稲川淳二の『つぶやき怪談』(2018.06.25)

稲川淳二 @Junji_Inagawa

今でも、その当時のスタッフとお付き合いがあるんですが、 最近ね、面白いこと聞いたんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それほどね、恐いとかの話じゃないんですけど。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その話の場所は、 大きな素晴らしい建物なんですよ、パーラーね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

パチンコ店って言ったってね、 ラスベガスの建物、あれを思いしてください。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ヤシの木があったり、ピラミッドがあったりする、 あの、すごく大きい感じの建物ですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

従業員の数も多いもんですから、 別に、アパートというか、社員寮、従業員寮を作ったんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

大きな食堂があったり、販売機もあったりして、 結構良い生活できるんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そんなある時に、Ｎさんとしときましょうか、 その人が、田舎から出てきたんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

紹介状をもらってね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこで、従業員寮に、 さぁ、入ろうと思ったら、部屋が空いてなかった。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

空いてるって言えば、空いてる部屋があるんだけど、 住人がいないわけではないんだ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

いることは、いるんだけど、いなくなっちゃったんだ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

しょうがないですからね、しばらくここにいてよって言うことで、 その部屋に入ったんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

場所は２階の角部屋なんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、そのＮさんが部屋に入ってみたらね、 前の人の荷物は、それほどなかったんで、 まぁいいかって思って、生活が始まった。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

１日の仕事が終わると、 「よし、飲みに行こうかー」 ってことになった。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

あの、福岡って凄いですよね、夜寝ないんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

私が知ってる、新聞社の人がいるんですが、 この人は、１週間も家に帰らなかったって言ってたんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

仕事が終わって外に出ると、大きな屋台があって、 飲んでると、気がつくと朝になっている。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それで、そのまま会社に行って終わると、 また屋台に行ってってやってたら、 １週間、帰れなかったって言うんですよねぇ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

Ｎさんもね、同じようになっちゃった。 だからね、夜になっても、部屋には、ほとんど戻らないでいる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ちゃんとね、寮で暮らしてないんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

でもね、しばらくして、さすがに疲れたんで、 今日は、ちゃんと寝ようと思って、部屋に帰ってきた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

帰ってきて、外階段、上がろうと思ったら、 外階段の入口のところ、痩せてる３０代の男が立っている。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ジーッと上を見上げてる。