#ちんじふ劇場　【18年8月分まとめ】

青葉⚓C103土曜ユ29b@鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

漣「さすがにオークラセンセーは一家言お持ちですなあ」 秋雲「あたしは本は作るけど、箱を用意する事はできないからねえ」 夕張「そういう意識も大事よ。やってもらっている自覚っていうのも」 秋雲「ともあれ、冬コミもよろしく！」 漣「漣にお任せあれ！」 夕張「協力するわ」 #ちんじふ劇場

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巻雲「ねえ、風雲……」 風雲「はい姉さん」 巻雲「よろしくって、私たちにも言ってる？」 風雲「間違いなく」 巻雲「もうコミケは嫌あ」 風雲「逃げられるものなら逃げたいんですけど……」 秋雲「あ、巻雲。次の本もアシよろしくねん。風雲も売り子よろぴく」 巻雲「嫌あああ」 #ちんじふ劇場

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「ビス子や」 ビス子「なによ？」 「ユーのあの格好はまずいと思うんだ」 ビス子「ただの水着でしょ」 「まあそうなんだけどさ」 ビス子「私がさせてるわけじゃないし」 「お？そんなの？」 ビス子「ゴーヤって娘からよ」 「……ゴーヤ。今日は休みでいいぞ」 58「マジでち？」 #ちんじふ劇場 pic.twitter.com/QfwXGSX1zR

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陽炎「食事？」 吹雪「うん。今晩空けておくようにって」 陽炎「問題ないけど……吹雪はこういうことってよくあるの？」 吹雪「私は秘書艦だからそれなりに」 陽炎「良いわねえ……聞いてたら羨ましくなってきた。行くわ」 吹雪「じゃあ、６時に司令部庁舎前に来てもらえるかな」 #ちんじふ劇場

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陽炎「わかったわ。ちなみに私服でいいの？」 吹雪「公務じゃないから良いと思うよ。私も私服で行くし」 曙「何？どっかいくの？」 陽炎「とーこちゃんが晩ごはん奢ってくれるんだって」 皐月「えーいいなあ」 長月「私はそうは思わん」 霰「緊張する」 潮「ですよねえ……」 #ちんじふ劇場

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陽炎「皆にとってはそうかもだけど、私は叔母と姪みたいなもんよ」 曙「あんたはアイツとはそういう仲なんだし。いいんじゃない」 皐月「曙がそういうなら……」 長月「だなあ」 霰「だね」 潮「はい」 曙「なんでよ！？」 吹雪「アハハ。じゃあまた後でね」 陽炎「了解よ」 #ちんじふ劇場

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午後５時５５分　Acnos艦隊司令部庁舎前 陽炎「ごめん。遅れた」 吹雪「まだ大丈夫だよ」 大淀「ウフフ、海軍は５分前行動ですから。ね」 陽炎「あれ？とーこちゃんは？」 吹雪「赤煉瓦（海軍省）へ会合に行ってるよ」 陽炎「んん？現地集合っていうこと？」 吹雪「そうみたい」 #ちんじふ劇場

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大淀「じゃあふたりとも、車に乗ってください」 大淀が示す先には黒いセダンがある。 陽炎「大淀さんもなの？」 大淀「私は二人のための運転手です。まあご相伴には預かりますけど」 吹雪「すみません。お願いします」 大淀が扉を開けると、セダンの後部座先に乗り込む二人。 #ちんじふ劇場

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大淀「シートベルトはしてくださいね」 吹雪「はい」 陽炎「OKよ」 大淀は満足そうに頷くと、セダンが滑るように走り出す。 鎮守府のゲートを抜け、横須賀駅方面へと向かう。 陽炎「吹雪。今日ってどこに行くか聞いてる？」 吹雪「ううん。聞いたけど、楽しみにしてなさいって」 #ちんじふ劇場

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汐入のイオンを過ぎ、セダンは本町山中有料道路へと上がっていく。 陽炎「大淀さん。今日ってどこへ行くの？」 大淀「私も提督から口止めされているので」 その口調はどこか楽しげに聞こえる。 吹雪「横横道路にいく？行くよね？」 この先は横須賀横浜道路と呼ばれる高速道路だ。 #ちんじふ劇場

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陽炎「横浜？……いや東京に行くの？私たち」 大淀「……」 大淀の答えはない。しかしミラー越しに楽しげな口元が見えた。 黒いセダンは、二人を乗せて黄昏迫る高速道路を疾走していく。 #ちんじふ劇場

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小一時間のドライブの後、車は１軒の門の前で停車した。 大淀「こちらです。車を停めてきますので、先に入っていてください」 そう促されるまま車を降りる二人。車は静かにその場から消えていった。 東京の中心地にほど近いにもかかわらず、驚くほど閑静な雰囲気に包まれている。 #ちんじふ劇場

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陽炎「ここってその……」 吹雪「料亭ってところだね」 陽炎「吹雪って、こんなとこにもお供で行くの？」 吹雪「ないない！いつもはレストランみたいなとこだよ」 陽炎「まあ、とーこちゃんと料亭ってイメージが合わないわよね」 吹雪「入っていいのかな……」 #ちんじふ劇場

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陽炎「入ってろって大淀さんは言ってたけど、私たち目茶苦茶カジュアルなんだけど……」 吹雪「怒られたりしないよね？」 陽炎「昔、親に連れられて行った時は大丈夫だった……と思う」 吹雪「行くよ。いいよね？」 陽炎が頷くのを見て、吹雪は門扉を開く。 #ちんじふ劇場

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扉が開いたその先には笑いを堪える刀古の姿があった。 陽炎「とーこちゃん！」 吹雪「司令官！」 刀古「お疲れさん。いやあ……大変初々しい反応だったわね」 陽炎「カジュアルな格好でいいって言ってこういうとこなのは酷くない？」 吹雪「すごく緊張したんですよ」 #ちんじふ劇場

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刀古「まあまあ、中に行きましょ。皆お待ちかねだから」 手招きしつつ、歩き始める。 陽炎「みんなって？」 刀古「えーと、私が『不破』って一族の出なのは知ってるわよね？」 吹雪「大湊の不破司令ですね」 刀古「そう。この『不破』は全国の鎮守府に人材を送り込んでいるわけ」 #ちんじふ劇場

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陽炎「そういえばレイテ決戦の指揮とったのも呉の不破司令だったわね」 刀古「陽炎も『不破』の一員なのよ」 陽炎「え？私も？」 吹雪「陽炎ちゃん、司令官の親戚だから」 陽炎「あ、そうか。考えたこともなかった」 刀古「んで、会合で東京に来るから、飯でもって話になってね」 #ちんじふ劇場

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陽炎「ご飯の規模がおかしくない」 刀古「それはお前、海軍将官の会合だぞ。ファミレスでってわけない」 想像してみるとなかなかシュールな光景だ。 ふと気がつくと吹雪の様子がおかしい、時々何かを伺うように視線をあちこちに向けている。 陽炎「どうかした？」 #ちんじふ劇場

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吹雪「……ところどころ。感じない？」 言われて周囲を探ってみると、人の気配がする。 刀古「こんな場所でやるのは、そういう理由もあるのよ」 陽炎「警備のひとね」 玄関につくと仲居の女性たちが待ち構えていた。 靴を脱いで上がると、そのうちのひとりが行先の案内に立つ。 #ちんじふ劇場

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吹雪「やっぱり緊張します」 陽炎「とーこちゃんはこういうとこ行きなれてるの？」 刀古「回数来りゃあねえ。普段遣いでは使えないけども」 陽炎「ちなみいくらするの？」 刀古「諭吉３枚くらいから」 吹雪「私そんなにもってきてないです」 陽炎「お、奢りだから。そうよね？」 #ちんじふ劇場

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刀古「アンタたちの経済観念が正常で微笑ましいわ」 ひとつの部屋の前で歩みが止まる。 刀古「観月です。入ります」 吹雪と陽炎は思わず息を飲む。跪いた仲居が襖を開けた。 二十畳程の和室に男女が集まっていた。 海軍の制服を着ているのは、面識もある大湊の不破と呉の不破。 #ちんじふ劇場

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顔中が髭で覆われた老人。そして…… 吹雪「猫さん」 陽炎「三毛猫……って、でかっ！」 制服姿の三毛猫がちょこんと正座していた。 ちょっとした中型犬並の猫は、視線に気がつくとニヤアと笑った。 総司「やあ、ようやく来ましたね。これで全員集合ですね」 #ちんじふ劇場

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刀古「陸からは来ないの？」 総司「声はかけたんですけどね。海と陸が仲良くやってるのが都合が悪いこともあるそうで」 今どき陸海の対立もないだろうに。肩をすくめるしかない。 刀古に促され、吹雪と陽炎は刀古が座った脇の席に着いた。 それを見渡した後に大湊の不破が口を開く。 #ちんじふ劇場