40代のオッサン(独身貴族)とJKがどちゃくそ恋愛してセックスする話

Ctuberはアマゾンズとかで「狩り開始~」とか言ってたやつのアレ。
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帽子男 @alkali_acid

独身貴族は少女をかついで外へ運び出す。車を見つけ、そこに運び込むと、水の入った透明な柔らかい瓶を開けて顔にかける。 「わぷっ…水…もう…やだ…」 「ハルミ。ここ。危険。帰る」 「やらぁ…ウモンさん…ねえ…ねえ…おねが…」 「帰る」 告げてからリゾートの建物に戻る。

2018-06-10 16:45:25
帽子男 @alkali_acid

奥へ進むと、そこには野球ボール大の卵が壁といわず天上と言わずぎっしり。眺めているうちに一つが孵化する。 "おのれ" ウモンは剣を振るう。飛び散る体液が陶鎧にかかかるが、気にもとめない。

2018-06-10 16:48:13
帽子男 @alkali_acid

恐るべき疾さ。 しかしそれも間に合わず毛虫が続々と孵る。 "逃さぬ。一匹も" 三目が暗がりに燃え、具足がくねり這う幼生を踏み、籠手が天上から落ちる塊を叩き潰す。

2018-06-10 16:50:40
帽子男 @alkali_acid

そこかしこで煙が上がり、瘴気が満ちるが、騎士は息を止め、無心に刃の嵐を起こしていく。 "逃さぬ!!!"

2018-06-10 16:51:54
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ 女子高生は車の中で震えていた。薬のせいで体が火照り、ずっと体の外と中に水を流されたせいで寒気がし、吐き気がし、自慰がしたくてたまらない。トイレにもいきたかった。 「もうやだ…もうやだよ…なんで…」 しかもよりによって、またさらわれた車の中にいる。 「もう…帰りたい…」

2018-06-10 16:56:22
帽子男 @alkali_acid

運転できれば。この車を運転できれば帰れるのに。 できない。 「許して…」 また許しを乞うてしまう。 すすり泣いていると、いきなり窓ガラスに何かがあたる。 「開けろ!」 ただれた顔ではじめ誰だか分からなかったが、Ctuberの片割れだ。

2018-06-10 16:58:11
帽子男 @alkali_acid

「開けろ開けろ!はやく開けろ!!」 キーを持っていないのだろうか。ハルミは何もできずにぼんやり見つめていた。 「開け…」 いきなり男の頭を巨大な生き物が飲み込んだ。

2018-06-10 17:00:11
帽子男 @alkali_acid

蛾。毒蛾。でも口はまるで蜻蛉(とんぼ)のような顎になっている。 鳥のようにはばたき、きらめく粒を撒き散らして、男の体を咥えたまま上昇していく。 「え…ぁ?…きれい…」 いきなり車体が揺れる。鱗粉がタイヤを焦がして穴をあけたのだが、JKが知るはずもない。

2018-06-10 17:03:27
帽子男 @alkali_acid

しばらくして蛾がまた降りて来る。もうCtuberの姿はどこにもない。開閉する大顎に血がついている。 鉤爪のついた六本の足のうち二本が窓ガラスに刻みを入れ、はばたきが車体をゆする。 「ひ…ぁっ…ぁっ…」 変な声が出る。

2018-06-10 17:05:23
帽子男 @alkali_acid

もう、ごめんなさい、許して下さい、という言葉は出ない。 死の予感がはっきりしすぎた。ハルミは助手席で丸まったまま、指で股間をまさぐる。だんだん現実と空想の境があいまいになってきていた。目を閉じ快楽にしがみつく。 「んっ…んっ…」 脳裏に三つ目で緑肌の男が浮かぶ。

2018-06-10 17:08:22
帽子男 @alkali_acid

「なんで…ウモンさん…」 悲しく笑って、深くあえぐ。 毒蛾がひびの入ったガラスごしに複眼で覗き込んでくる。 「見てんじゃねーよ…」 小声で罵ってからはかない悦びにふける。

2018-06-10 17:10:06
帽子男 @alkali_acid

窓ガラスのひびがさらにおおきくなる。 「あーあ…もぉ…ちょっとだったのに…な…」

2018-06-10 17:11:09
帽子男 @alkali_acid

せつな、羽虫の胴から刃の切先が生えた。 恐ろしい勢いで毒蛾が上昇し、虚空で花火のように鱗粉がはじける。 「ぇ…」 陶鎧をまとった騎士が、磁器の刃を深々と毛むくじゃらの敵の胸に突き立て、全身が燃えるのも構わずしがみついている。 「…わぁ…わ…わー…」

2018-06-10 17:12:50
帽子男 @alkali_acid

三つ目の怪人と巨大な昆虫の戦い。 どんな薬をキメてもそうそう見られないだろう光景に、とうとうJKは泣くのを止めてくすくす笑いだした。 「あはウモン…さん…すごいなあ…」 鱗粉の上げる炎が正視していられないほどまばゆくなった刹那、だめおしとばかり虚空がゆがみ、鈍色の花が現れる。

2018-06-10 17:16:58
帽子男 @alkali_acid

「あ、牡丹だ…私の…好きな花…」 開じたり閉いたりする花は、毒蛾を丸呑みにすると、そのまままた大気にさざなみを広げながら消えていった。 「…ぁっ…ウモン…さん…」

2018-06-10 17:18:35
帽子男 @alkali_acid

呼びかけに応じるように、黒い煙の尾を引きながら人影が落下し、地面に転がった。よろよろと起き上がると、剣を杖に近づいて来る。 「あは…あはは…ウモンさんだ…ウモンさん…」 四十代の独身貴族は、じっとひびわれたガラス越しに、JKをながめ、三つの瞳を瞬かせた。 「ハルミ」

2018-06-10 17:24:47
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ 夢の中で、ウモンは少年に戻っていた。まだ二十六歳ぐらいだったろうか。背も伸びきらぬひょろりとした体躯で、同じような一族のものと一緒に、長兄と第一夫人の夜の営みを、御簾の陰から息を殺して見守っていた。

2018-06-10 17:28:24
帽子男 @alkali_acid

甘い声を上げる若妻に幾度も高みに導いてから夫は、息をはずませつつ、皆に呼びかけた。 「お前達の多くは独身貴族となる…だがもし私が死んだときは、その誰かが、妻の話し合いによって選ばれるだろう。故に今のうちに、夜の営みを学んでおくがよい」

2018-06-10 17:31:35
帽子男 @alkali_acid

「氷の太陽を巡る周期には、詩人の歌も尽き、狩りの思い出もかすむだろう。妻を喜ばせ、命を紡ぐこの技をなすため、歴代の夫は長く褥の中で愉しみを織りなす力と技を育てた…よく見て、よく覚えておけ」

2018-06-10 17:34:11
帽子男 @alkali_acid

長兄の視線はまっすぐにウモンを向いた。記憶ではそうだった。 その口許は笑っていた。 「お前に言っているのだぞ」 そう告げているようだった。視線をそらすと、夫のそばであおむけに横たわった第一夫人もウモンを見ていた。どこか心配するような、いたわるようなまなざしだった。

2018-06-10 17:36:08
帽子男 @alkali_acid

ウモンはゆっくりと二人を見比べ、一族がながらえるよう独身貴族として最後まで戦い抜こうと心に決めた。だが胸の高鳴りはそういう騎士の矜持を裏切るようにせわしなく響いていた。

2018-06-10 17:37:40
帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ いつのまにか第一夫人が、ウモンの下にいた。記憶よりもさらに若く、どこかぎこちなく、しかし嬉しそうに夜の営みを受け入れていた。 「ウモン…さん…」 「兄上は…死んだのか…?毒蛾から…逃れられなかった?」 尋ねながらそっと柔肌をなぜる。

2018-06-10 17:40:16
帽子男 @alkali_acid

「ウモンさん…ウモンさん…」 あとの言葉は分からない。暗がりではっきりしないが、膚の色がどこか変わっていた。けれど欲するまま、抱きしめ、貫く。 「ぁっ…やっ…」 何度も、何度も、向きを違え、姿勢を移し、口づけと指での愛撫とを交えて。昔一度だけ聞いたのとよく似た甘い声が響く。

2018-06-10 17:42:55
帽子男 @alkali_acid

けれど、幼き日の思い出よりもずっと、女の体は感じやすかった。二倍せっかちで、二倍は疲れやすいようだった。 「もぉ…むり…で…ひぁっ」 「…?」 どこかにずれを覚えながら、ウモンはかつて長兄の後ろ姿を見て覚えた通りの技を、一つも抜かさずすべて相手に施した。それがつとめだった。

2018-06-10 17:45:56
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