ドラゴン・インストラクション #2

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
3
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」ビロウサージの腕の傷を、更なるスリケンが深く裂く!「イヤーッ!」「グワーッ!」ビロウサージはガード姿勢を取らざるを得ない。それはササメコリ・ジツの弱化を意味していた。ニンジャスレイヤーは燻る赤黒の炎をメンポの隙間から吐き出し、なお投げる!「イイイイイヤアアーッ!」24

2018-09-14 23:28:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「此奴……!」ビロウサージが水面を後退する。スリケンの破片とササメコリが白く煌めき、空中に留まる。ニンジャスレイヤーはそこに道を見た。致命の道を!「イヤーッ!」彼は前に跳んだ!空中に凍り付いたスリケンを飛び石めいて踏み、ビロウサージに……「イヤーッ!」蹴りを叩き込む! 25

2018-09-14 23:31:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グ……」時間感覚が圧縮され、ビロウサージの顔面がヘシ曲がった。ニンジャスレイヤーは全カラテ推力を注ぎ込んだ!「……ワーッ!」キリモミ回転しながら吹き飛ぶビロウサージめがけ、ニンジャスレイヤーは無数のスリケンを追い打ち投擲!カイシャク!「サヨナラ!」爆発四散! 26

2018-09-14 23:33:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

SPLAAAASH!ニンジャスレイヤーは波間に着水した。サツバツナイトは船のへりに直立し、腕組みして、そのさまを見守る。彼は瞬時に状況判断する。シーサーペントはサツバツナイトに真正面から挑むに難い敵と考え、海に落ちたニンジャスレイヤーを狙うだろう。ここは……インターラプトしてはならぬ!27

2018-09-14 23:36:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スキトッタリィー!」シーサーペントは空中で水の放出軌道を残しながら弧を描いた。水面に赤黒の腕が飛び出し、破砕した重装ヤクザ高速船の破片を掴見、上半身を海上に引き上げる。「インストラクション・ツーだ、ニンジャスレイヤー=サン!」サツバツナイトは叫んだ。 28

2018-09-14 23:39:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(ニンジャは地水火風の精霊と常にコネクトし、操る存在だ。これをフーリンカザンと称す!)ニンジャスレイヤーのニューロンに、徐々に調子を取り戻したフジキドの語りが……第二の教えが去来した。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは破材の上に跳び上がり、着地!彼は押し寄せる波の機を捉えた。 29

2018-09-14 23:42:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KABOOOOM!高波をくぐるように、ニンジャスレイヤーは破材の上で両手を翳し、バランスを取った。砕けゆく波を後ろに、ニンジャスレイヤーはサーフィンめいて高速で水面を滑る!SPLAAAASH!シーサーペントの致命空中突進攻撃を回避!ゴウランガ! 30

2018-09-14 23:45:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「コシャクな!」海中でU字を描き、空へ再び飛翔するシーサーペント!だが、今度はニンジャスレイヤーが追う番だった。SPLAAAASH!次なる強い波が、空中に赤黒の回転体を射出した。然り、それは波に撥ねられ、赤黒の火球めいて回転ジャンプするニンジャスレイヤーである!「イイイイイヤアーッ!」 31

2018-09-14 23:49:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「チイーッ!」シーサーペントは空中でクナイダートを連続投擲!ニンジャスレイヤーはそれらを打ち払い、赤黒く焼ける右手のフックロープを放った。クナイ投擲でのび切ったシーサーペントの腕にフックロープが絡みつき、鉤爪が肩に深く食い込んだ。「グワーッ!」「イヤーッ!」巻き上げ接近! 32

2018-09-14 23:52:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

瞬時にシーサーペントの襟首を掴み、組み付くニンジャスレイヤー!「イヤーッ!」「グワーッ!?」シーサーペントはもがきながら、水と空気を放出し、空中をがむしゃらに飛翔した。だがニンジャスレイヤーは離さぬ!やがて、KBAM!「グワーッ!?」シーサーペントの身体が赤黒い火を噴いた! 33

2018-09-14 23:55:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

炎によって血中カラテを乱され、水と風を操るジェットホバ・ジツが阻害されると、もはやシーサーペントは自在な飛翔を行う事ができない!ニンジャスレイヤーは苦しむ彼をなお強く掴み、共に回転を始めた。風車めいて!「イイイイイヤアアアーッ!」「グワーッ!?」 34

2018-09-14 23:58:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ゴウランガ!偶然にもそれはジュドー33段で修得するエクストリーム・アーツ、ジゴクグルマに類似しており……更に恐るべき事に、二者は赤黒の炎で包まれていた!サツバツナイトは険しい目で彼らを追った。炎のクルマはやや離れた地点へ隕石めいて落下し、巨大な爆発四散水柱を上げた。「サヨナラ!」35

2018-09-15 00:01:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」サツバツナイトは落下地点にフックロープを投げ、やがて手ごたえを感じると、一本釣りめいて巻き上げ、蒸気を上げるニンジャスレイヤーを引きずり上げた。ニンジャスレイヤーは自熱で装束の海水を撥ね散らし、目の前のサツバツナイトを見た。サツバツナイトは無言で頷いた。 36

2018-09-15 00:05:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

どちらが促すでもなく、二者は走り出し、船から船へ飛び移った。「サンバがうまい美女」号、「誰よりもゴージャスな俺の姫」号、「巨大なホタテ貝が開くとそこに発見するお前」号……彼らは勢いをつけて、数百隻からなる大船団の最後尾を目指した。さらにその先に、目指すエッジカム火山の威容。 37

2018-09-15 00:09:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

当然、船団の最後尾から気軽な跳躍で飛び移れる距離ではない。そこから先は、ただ泳ぐだけだ。彼らはいちいち手段を確かめ合いはしない。もはや、行動する事を決め、その為に動いている。それだけだ。……しかしその時、彼らに追いすがるように、一隻の非ヤクザ高速船が向かってきたのだ! 38

2018-09-15 00:13:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドドドドドド……!非ヤクザ高速船の甲板上で明るいオレンジの髪をなびかせるのは、ダイバースーツに身を包んだ美しいウキヨ!コトブキである。「乗っていきなさい!」コトブキは呼びかけた。ニンジャスレイヤーとサツバツナイトは回転跳躍した。「「イヤーッ!」」 39

2018-09-15 00:17:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

コトブキは二人のニンジャをグッドサインで迎えた。「来るのか」ニンジャスレイヤーはコトブキを見、操舵するシキベを見た。コトブキは晴れやかに頷いた。「考えたのですが、わたしがLAN直結すれば、そこからタキ=サンがハッキングできます。オマークのシステムを止めるなら、それが一番ですよ」 40

2018-09-15 00:21:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「そうか」「任せてください」コトブキは二人を伴い、船室に入った。「急いでスシを食べてくださいね。すぐにつきますよ」コトブキは小型冷蔵庫を開け、サーモン・スシを取り出した。「上陸したら、あとはブチのめして、ボコボコにします!」 41

2018-09-15 00:24:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ゲーッ!」船の甲板先端にとまった三本足のカラスが一声鳴いた。上空を、一匹の鸚鵡が非ヤクザ高速船よりもなお速く飛び、火山島へ向かっていった。 42

2018-09-15 00:26:45