茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2157回「ポジションとパフォーマンス」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2157回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、「ポジションとパフォーマンス」について。

2018-10-05 07:24:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

最近、若い世代と喋っていると、デジタルネイティヴどころか、デジタル・ディバイドとでも言うべき断裂があって、それをとても頼もしいと思うのだが、とにかく新聞やテレビといったレガシーメディアに接しない。その結果、面白いことが起こっている。

2018-10-05 07:26:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

例えばテレビなどで、誰もが知っている(と古い世代が思っている)人を、若い世代は知らない。「えっ、それ誰ですか?」と言って、その場でぐぐっている。つまりテレビに出ているからビッグという時代は(若い世代では)終わっていて、全く知らないことも頻繁にある。

2018-10-05 07:27:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

テレビは地上波という有限の資源の中で誰を割り当てるかだから、「ポジション」に近い。もちろんある程度過去にパフォーマンスがないとその「ポジション」が得られないという「建前」になっているけど、実際には事務所の力とか、惰性とか、さまざまなものでその「ポジション」が維持されている。

2018-10-05 07:28:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

一方、若い世代が接しているネットの世界は、下剋上というか、偶有性の嵐が吹き荒れているところで、たとえばユーチューバー一つをとっても、百万再生がたくさんある人達がごろごろしている。私のような底辺ユーチューバーには全く届かない世界。このスターたちはポジションではなくパフォーマンスだ。

2018-10-05 07:29:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

もちろん、ネットの世界でも厳密に言えば過去に何らかのパフォーマンスで有名になって今はポジションという人もいるかもしれないけど、基本的にパフォーマンスを続けなければアクセス数は減って、ネットでの地位は落ちていく。レガシーメディアのような慣性の法則は小さい。

2018-10-05 07:30:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

テレビというレガシーメディアでは、一度ポジションを得るとだらだら居続けるけれども、若者はその存在を知らない。テレビでの表現が、何らかの意味でバズって、ネットに上がって、初めて若者はその存在を知る。つまり、テレビのポジションがパフォーマンスに達して、初めて若者に届く。

2018-10-05 07:31:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

テレビのゴールデンでポジションを得て、本人やその回りはビッグだと思っている存在も、それがネットでバズるパフォーマンスに達しなければ、デジタル断裂の向こうの若者には届かない。その意味で、きわめてフェアな時代になった。ある意味乱世だが。

2018-10-05 07:32:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

時代が既得権益の象徴であるポジションから実質であるパフォーマンスに移っているのは良いことだと思う。とにかく回りの若い世代と本音でしゃべってみることをお勧めする。レガシーメディアの方々は、(もはや母集団が怪しい)「視聴率」などで狂騒している自分たちの日常を反省する機会になるはずだ。

2018-10-05 07:34:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2157回「ポジションとパフォーマンス」について、8つのツイートをお届けしました。

2018-10-05 07:34:55