さて、本日から参加した『#寝ても覚めても』が多くの劇場で封切られるようですね。一部映画館は少し遅れでしょうか。現在全国91館。この小さな作品としては驚くべき公開規模ではないでしょうか。 各宣伝媒体もハードコアな文芸誌から女性誌一般誌新聞テレビラジオまでかなりの展開。 @netesame_movie
2018-09-01 17:27:25既に試写の評判も上々、著名人の方々も好意的なコメントを沢山寄せて頂き、あとは一人でも多くの観客に届いて欲しいと願うばかりですが、折角ですのでおそらくどの媒体にもあまり乗らないであろう現場のことをポツポツ。最初は映画の重要なモチーフになっている牛腸茂雄の写真のことを。
2018-09-01 17:29:25個人的に牛腸作品はもちろん故佐藤真監督の『SELF AND OTHERS』で知り、その後も何回か都内で展覧会がある時は足を運んだものでした。濱口さんに後から訊いたらおそらく2004年の三鷹 mitaka.jpn.org/calender/galle… で見たのでは、と。 丁度、一昨年にも六本木のフジフィルムスクエアでも展覧会が。
2018-09-01 17:32:24と言いつつ、雑誌ユリイカでの蓮實重彦さんからの" 詰問 " にも雑誌映画芸術での稲川方人さんとの対談でも触れて頂いてますね。濱口さんのスゴいというか怖ろしいところは牛腸さんの写真が使えなかったらという可能性を(腹の中では色々考えてたかもしれませんが)微塵も感じさせなかったところです。
2018-09-01 17:34:15とはいえ、僕が参加した時点で許可どころか道筋も見えてなかった状況だったので、『SELF AND OTHERS』や最近の展覧会の資料を調べたり、友人の写真家に訊いたりして、牛腸さんの地元新潟の美術館経由で生前からのご友人で作品管理も任されてる写真家の三浦和人さんに行き着いたのです。
2018-09-01 17:35:57三浦さんは濱口さんのことはご存知ないようでしたが原作者の柴崎友香さんの作品は知っていらして、『SELF AND OTHERS』の話なども交えながら商業映画で牛腸作品を使用することの趣旨を少しずつご理解頂きました。許諾がおりても問題は実際にお借りするプリントをどうするか、です。
2018-09-01 17:37:23今回は、写真展としては東京と大阪の二箇所でのロケが予定されていたのですが、美術館など纏めて作品を所蔵しているところは中々外部に出したがらないのが実情です。ここでも三浦さんに御尽力頂き、一昨年に僕も偶然六本木で見ていた牛腸展を取り仕切った企画会社の代表の方をご紹介頂きました。
2018-09-01 17:39:35代表の佐藤さんは丁度渋谷文化村でソール・ライター展を企画されていて、これも偶然個人的に見ていたこともあり(佐藤さんも柴崎作品に親しんでいて写真界隈への浸透の仕方はすごい)、話はトントン拍子に進み、なんと一昨年の展覧会のために新たに焼いた貴重なプリントをお借りできることに。
2018-09-01 17:42:40まともに頼んだらかなりの金額になるであろう額装もあまり相応しくないものになるよりはとご協力を。結果的に三浦さんと共に撮影前日の設営まで立ち会って頂き牛腸作品への愛情をひしひしと感じました。あまりの僥倖ぶりにこれは大阪ではハードルが高いかなと不安になるくらいでした。
2018-09-01 17:45:33ところが大阪でも三浦さんの口利きでだいぶ前から牛腸作品を扱っている老舗のギャラリーThird Gallery Aya さんthethirdgalleryaya.com が売り物を特別に貸与して頂き撮影に望むことが出来ました。Aya さんのギャラリーは石内都さんの作品なども取り扱う関西では有名なところらしいです。
2018-09-01 17:46:38この、東京&大阪での撮影、それぞれ馬喰町のギャラリーCASHI° cashi.jp 、中之島の国立国際美術館 nmao.go.jp (内部展示スペースは神戸ファッション美術館内)をお借りしたのですが、撮影に詳しい方ならよく見るとあることに気がつくかも。
2018-09-01 17:47:51カメラマンの佐々木靖之さんからのリクエストでお借りするプリントの額装は出来ればアクリルを外してナマの状態で展示したい、と。写真を真正面から撮りたいという濱口さんの狙いが元ですが(この " 視線 " という裏テーマについては濱口さん自身が幾つかのインタビューで言及されてます)
2018-09-01 17:51:08今どき普通の展覧会でも通常はアクリルが入ってるもの、ましてや貴重なプリントを借りるのにそんなこと、と思いましたがダメ元で頼んでみたら三浦さんも佐藤さんも「昔の展示はアクリルなんか無かった。撮影は一日きりだしどうぞ」ということでここでもリクエストどおりに。
2018-09-01 17:52:13こうして、幾人もの方との出会いを経て映画に映し出された牛腸茂雄作品。 ご覧になる方々にはどのように映るのでしょうか。 最後に極々個人的なことを書かせてもらえば、『SELF AND OTHERS』のカメラマンはたむらまさきさんです。数々の名作を手掛けられたたむらさんもこの夏天上の人となりました。
2018-09-01 17:56:42たむらさんと現場で御一緒出来たのは2006年の『SAD VACATION』が最後になりました。 自分にとっては突然の訃報でした。 『寝ても覚めても』の撮影は丁度去年の夏でしたが、僕にとってはこの映画は何故かたむらさんの存在と共にあります。
2018-09-01 17:58:15@yukore 牛腸茂雄の写真についての裏話ありがとうございました(ちょうど蓮實氏インタビュー読んだとこでした)。取材時時間なくて濱口さんに詳しく聞けなかったことが知れて感謝です(三浦さんには私もお会いしたことがあります)。
2018-09-01 20:24:432013年に白水社で牛腸茂雄の『こども』が出たとき、編集の方にお誘いいただき、刊行に合わせて制作されたフリペーパーの4号目で、牛腸と桑沢の同期で生涯にわたって親交を深めた三浦和人さんと佐治嘉隆さんにお話をお聞きしたことがある(レア内容)。このフリぺもたしか濱口さんに送った気がするな。 pic.twitter.com/Ahog2s2Fbt
2018-09-01 20:29:18