてきぼりを喰らったのだ。対して多くの観客は、山根が思う以上に怪獣映画の残像を有していた。

三一十 四四二三 @31104423

だからこその大ヒットであり、つまり日本人は無意識のうちに怪獣を文化として共有する民族になっていたのであろう。そうした文化から取り残された人(悪い意味ではない)の意見が山根貞男の大批判だと考えれば、そこに狼狽を感じられる理由もわかるというものだ。

三一十 四四二三 @31104423

(続き) シン・ゴジラの欠点。 twitter.com/31104423/statu…

三一十四四二三 @31104423

「シン・ゴジラ」にはいくつか欠点があって、それが許容できない人にとっては、唾棄すべき作品となるようだ。 私がギリギリだなあ、と思うのは「全体にロマンチックに作られてない」ということだ。ロマンチックというのは「空想的で甘美」という意味で、映画にこれを求める人は多い。

2016-08-21 14:45:17

三一十 四四二三 @31104423

「シン・ゴジラ」が空想的であることは間違いないが、甘美であるか？と問うと疑問だ。甘美さは主に登場人物の心性から醸されるのであるが、この映画の人間たちは物語に無駄なく寄り添っているだけで、内面が伺えず実に機械的だ。また多くは多弁であるが、心性を伴った人間同士の葛藤がほとんど生じない

三一十 四四二三 @31104423

ため、潤った人間関係が生まれず、その為か全編、一様に乾いている。おそらく「甘美」であるためには、一定以上の湿度が必要なのだろう。見渡す限りドライな平地である作品は、空想的ではあるが甘美ではない。つまりロマンチックではないのだ。恋愛要素の有無も問題視されているが、湿った人間関係の

三一十 四四二三 @31104423

最たるものが恋愛関係であることを思えば、「シン・ゴジラ」に恋愛要素がないという指摘は、甘美でない＝ロマンチックでない、と言っているのと同じなのだと思う。しかし本作成功の鍵もまたロマンチックであろうとしなかった点にあるのかもしれず、極端なドラマ性の薄さも含めて今後議論されるべきだ。

三一十 四四二三 @31104423

(続き)「シン・ゴジラ」について自己検索すると、かなり真剣に書かれたツイートがいっぱい出てきた。 私は普段、映画と真正面から向き合うような感想はあまり書かないから、これは珍しい。 「さあ、語れるものなら語ってみろ！」 と挑戦状を叩きつけられた感じ。