芝村裕吏さんによるお悩み相談「ミステリトリックの作り方～移植法編～」

芝村裕吏 @siva_yuri

そして今日も、話題を待つ。難題でも可。 あれ間違った。

芝村裕吏 @siva_yuri

ミステリのトリックの作り方ですか。クルー法や逆シーン法、移植法などがあります。

芝村裕吏 @siva_yuri

それはさておき。 昔アメリカで、ある人に、人間は山と蟻の間の存在だと言われてな。 続けて、お前はどっちに近いかと言われて、俺は蟻だと答えた。 そうかと、かえされ、それから２０年。

重馬 敬(しげま けい)　シナリオ工房 月光 @shigema

あ、芝村さんが反応してくれた！　ぜひ、ご教授ください！　QT @siva_yuri: ミステリのトリックの作り方ですか。クルー法や逆シーン法、移植法などがあります。

芝村裕吏 @siva_yuri

まだ山のほうが近いとはいえ、え、トリックですか。

重馬 敬(しげま けい)　シナリオ工房 月光 @shigema

山のあとで、ぜひ！　QT @siva_yuri: まだ山のほうが近いとはいえ、え、トリックですか。

芝村裕吏 @siva_yuri

トリック作りですね。 有名どころの三種類のうち、プロ御用達の面倒くさい方法をお教えしましょうか。

重馬 敬(しげま けい)　シナリオ工房 月光 @shigema

よろしくお願いします～。QT @siva_yuri: トリック作りですね。 有名どころの三種類のうち、プロ御用達の面倒くさい方法をお教えしましょうか。

芝村裕吏 @siva_yuri

トリック作りで、作家がよく使うのは移植法と言われる手法です。 これは全然関係ないとあることを流用して、トリックに仕立て上げます。

芝村裕吏 @siva_yuri

昨日テレビでみたのをそのまま移植したりするとネタバレしやすいので、ネタを寝かす作業が必要ですが、うまいこと面白くてマイナーものを探してくる人もいます。 まあ、探し方は後で話すとして・・・

芝村裕吏 @siva_yuri

まずは移植法の根幹を話しましょう。まずはタネ（ネタ）をもってきます。 例えば右のページです http://www.bunseki.ac.jp/naruhodo/

重馬 敬(しげま けい)　シナリオ工房 月光 @shigema

ふうみゅ……？　QT @siva_yuri: まずは移植法の根幹を話しましょう。まずはタネ（ネタ）をもってきます。 例えば右のページです http://j.mp/fPcfh9

芝村裕吏 @siva_yuri

例えば実験A－４４ ＜赤色の正体は？の巻＞ とかをもってきて、これで一話作ってみましょう。とかやるわけですね。 トリックのネタ（化学実験や面白い現象）からお話を作るという、手法的にはトリックありきで残りをまとめる作り方です。

芝村裕吏 @siva_yuri

こいつのポイントはですね。シゲマさんなどのプロ作家レベルだと、トリックさえあれば、トリックにあわせて話をつくれるという逆転の発想にあります。

芝村裕吏 @siva_yuri

己の得意とするところで戦うべし、と、古来言います。 トリックを考えるのが苦手なら、トリック以外で勝負すればいいじゃないという手法ですね。

芝村裕吏 @siva_yuri

ココで言うトリック以外とは、キャラ、状況、話の組み立てをいいます。

芝村裕吏 @siva_yuri

実験A－４４ ＜赤色の正体は？の巻＞ は、イチゴもトマトも同じ赤色に見えますが、違う種類の色素が含まれています。から、色の違いを出してみせる価額実験です。これをつかって・・・

芝村裕吏 @siva_yuri

実際の移植法の例： ある冷静な化学部の少年の所に、友人の不良が、彼女がやらせてくれなくてさあ、いつもあの日なんだよなあ。ちくしょう・・・ とか言ってるところからはじまる。

芝村裕吏 @siva_yuri

試験管をふりながら、少年は言います。 青い色ね・・・ で、苦笑して、まあ、新しい恋を探してもいいかもね。くらい言うわけです。で、前振りして、本編にうつる。 次は不良の死体が見つかる・・・などをやるわけですね。

芝村裕吏 @siva_yuri

こんな風に中核のトリックさえあれば、話でっちあげるのはプロレベルなら簡単なので、トリックから先に持ってくるこの移植法の愛用者は、かなりいます。

芝村裕吏 @siva_yuri

皆さんの知る有名タイトルも、これだったりしますね。注意深く見ると、化学実験から取る回とか、物理から取る回とか、毎回ローテきめてやってきてたりしています。

芝村裕吏 @siva_yuri

さて、ここまで言った後で、じゃあ、どこからネタもってこようという話になると思います。 ので、有名どころのネタもとをいくつかお話できればと思います。

山北篤 @Gheser

@siva_yuri いわゆる、本格推理派の人がよくやるタイプですね。私のいたミステリ研でも、よくやってました。

芝村裕吏 @siva_yuri

@Gheser そうなのですね。私はミステリの分析してたら、あれ、これ化学実験の本のそのままだーで、大笑いした時があります。うまい人になると、順番かえたりで、うまくやりますね。

山北篤 @Gheser

@siva_yuri @shigema ただ、気をつけないと、マニアに見つけられるので、元ネタは、本格推理でないほうがいいですね。