茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2125回「人間について」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第２１２５回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、「人間」について。

茂木健一郎 @kenichiromogi

当たり前のことだが、人間は生きていて、人間は生きもので、その中で、さまざまな思想、考え方を生み出してきたけれども、結局生きものであるわけで、その生きるという命題の中で、さまざまな考え方、思想を生み出してきたわけである。

茂木健一郎 @kenichiromogi

「べき」論や「理想」は大切だけれども、それは、人間が生きている、ということからずれると、結局違ったものになってしまっていくわけで、「生きている」ということに寄り添って考えると、あまりはずれないのだと思う。

茂木健一郎 @kenichiromogi

「教養」というのはいろいろな要素から成り立つものだけれども、結局、「人間」とはなにかということ、人間はどう生きるものであるかということが、その真中にある。「べき」や「理想」で生きるのではなく、さまざまなことをしながら生きているのが人間というものなのだ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

すぐれた小説は、人間はどういう生きもので、どのような行動をとったり、どのような発言をしたりするのかということを教えてくれる。芸術の感動というものは、そのような人間の理解に通じたときに生まれることが多い。「べき」や「理想」ではない、ありのままの人間の姿。

茂木健一郎 @kenichiromogi

自分の周囲や、社会の中や、ネットの上で、なぜあの人はあんなことを言うのだろう、あんなことをするのだろうと不思議に思うことはあるけれども、「べき」論や「理想論」ではなく、人間として、つまり生きものとしてその動機や感情を認識すると、すとんと落ちることが多い。

茂木健一郎 @kenichiromogi

「べき」や「理想」は、時に、無意識の中の情動や動機を隠す。だから、「べき」や「理想」が抑圧として働くこともある。「べき」や「理想」は大切だが、人間を理解することはさらに大切である。おそらく他人に対してより寛容になるし、多様性というものを本当の意味で受け入れられるようになる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第２１２５回「人間について」をテーマに、６つのツイートをお届けしました。