blue leaves

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❥blue box @sweetblue818

【249】 (アイシテル) 溶け合うようにわたしたちは一つになった。 もう二度と何も忘れることがないように。 互いの温もりを確かめ合った。

2018-06-17 16:59:21
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【250】 *** 穏やかな顔で眠る安巣さん。 その額に触れてキスをする。 優しくて 温かくて とても強いひと。 わたしの大切なひと。 出逢えて良かった…

2018-06-17 17:00:07
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【251】 *** 月明かりがまぶしい。 わたしは、安巣さんと過ごしたその家をもう一度見渡して 頭を下げた。 「長い間、お世話になりました。」

2018-06-17 17:00:38
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【252】 *** (これで良かったんだ…) 真っ暗な中、街灯を頼りに足を進める。不思議なほど気持ちは落ち着いていた。 わたしがここに残れば、安巣さんは過去を背負い続けることになる。負い目を感じながら生きていくことになる。 安巣さんを自由にしてあげたい。

2018-06-17 22:23:26
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【253】 それが、唯一わたしにできること。 「これで良かったの。」 まっすぐに前を見て。 ワンッ! 「フララちゃん!」 顔を上げて近づいてくるフララちゃん。 「お見送りに来てくれたの?」 ワンワン! 「ありがとう。」 フララちゃんの横に腰を下ろす。

2018-06-17 22:24:14
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【254】 「フララちゃん、安巣さんのそばにいてあげて。」 クゥーン… 「お願いね…。」 ギュッとフララちゃんを抱きしめた。 ウゥー… 「フララちゃん?」 ウウゥー…バウッ!! !! 「フララちゃん!待って!!」 一目散に走って行くフララちゃん。

2018-06-17 22:25:21
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【255】 「お願い、フララちゃん!それ、返して!」 どんどん遠ざかる。 「フララちゃんっ!お願い!それだけでいいの!持って行かせて!」 安巣さんと一緒にいろんなものを描いたスケッチブック。 「フララちゃんっ!!」 必死で後を追った。

2018-06-17 22:25:43
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【256】 ** どのくらい走ったんだろう。 フララちゃんはようやく足を止めた。 「ここ…、」 この村に住んで最初に住んでた家。 (すんませぇーん!) (お、良かった。足ついとる。) (安否確認。こんな誰もおらん山奥に若いお姉さん一人で来るとかよほどのワケアリやろぉ。

2018-06-17 22:26:12
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【257】 この辺で何かあったらますます人寄り付かんようになるでな。ここでは止めてや?) (あ、俺“安巣”。“ヤスス”て言いにくいやろうから、“ヤス”でも“あんた”でも何でもええで。) (さっき渡しそびれてんけど、これ。俺の携帯番号。なんかあったらかけてきて。)

2018-06-17 22:26:41
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【258】 (おぉおぉ。怖かったなぁ。遅なってごめんやったなぁ。) (もぉ大丈夫やから。とりあえず、窓も割れてもーてるし。こっから出よ?) 「…ヤだ。」 涙が溢れる。 「離れるの…ヤだ…。」 身体の力が抜けてしゃがみ込んだ。 「嫌だ…安巣さんと離れるの嫌だよ…。」

2018-06-17 22:27:22
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【259】 胸が締め付けられるように痛くて。苦しくて。 「嫌だ…わたし、嫌だ…っ」 「ずっと…一緒に…いたいよ…っっ!」 「おったらええやろ!」 「!」 「おったらええやろ、俺とずっと!」 「安巣さん…、」 「何でやねん!何で黙っておらんようになっとんねん!ふざけんな!」

2018-06-17 22:28:02
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【260】 拳を握りしめて怒鳴る。 「軸になってくれる言うたの、嘘やったん?」 首を振る。 「そばにおってくれる言うたん嘘やったんか?!」 「嘘なんかじゃ…」 「やったら!」 痛いほどの力で抱きしめられる。 「一人で泣くな!」

2018-06-17 22:28:44
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【261】 ** 肩で息をする安巣さんの胸に顔を埋める。 「どこにも行かんといてくれ。」 「俺と、ずっと一緒におって。」 「好きや。」 安巣さん…。 「俺、青葉ちゃんのことが好きや。」 「ずっと俺のそばで笑ってて。」 安巣さんのそばで。

2018-06-17 22:29:26
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【262】 「…安巣さんも?」 「え?」 「安巣さんも笑っててくれますか?」 わたしの、一番の望み。 「青葉ちゃんがおるから笑えるんやろ。」 腕に力がこもる。 「…好き。」 「青葉ちゃん、」 「好き。安巣さんのことが好きです。大好き…、」 やっと、 言えた。

2018-06-17 22:30:05
❥blue box @sweetblue818

【263】 「俺も。」 強く強く抱きあった。

2018-06-17 22:30:55
❥blue box @sweetblue818

【264】 ** 「俺、青葉ちゃんに言うてへんかったことがある。」 安巣さんはそう言うと、手のひらを見せた。 「片方、預からせていただいてた。」 わたしの耳にそっと手を伸ばす。 「返すの遅なってごめんな。」 章くん…。 「青葉ちゃんのこと、大切にします。」

2018-06-17 22:31:26
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【265】 耳元で軽やかに揺れる青葉のイヤリング。 安巣さんが頬を包んで、静かに唇が重なった。 もうすぐ、二度目の青葉の季節が巡ってくる。 pic.twitter.com/7BoygVUVpq

2018-06-17 22:33:54
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【265】 耳元で軽やかに揺れる青葉のイヤリング。 安巣さんが頬を包んで、静かに唇が重なった。 もうすぐ、二度目の青葉の季節が巡ってくる。 pic.twitter.com/7BoygVUVpq

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