「情報が確かなら必ずデカブツにぶち当たる。今時そうお目にはかかれないかも」「悲しいね」感慨を漏らすオオトリの顔はむしろ嬉しそうだ。悲しむ想いはジュセーの方にある。粛清対象が消えてしまえば旨味はない。趣味ではないと暗黒マッチポンプを避けてきたことを、彼女は僅かに悔やんだ。12 #e7Ltx
2018-06-17 17:59:47「魔獣退治、となると人手がいるかなあ」イルマの後ろでは、獣のナグルが指示を待っている。「久しぶりにコセンやモズとやりたいな」「僕は別に」二人の意見を聞いたイルマが羊皮紙を手渡すと、ナグルは外へ駆けていく。13 #e7Ltx
2018-06-17 18:07:08ジュセトリ 血と暴力だ。イルマちゃんいい上司・・・こちらではナグルが生存しているぞ!誰かが分からせてやったんだなきっと #e7Ltx
2018-06-17 21:33:38「ま、せっかくだし楽しくいこう」イルマはマントを翻す。オオトリ・ジュセーもそれに続き、一向は次のポイントを目指し移動を始めるのだった。14 #e7Ltx
2018-06-17 18:13:13あともず世界の七本槍は人の理を外れていたり人間界では生きていけない性格の人たちが集まって影から人間達を守るダークヒーローみたいな集団…あるいは集団だった設定みたいですね…これはこれですごい好き…個人的にはそういう過去だった、って形にせずにこっちは別ラインで存在して欲しい #e7Ltx
2018-06-17 23:02:46「──はっ!?」「おう、お疲れさん。初めてとは思えん出来だ。君の炎は芸術だな」製炭窯のそばで転がっていたリョーが目を覚ますと、モズが上機嫌で木炭を運んでいた。リョーは炭作りを完遂したのだ。「少し休んだらもうひと仕事だよ。これをジャスに届ける」「ジャスさん……ですか?」16 #e7Ltx
2018-06-17 18:16:40「そう。あいつの作品にはこの炭が欠かせないし、私にはあいつの作品が欠かせない。私たちは互いの力で成り立っている。もちろん、火を貸してくれた君も」「互いの力……はい!」七本槍で唯一の元人間として疎外感を抱えていたリョーは、ここにきてそれをようやく払拭した。17 #e7Ltx
2018-06-17 18:20:02「よう、邪魔するよ」「……斬りかかってこないなんて珍しいな。空でも割れたのか?」工房ではあちこちで炉の火がうねり、絶え間なく鉄を熱している。それらはリョーの瞳にどう映っただろう。「このお嬢さんに一本こさえてはくれんか」慣れた調子で声をかけるモズ。18 #e7Ltx
2018-06-17 18:23:00「あン?」黙々と槌を振るっていたジャスは腕を止め、振り返ってリョーを見た。鋭い視線が突き刺さる。「えっ、あ、あの、お願いします……?」「フム」ジャスは僅かの間リョーを見定めたが、すぐに作業に戻ってしまった。「素材が足りねえな」19 #e7Ltx
2018-06-17 18:25:28「ありがとー!じゃ今回は私の修理依頼にしとくね」機嫌を良くしたモズは黒槍の残骸を素材置き場に積んだ。「は?壊すなって言ったよな」「いいじゃろ~いい炭持ってきたんだからゆるしてよ~」そんな会話を聞きながらリョーは、モズが今日まで無事でいることを不思議に思っていた。20 #e7Ltx
2018-06-17 18:28:34