ドラゴン・インストラクション ＃７

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」やがて、カークィウスの強烈な蹴りがニンジャスレイヤーの脇腹を捉えた！ニンジャスレイヤーはカークィウスを睨んだ。蹴られながら、彼はカークィウスを抉るように殴りつけた。「イヤーッ！」「グワーッ！？」殴り抜ける！「イヤーッ！」「グワーッ！」　24

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KRAAASH！衝撃によって床板が砕け、カークィウスの身体が沈み込んだ。ニンジャスレイヤーの周囲を舞う黒い火は彼の装束に吸い込まれていく。繊維を燃やしながら融合し、再びその邪悪な鬼の構成物となるのだ。カークィウスは身じろぎする。「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーの斜め後方から打撃！　25

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」「グワーッ！」振り向きながらの全力を込めたパンチが別のカークィウスの顔面を過たず捉え、破壊しながら吹き飛ばした。カークィウスは柱に叩きつけられ、爆散し、羽根を散らす。床に落下するのは鸚鵡である。彼は体勢復帰するカークィウスを振り返る。「理解したと言った筈だぞ」　26

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カークィウスにはその数秒があればよい。彼はとうに体勢復帰を済ませ、両手を前に翳していた。彼の身体は指先から羽状にほどけてゆく。目くらましのスリケンが渦を巻くなか、新たな鸚鵡が一羽、二羽と羽根嵐の中に巻き込まれるように加わった。「イヤーッ！」四人のカークィウスが襲いかかる！　27

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはうち一体をほんの僅かな躊躇もなしに殴りつけた。カークィウスは拳を掴んで止め、押し戻す。本体である。他の三体がニンジャスレイヤーを一斉に攻撃するが、カークィウスは余剰のカラテを分配する事ができなかった。彼は目を細めた。ブラフではない事を確信する。28

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは三体を無視し、そのまま逆の手でカークィウスを殴りつけた。「イヤーッ！」カークィウスはその手をも受け止め、押し戻した。ニンジャスレイヤーの目が燃えた。押し返す！「イヤーッ！」「ヌウウーッ！」二者の足元が焦げ始める！　29

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ゴウ！ゴゴウ！ゴゴウ！ニンジャスレイヤーの背中は邪悪なエンジンめいて断続的に黒いバックファイアを散らす。「「「グワーッ！」」」カラテを付与されない鸚鵡たちはこれに抗えず、怯んで下がらざるを得ない。「……」ニンジャスレイヤーは何か呟いた。押し合いながら、カークィウスは耳を傾けた。30

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……知っているか」まるでニューロンを直接焼くような、凄まじい憎しみの力の籠った問いかけだった。カークィウスは眉根を寄せた。「……サツガイという男を、知っているか」ニンジャスレイヤーは問うた。「サツガイという男を知っているか……！」　31

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ゴウ！ゴゴウ！ゴゴウ！羽根は黒く燃え、その火は伝搬して、次第に廃屋桟敷を満たす羽根は黒い火の粉に変わっていった。「それがどうかしたか、ニンジャスレイヤー＝サン」カークィウスは返した。ニンジャスレイヤーの目は燃えている。「感じるぞ。サツガイに連なるニンジャを」　32

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

然り、カークィウスは知っている。そして実際、このアジトにサツガイに接触したニンジャが居る。彼はカシマールがサツガイの「祝福」を受けた事実を、シンウインター同様、当然知っている。「ならばどうする」「そのニンジャを殺し、サツガイを殺す。当然、貴様もここで殺す」「出来る、ものか！」33

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「おれはやる」ニンジャスレイヤーはカークィウスを真っすぐ見据え、ほとんど静かに宣告した。「「イヤーッ！」」二者の拮抗するカラテが膨れ上がった！互いの背中に縄めいた筋肉が浮かび上がった！廃屋桟敷は火に包まれ、焼けた木材が続けざまに落下した！「「イヤーッ！」」KBAM！炎が爆ぜる！　34

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二者は掴み合ったまま、同時に上体を仰け反らせ、同時に頭突きを繰り出す！「「イヤーッ！」」KRAASH！「「グワーッ！」」両者仰け反る！メンポがひしゃげ、血が噴き出す！ニンジャスレイヤーのメンポがメキメキと音を立てる。「忍」「殺」のメンポは裂け、歪み、牙めいた！ナムアミダブツ！　35

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「AAAARGH……！」ニンジャスレイヤーの目が黒い火を噴いた。カークィウスはニンジャスレイヤーを見た。この者はイクサの高揚に狂い、カラテの乱れを生ずるだろう。その瞬間に付け入る隙あり。ニンジャスレイヤーは……おお……しかし焦点を失いかけた目は……焦点を留め、カークィウスを見たのだ。36

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背中から放出される熱が止まった。コンマゼロ１秒の凪ぎの瞬間だった。しかしカークィウスはその瞬間に初めてこの敵の真の危険を覗き込んだように思った。「イヤーッ！」「グワーッ！」ニンジャスレイヤーはカークィウスに再度の頭突きを食らわせた！　37

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カークィウスは呻いた。そしてニューロンを激しく駆動し、瞬時に状況判断した。成る程……これが……これほどの力があればこそ、僅かな時間のうちに過冬を掻き乱し、ニンジャを次々に殺め、このエッジカム火山にまで至ったという事か。ならば相応の対処をせねばなるまい。　38

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーは今やカークィウスの手を掴み返し、決して離しはしない。カークィウスは肘を捩じり、瞬間的なアイソメトリック・カラテの発動によって、己の肘関節から先をちぎり捨てた。そうして自由になった。彼は後ろに転がり、間合いを取る。鸚鵡が飛び来たり、切断された両肘先に融合する。39

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「よかろう。ニンジャスレイヤー＝サン」彼は全ての鸚鵡にニンジャスレイヤーを襲わせながら、間合いを取る。そして彼の肩越し、石庭のサツバツナイトを見る。サイグナスは殺せなかったか。あの者にも更なる警戒が必要だ。「貴様の力の程は十分……」「おれはやる。そう言ったぞ」ワン・インチ距離。40

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カークィウスのニューロンをニンジャアドレナリンが過剰分泌。この数瞬で起こった事を遡及的にリコールする。間合いを取り、ニンジャスレイヤーに鸚鵡をけしかけた。しかし鸚鵡がニンジャスレイヤーに到達するよりも、彼がちぎれた腕を振り捨てカークィウスに肉薄する速度がよほど速かった……！　41

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」「グワーッ！」ニンジャスレイヤーは腕を交差させ、カークィウスの両肩に指を食いこませた。凄まじい力！しかも腕がクロスしており、反撃手段を奪っている！「バカな！」カークィウスは叫んだ。彼はワイズマンを組織したシンウインターの側近であり……再「イヤーッ！」「グワーッ！」42

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

頭突きがカークィウスの顔面を砕く！カークィウスは仰け反る。仰け反れない。ニンジャスレイヤーの両手が肩に食い込み、引き戻すからだ。ニンジャスレイヤーは再度の頭突きを……「イヤーッ！」食らわせる！「グワーッ！」「イヤーッ！」頭突き！「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」43

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」44

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」「グワーッ！」KRAAAASH！カークィウスは燃える桟敷に倒れ込んだ。ニンジャスレイヤーは見下ろした。額を溢れる血がシュウシュウと音を立て、黒く燃えた。カークィウスは起き上がろうとした。そして再び倒れた。「サヨナラ！」カークィウスは爆発四散した！　45

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【続く】