2018年8月4日

夏休み子どもゾンビ電脳相談室

まとめを日記帳の代わりに使うスタイル
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うえだしたお @YT1093

明日「ざっくり学ぶ日本史 第03回 弥生時代」をやろうと思っていたけれど、最近「カメラを止めるな」が流行っているらしいので、予定を変更して、「Dawn of the Dead(1978)を大いに語る」をやります。 pic.twitter.com/aAjs5TtZQT

2018-08-04 22:41:38
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うえだしたお @YT1093

「ゾンビ:原題 Dawn of the Dead(1978)」を大いに語る、8月5日20時からのスタートです pic.twitter.com/ytXwck2o6X

2018-08-04 22:43:41
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うえだしたお @YT1093

週末の家族サービスで帰宅できずに遅くなりましたが、夏休み子どもゾンビ電脳相談室「Dawn of the Dead(1978)を大いに語る」のコーナーです。 pic.twitter.com/Hf61fFGGid

2018-08-06 00:59:44
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うえだしたお @YT1093

映画には「発表会」と「祭り」、そして「事件」がある。ぼくのおもしろ哲学による分類なのだが、おおむね次のような意味合いを持っている。

2018-08-06 01:08:42
うえだしたお @YT1093

まず「発表会」としての映画は、原作のある小説や漫画、有名な事件や出来事の映画化といった、見ても見なくてもどちらでもよい、行事のような作品を(少し揶揄して)そう呼んでいる。 pic.twitter.com/FMG1XANMzH

2018-08-06 01:13:13
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うえだしたお @YT1093

「祭り」とは、いわゆるサマームービーの類である。大しておもしろくはないのだが、なんとなくフラフラと劇場に足を運んでしまう映画、例えばディザスター(パニック映画)ものだとか、夏休みに合わせて公開されるゴリゴリ剛力のゴリ押し映画も含まれる。例えばコレ、不可能の大安売りじゃん。 pic.twitter.com/KgvkGb7HKU

2018-08-06 01:18:30
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うえだしたお @YT1093

まァ、映画はたいていが「発表会」か「祭り」である。たとえば、この夏に公開される映画のなかで「ゲンボとタシの夢見るブータン」を待ち望むひとはかなりまれではなかろうか。意識と血圧の高い、枯れた活動家のおばちゃんくらいしか前売券を買わないと思う。もっとも、DVDになれば観てみようと思う。 pic.twitter.com/i5zwE8MesQ

2018-08-06 01:22:27
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うえだしたお @YT1093

余談だが、むかし観た「ヒマラヤを越える子供たち」はなかなかの名画だった。鉄面皮のわたくしも泣いた。愛と平和に生きよう、そんな気分が二日ほど続いて三日目に飽きた。 pic.twitter.com/2kbGTbP7xI

2018-08-06 01:26:15
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うえだしたお @YT1093

ところで、「発表会」「祭り」に続く「事件」としての映画とはなにか。これは端的に言えば、社会現象としてのうねりを起こした物語のことを意味している。たとえばイージーライダー、たとえばスターウォーズに、2001年宇宙の旅か。ぼくのなかでは、「インターステラー」などはまさに「事件」だった。 pic.twitter.com/888snbSi1P

2018-08-06 01:37:21
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うえだしたお @YT1093

もちろん、事件は映画にかぎらない。散文の世界や表現、たとえば造形や舞踏の世界にもそうした表現の結晶は見られるのだろう。思想においても同様である。今ではすっかり忘れ去られてしまったサルトルや、いまも色褪せないカミュの「異邦人」など、存在そのものが”事件”となった表現は枚挙に暇がない。 pic.twitter.com/KghnvP2zbO

2018-08-06 01:44:04
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うえだしたお @YT1093

長い前置きになってしまった。今宵は「ゾンビ(1978)」を語る夜である。

2018-08-06 01:44:45
うえだしたお @YT1093

昨年の夏、ひとりの映画監督が死んだ。ルーカスやスピルバーグとは全く異なる知名度でありながら、イギリスの高級紙(左派)、ガーディアンにも訃報が載るほどの人物、それがジョージ・A・ロメロ、ゾンビの父である。 pic.twitter.com/RDSeTjXoxX

2018-08-06 01:47:44
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うえだしたお @YT1093

今宵はなぜ彼の代表作「ゾンビ(1978)」は人を惹きつけたのか、他の凡百のゾンビ映画とはことなり、ホラーという枠組を超えて不滅の金字塔を打ち立てた理由について、アホのうえだくんなりに語ってみようと思う。

2018-08-06 01:50:55
うえだしたお @YT1093

まず、オープニングである。のっけから悪夢にうなされている女性だが、ここは自宅のリビングではない。喧騒にまみれたテレビ局の編集室内部である。TV局ディレクターのフラン(ゲイラン・ロス)は、全米で発生した謎の現象に戸惑いながら、緊急放送を続けている。 pic.twitter.com/FXGI4WwZKs

2018-08-06 01:57:53
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うえだしたお @YT1093

冒頭、俯瞰的な輪郭だけで語る「世界説明」は秀逸である。わたしたち観衆は、唐突に入り乱れる映像を心細くも目で追いながら、次第に、この世界が迎えたであろう、死者たちの夜明けをまのあたりにする。

2018-08-06 01:59:36
うえだしたお @YT1093

テレビ番組での論争は益体もないおしゃべりに終始しており、突然の現象になす術もなくうろたえている。この物語に「なぜ?」「どうして?」といった疑問を語る狂言回しは存在せず、観衆はただ混乱のなかに放り出される。理解より不安を引き受けよ、と言わんばかりの演出である。

2018-08-06 02:05:56
うえだしたお @YT1093

ちなみに、パニック状態で放送を続けるテレビ局のチーフディレクター役では、監督のロメロ自身が出演している。こちらも要チェックなのだ。 pic.twitter.com/Wvud82d9o2

2018-08-06 02:10:19
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うえだしたお @YT1093

フランたちスタッフが不眠不休で放送を続けるなか、ついにテレビ局にも絶望が広がりはじめる。放送中のスタジオを訪れたスティーブン(デビッド・エンゲ)は、恋人でもあるフランに「9時に屋上で落ち合おう」と短く伝える。 pic.twitter.com/eiIaOcT9Cy

2018-08-06 02:13:55
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うえだしたお @YT1093

スティーブンはテレビ局専属のヘリコプターパイロットであり、恋人のフランに安全な場所への脱出を持ちかけるのであった。なお、劇中のあだ名が「flyboy=ヘリ坊や」となっているのは、こうした背景に基づいている。

2018-08-06 02:18:48
うえだしたお @YT1093

テレビ局での混乱を横目に、場面は住宅街の屋上へと切り替わる。世界の混乱と対照的な場面は、皮肉なことにSWAT(警察特殊部隊)においての日常、つまり事件現場からはじまるのだ。

2018-08-06 02:34:44
うえだしたお @YT1093

夜空に浮かぶ三日月のみじかいインサートカットから、SWAT隊員のラペリング(ロープ降下)へと接続する場面転換は、いささか性急ですらある。ところが、こうした演出もきわめて合理的な意図の下でなされている。

2018-08-06 02:49:54
うえだしたお @YT1093

例えば、この物語の全構造を通して、ロメロは過度な説明を省いている。世界の破滅はどのように起きたのか、いかなる経過を辿ってきたのかを、奇妙なことに少しも描いていない。かえって描写を避け、登場人物の口から語らせないことで観衆の不安を呼び覚まし、想像力による補完さえ試みている。

2018-08-06 02:54:23
うえだしたお @YT1093

ウィルヘルム・ヴォリンゲル(1881~1965)はドイツの史家であり、芸術論に優れた知見を残している。なかでも「抽象と感情移入」は芸術への小さな観点を設けてくれるという意味では、一読の価値があるのだろう。 pic.twitter.com/Qw9mmgDLmF

2018-08-06 02:56:14
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うえだしたお @YT1093

彼は芸術の形態を「抽象」と「感情移入」に開いてみせる。抽象とは、表現者が生きた時代や文化を無機質に、やもすれば機械的に抽象することで事物を象徴操作することを言う。感情移入とは、表現者が対象を有機的、かつ主観的に捉えなおす過程をふまえた、事物との関係性さえ組み入れるはたらきを言う。

2018-08-06 03:00:38
うえだしたお @YT1093

ヴォリンゲルによると、芸術とは「抽象」と「感情移入」の往還運動とゆらぎがその本質であるようだ。果たして彼のおもしろ哲学の是非について何かを語ろうという気にはなれないのだが、ナスカの地上絵(抽象)やジャコメッティの彫刻(感情移入)には、たしかに、ことなる動機が働いている予感はある。 pic.twitter.com/stlbGduP3l

2018-08-06 03:07:28
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コメント

語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum 2018年8月8日
日本の映画で未だにアニメの映画版エヴァを超えた「事件」ってないと思ってる。だってあれ未だに未解決だし。むしろ日本が今のまんまな限り永遠にタイムリー。
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