設計では検討中に間違っても、それを消してはいけない

貴方の分野ではどうでしょうか
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TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

昔、設計と言うものをある分野で学んだときに念入りに言われたことを思い出した。当時はまだ紙に書いていた時代だったが、「消しゴムは使うな」と。検討中に「間違った」と判断して消してしまうと、その瞬間に「検討の結果駄目だと判明した案」が消滅してしまう。消しゴムの範囲によっては

2018-09-01 13:14:09
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

検討過程まで消えてしまう。後に業界を移って、日本の航空機メーカーが戦後立ち直れなかった理由のひとつとして別の話を聞いたことがある。「トレーシングペーパーに鉛筆で描いては消して書いては消しての繰り返しだったから、たとえ終戦時の資料焼却が無くてもノウハウ伝承は出来なかっただろう」と。

2018-09-01 13:15:51
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

そんなわけでPCやワークステーション上で設計検討する場合でも、NGとなったデータでも日付と検討系列順に保存するようにしている。自分がその設計課題をどう進めたのかわかるように、また清書すれば設計検討報告書になるように。

2018-09-01 13:17:29
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

当たり前だといわれるかもしれないのだが、ここ数年は問題点あるいは疑問点を指摘されるといきなり全消ししてしまう人が現れるようになった。そして中年組みが慌てて「消すな!」と怒鳴って新人を萎縮させてしまう。悪循環である。何か悪循環からの脱出手段を考えねばならない。

2018-09-01 13:19:25
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

実務に入る前に「検討資料に問題が指摘されても消してはいけない。これこれの指摘があったと書き足しせば良い」と導入教育を行うべきだろう。また、「いきなり完璧なものを書く必要などどこにもない」「丸写しすべき模範解答なんてない」を改めて強調しないといけないだろう。

2018-09-01 13:21:57
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

「最近の若者は駄目だ」と言うようになるともう老害なのだが、最近の若い人は私の若いころなどよりもずっと学習が早いし段取りを身につけるのも早い。が、なぜか模範解答の丸写し教育を受けている傾向が増えている。教育現場の疲弊だろうか。

2018-09-01 13:24:02
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

もちろん、大卒者と専門卒では傾向が違う。違うはずなのだが、近年の「大学改革」は専門卒であっても歓迎されない「すぐに使える豆知識集」ばかり詰め込んだ若者を作りつつある気がしている。理解しがたいのは、そのような改革を求める技術系企業があることだ。

2018-09-01 13:26:47
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

それはそうと、「仕事の教え方そのものが職場から失われている」事例がちと気がかりである。たとえば15年とか20年に渡って新人を採用していない会社などでは「入社20年に渡ってその職場で一番の若手でありつづけた」人が年齢の上では中堅、しかし中堅層に求められることはほとんど出来ないなんて例が

2018-09-01 20:01:01
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

結構ある。そして、不思議なことにそういった会社の経営者が「事業整理の準備が整った」ではなく「中堅層が育っていない。困った」とコメントしていたりする。

2018-09-01 20:36:43
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

そうそう、ごく当たり前なことがある。「間違いだと判った検討」をファイル単位で残すにはバージョン管理ツール等を使わないと、あとで大変なことになる。

2018-09-01 20:53:48
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

とくにチームで共有するようなファイルに残す場合には、その職場にバージョン管理のなんらかのシステムがないと大変なことになる。もしバージョン管理が出来ない職場であるなら、検討過程ファイルは捨てた方が安全な場合さえある。特に、検討過程で出来るものが実行可能ファイルやライブラリの場合は。

2018-09-01 20:56:18
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

twitter.com/86C805i/status… さんにわかりやすい例えを頂いた。要するに「この先は行き止まり」「この先は人手とお金を飲み込むだけの沼」と言う標識を置かねばならない。そして、検討過程は出来る限り「地図」にすべき。グラフでも良いが。

2018-09-01 21:20:38
Dilettantist @86C805i

確かに、破綻した3Dモデルも全部シリアルナンバーを振って保存している。 「この先行き止まり」という道標はとてもだいじ。 学術論文のシステムはそれが十分ではないから、師匠が止めないと若手が飛び込んでしまう。誰も成果を出せない死屍累々の道に。 twitter.com/TFR_BIGMOSA/st…

2018-09-01 21:14:41
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

歴史上の著名な教訓をひとつ紹介。傑作機、ダグラスDC-3はその長い生産と改良の歴史において、良かれと思ってメインバス配線被覆を変更して火災を起こして元の設計に戻すと言うことが3回生じている。いずれも若手への引継ぎミス、設計経緯資料がどこに保管してあるかの伝達ミスが原因。

2018-09-02 18:34:12
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

ダグラスDC-3のメインバスの「正しい配線被覆」は麻布であった。そんなバカなと言いたくなるが、空気を通すので熱が逃げてくれる。これを、良かれと思って耐油性ゴムや軟質塩化ビニルを密着させた被覆に変更して火災と言うことが3回繰り返された。

2018-09-03 18:28:43
TFR_BIGMOSA(首輪付きの大猫、地球長期滞在者) @TFR_BIGMOSA

当時のアメリカでは銅が高価だったのでDC-3のメインバスはアルミで、電気抵抗による発熱が結構大きかった。たぶん今現在飛んでいるDC-3は銅のメインバスに交換しているだろうと思う。

2018-09-03 18:44:32
リンク 【ネタ倉庫】ライトニング・ストレージ 試行錯誤は経験として役立つ 昔、設計と言うものをある分野で学んだときに念入りに言われたことを思い出した。当時はまだ紙に書いていた時代だったが、「消しゴムは使うな」と。検討中に「間違った」と判断して消してしまうと、その瞬間に「検討の結果駄目だと判明した案」が消滅してし... 1