茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2104回「あらかじめ予定されていないヒット」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第2104回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、「あらかじめ予定されていないヒット」について。

2018-08-11 06:31:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

話題騒然の『カメラを止めるな!』を見てきた。とてもよかった。しばらく前から、周囲でみんなが話して、ようやく見れた。このような作品がヒットすることは、映画全体にとっても、とても良いことだと思う。あらかじめ予定されたわけではないヒットこそが、分野を活性化するのだ。

2018-08-11 06:32:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

映画は、(普通に撮れば)多くの予算を使うから、どうしても保守的になる。俳優もスター・システムですでによく知られた人を使い、プロットも、観衆が想像しやすいものになる。それはそれで良いが、映画の宇宙を広げてくれない。

2018-08-11 06:33:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

本当は、配役は、有名、無名の人を含めて、オーディションするのが良い。そうでないと新鮮なニューフェイスが現れない。監督もそう。すべてがフレッシュな『カメラを止めるな!』のヒットは、映画界にとっての快挙で、これで日本映画が活性化すれば素晴らしいことだと思う。

2018-08-11 06:35:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

「あらかじめ予定されていないヒット」があることは、時代の元気を表す。ぼくが子どもの頃は、『黒ネコのタンゴ』や、『およげたいやきくん』など、突然わーっと表れて大ヒットする楽曲が時々あった。あの頃の日本の元気さの表れだったのだと思う。

2018-08-11 06:36:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

もちろん、有名アーティスト、グループの新曲がヒットすることはすばらしいことだけれども、それだけだと分野が活性化しない。「えっ、何その曲!?」とみんながびっくりするような新しい作品が出てくることで、新陳代謝が起こり、時代が前に進む。

2018-08-11 06:37:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

作家の保坂和志さんが、以前、「新人は、その分野に、こんにちはと言って入っていってはいけない」とおっしゃっていた。「こんにちわ」という予定調和ではなく、むしろ、違和感満載でなんだこれはというくらいの新鮮さがあって出ていったものの方が、結果として風景を変えてくれる。

2018-08-11 06:39:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

ひとりの人生の中でも、「あらかじめ予定されていないヒット」は大切で、それで人生の風景が変わっていく。マイブームは、「あらかじめ予定されていないヒット」を通して、新しい世界を学習して、自らの目を開く。なんだこれは、とワクワクするものとの出会いだけが、人生のページを開いてくれる。

2018-08-11 06:40:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第2104回「あらかじめ予定されていないヒット」について、7つのツイートをお届けしました。

2018-08-11 06:41:13