渡辺道明「ハーメルンのバイオリン弾き」を初期の設定から読み解く

非常に面白い考察なのでまとめました。
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灰鉄蝸(かいてっか) @Kaigoat

ハーメルンのバイオリン弾き、敵幹部がみんなクソ強い+方向性が違うゲスさでほんと好き

2018-10-12 21:53:48
灰鉄蝸(かいてっか) @Kaigoat

好きな異世界ファンタジーの世界観、ハーメルンとルドラサウム大陸なので、やはり魔族(魔人)がクソつよいの好き!!!!!

2018-10-12 22:47:27
dragd @dragd1

@Kaigoat 初期ハーメルン、魔界軍王ベースいわく魔族による「魔王ケストラーを頂点にした国家の樹立」とか「魔王が目覚める前に箱を抑える≒魔力源として傀儡元首?」とか、円環少女みたいなこと言ってたので、「まおゆう」より先取り出来てた可能性ありましたね…

2018-10-12 22:53:31
灰鉄蝸(かいてっか) @Kaigoat

@dragd1 後半と路線かなり違いますよねー、前半

2018-10-12 22:54:53
dragd @dragd1

@Kaigoat 原作にも逆流?されたアニメ設定で特徴的なのは、魔王≒魔族種の生命維持装置という発想。これ、「ニーア」にも通じます。多分、初期の担当とかしてた人は、三国志みたいに魔王を巡って様々な勢力が分裂し入り乱れる話にしたかったのでは…?とも思います。

2018-10-12 22:58:54
dragd @dragd1

大魔王ケストラーの絵面から、可能な限り「初期設定」のハーメルンと魔王の存在について考察してみる。

2018-10-12 23:13:57
dragd @dragd1

大魔王ケストラーの絵面には二つの側面がある。天使の羽と悪魔の羽を持ち合わせた、神魔融合した存在だ。このことから、本来ケストラーの役割は原作終盤で見せたような破壊の権化というよりも、デウスエクスマキナ、舞台装置であり通常手段では登場人物が触れることのできないマクガフィンだろう。

2018-10-12 23:16:40
dragd @dragd1

実際アニメ版のケストラーは、原作みたく明確な「敵」にならない。過去の発端であり現在の原因であり、未来の縮図だった。魔王とは装置だった。魔王としての自動的な衝動がなければ、子煩悩で愛妻家の男だ。

2018-10-12 23:20:01
dragd @dragd1

初期設定で特に人間離れしている存在が2つある。1つは魔族。もう一つは、優に200年以上生きるスフォルツェンド王家の血族だ。これ、前者がケストラーの魔の側面、後者がケストラーの聖の側面の血統なのではあるまいか。エヴァでいうなら、神の子であるリリスとアダムの殺し合い状態。

2018-10-12 23:23:12
dragd @dragd1

初期設定でなくなったもう一つの設定として「天界」というものがある。サイザーはそこから追放された…と表向きには言われていた。そしてこの世界にはパンドラの箱の創造をオリン爺に命じた「神」と、クラーリィが魔法で一時的に召喚した「地界」という場所もあったのだ。これらが意味することは…

2018-10-12 23:28:22
dragd @dragd1

「ハーメルン」の劇中で描かれる世界は、「天界」と「地界」の境界線に過ぎず、前者を統治するのが「神≒聖属性」で、恐らく「地界」側にも同等の「何か≒魔属性」がいる。ケストラーは両者の血を受け継ぐ、現世を支配する創造神となるはずの存在だった。

2018-10-12 23:32:35
dragd @dragd1

雑種強勢の如く、混血の創造神としてケストラーは破格の力をもつ神だったが、力があまりに強すぎた。その血は一方で魔の眷属≒魔族を生み出し、聖の眷属≒スフォルツェンド王家と人類を生み出した。…だから、両方の存在を魔王は糧にできる。もともとは自分の血肉、髪の一筋だから。

2018-10-12 23:35:30
dragd @dragd1

人間がケストラーを「大魔王」と呼ぶのは、一方的なレッテルに過ぎない。なぜなら魔族も人類も等しくケストラーの被造物であり所有物だから。ケストラーの血統により近い、魔界軍王とスフォルツェンド王家はこの事実を知っており、双方がお互いの政治的都合のために隠している。

2018-10-12 23:39:22
dragd @dragd1

魔界軍王の思惑は、現世にケストラーを元首とした国家を樹立すること。その仮想敵国は「天界」と「地界」。というか、天界・地界の神々による、傀儡国家・植民地的扱いからの解放されるために、魔族中心の統一国家をつくるべきだと軍王主席のベースは考えていた。人類は足並みを乱すゴミに過ぎない。

2018-10-12 23:48:04
dragd @dragd1

スフォルツェンド王家の思惑は、創造神ケストラーの超劣化コピーである人類種の永続。というか、同じ血を分けた魔族に比べてあまりに弱すぎる人類社会の維持だけですべてが費やされている。生きてるだけで精一杯の人類には、天界・地界以前に、自分らを食い物にしか見ない魔族の存在そのものが脅威。

2018-10-12 23:53:57
dragd @dragd1

だから、ハーメルンは本当に格差激ヤバな中世的世界だなーと思う。天下国家を論じ戦争を吹っかけてくる特権階級の貴族≒魔族と、大多数のスラム街の住民たち≒人類。スラム住民に唯一味方する変わり種の貴族≒スフォルツェンド王家。

2018-10-12 23:59:29
dragd @dragd1

魔族はケストラーとリンクしている分、強靭ですが、「天界」の神の勢力圏が多い現世では北の都ハーメルン以外では弱体化するというデメリットも抱えている。(それでも大多数の人間にとっては相当な脅威。どんだけ強いんだ魔族…)なんかWiFiのネットワーク環境勢力圏みたいな…

2018-10-13 00:03:49
dragd @dragd1

聖魔両方の力を扱える混血のケストラーだけど、恐らく魔属性≒地界の神の力の方が色濃く反映していると考えられます。クラーリィの「お前たちの世界に戻れ」というセリフから、魔族のルーツは、大魔王ケストラーよりも遡るなら「地界」だと考えられます。

2018-10-13 00:06:07
dragd @dragd1

魔界軍王、明らかに別種族が人類以上に軍事組織化されてるあたり、「地界」の地上制圧軍だろうな…(表向きはケストラーの私設部隊だろうけど)。軍王は地界の神々の息がかかった軍事顧問といったところか。恐らく初代の軍王たちはケストラーの意など介さない連中だったはず。(力の基盤自体が違う)

2018-10-13 00:12:58
dragd @dragd1

今にして思えば、殺人鬼ヴォーカル、あいつ地界の神々とケストラーの混血児だったのでは…?ハーメルの異母兄弟。大魔王の血肉に、地界の神々の直援受けられるんだからそら強いわ…

2018-10-13 00:15:42
dragd @dragd1

劇中世界が天界と地界という二大勢力の国境線であり戦闘の最前線であったとすると、ケストラーは双方の講話の証として、平和の使者として産み落とされたんだろうか…そして現世が、天界にも地界にも操られないために、独自の「国家」を持とうという発想をしたのが魔界軍王主席のベース。

2018-10-13 00:21:39
dragd @dragd1

ベースだけ魔族の原型を晒してないあたり、こいつは地界の眷属でも天界の眷属でもない、初の現世出身の魔界軍王だったのではないだろか。ベースが天界・地界双方に対して持っていた強みは、彼が「生死」を司る魔力の使い手だったからではないか。現世にある存在は、「生きていなければ」存在できない。

2018-10-13 00:25:37
dragd @dragd1

天界・地界双方の眷属に問答無用で「死」を押し付けて現世から追い払える…簡単に言うと、無線操作する義体を電波遮断して行動不能にするような感じ。冥王ベースが現世に駐留することで、地界・天界からの直接圧力は大幅に緩くなった。少なくとも双方の神々が直に乗り込むのが難しくなった。

2018-10-13 00:29:20
dragd @dragd1

そこで、生死を負いたくない天界・地界の神々は自らの代理人として、血肉をまとい「生」を持った軍王を送り込んだ。妖鳳王と幻竜王である。明らかに冥王ベースに対する牽制だった。実際、天界属性の妖鳳王オーボウはベースをして「純粋な魔力だけなら自分より上」と言わしめるほどの実力者だった。

2018-10-13 00:35:27
dragd @dragd1

とまぁ、こんな感じ。現世出身の軍王ベースが廃人みたいなケストラーを盛り立てて独立国家になろうとしているのか、あるいは独立したいケストラーが使い勝手のいいベースを取り立てたのか、もう大昔の話なんだろう。そして今は明確な介入がないあたり、天界・地界はもう現世に興味がないか、滅んでる。

2018-10-13 00:47:29