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オルガンミサのお話

鈴木雅明先生解説。まとめてみました。
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Masaaki Suzuki @MSuzukiBCJ

【オルガンミサのお話㉓】さらにこの4曲の調性がE⇒F⇒G⇒Aと進んで、B♭から始まるフーガへの橋渡しとする。「いと高き所にては・・」の3曲の調性F⇒G⇒Aを見てもわかるように、バッハは明らかに調性の順序を意識している。次はいよいよ最後のフーガ。

2018-08-01 01:39:02
Masaaki Suzuki @MSuzukiBCJ

【オルガンミサのお話㉔】4つのデュエットに導かれて、いよいよ最後のフーガに到達。これは前奏曲と同じく3つのテーマから成る5声の3重フーガ。まずは重厚な古様式のモテット風。このテーマB♭⇒G⇒C⇒B♭はもちろんBACHと同じ十字架型のジグザグ。これがT⇒B⇒S⇒Aのやはり十字架型に導入。 pic.twitter.com/ff24s4yx2p

2018-08-01 18:17:02
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Masaaki Suzuki @MSuzukiBCJ

【オルガンミサのお話㉕】この第1テーマを短調にすると平均律1巻嬰ハ短調フーガとなる。これも3つの主題から成るが、調性は♭ではなく♯が4つ。♯は独語でKreuz(=十字架)即ち罪の象徴だが、こちらは3♭なので、罪の世界と正反対の神の栄光への高揚を表す。バッハにおける光と闇のコントラスト。 pic.twitter.com/Zcq3AawGEM

2018-08-01 18:22:49
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Masaaki Suzuki @MSuzukiBCJ

【オルガンミサのお話㉖】第2のフーガは手鍵盤のみ。6/4拍子となって素早いテーマの8分音符が駆け巡る。第1テーマも重なり合って第3フーガに突入。第3テーマの激しい跳躍を伴ったジグに手足が踊る。第1テーマが重なり、さらに変形第2テーマも、天と地の間を上へ下へと駆け巡ってクライマックスへ。 pic.twitter.com/4HIaKXDmiu

2018-08-01 18:27:09
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Masaaki Suzuki @MSuzukiBCJ

【オルガンミサのお話㉗】そして最後に第1テーマが最高音域でE♭⇒D⇒Gと歌う時、E♭とは独語でEsなのでSDG即ちSoli Deo Gloriaが高らかに響き渡って全曲を閉じる。バッハは多くの作品の最後にSDGを記しているが、ここでは文字ではなく、音そのものによってSDGが高らかに宣言される。長い曲集が終結。 pic.twitter.com/X3fYz1ngwS

2018-08-01 18:31:06
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